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レインラン8 カッパを着るタイミング

(雨のツーリングもまた楽しい。仲間がいればなおのこと。)

カッパを着るタイミング。

レインランで一番大切なことは、濡れないことだというお話を最初の方でしました。
でもツーリングで一番困るのはカッパを着るタイミング、脱ぐタイミングです。

ぽつっと来たか…でもこの雨は降る雨なのか、このまま降らない雨なのか?
走っているとき、わざわざ止まってカッパを着るのはすごく嫌なもの。まして降らずに陽まで差してきたら蒸れてすごく不快なことになるんじゃないか…。

どうしよう…と決断がつかないまま走ってるうちにかなり濡れてしまって、もう、今から合羽を着てもすでに濡れた服を中で蒸らすことになり、これも不快…。

なんて経験を、私もうんざりするほど積んできました。

また、カッパをいつ脱ぐのか?
早く脱いでまた降ってきたら着直すのが嫌だし、でも脱がないとどんどん蒸れてきて嫌だ…。

これも数え切れないほどの経験が。

結局、これは経験を積み、天候、雲を読んで、賭けるしかないのが結論です。
その賭けの勝率をすこしでも上げていくのがツーリングライダーとしての経験の蓄積。


(晴れ間が西に見えたら、雨はもう上がる。)

さて、カッパはいつ着るべきか。

原則は、「降る前に着る」です。
理由は2つ。

①、服は濡らしてはならない。これがツーリングの原則だからです。

一度服を濡らしてしまうと、その後カッパを着ても中の水分が逃げずに、中で蒸れを生じて不快感が増し、疲労も誘ってしまいます。
でも濡れてなくてもカッパ着たら蒸れるんじゃないのか?
そこなんですが、実はそれほどでもないのです。
私のカッパは透湿機能など全くないカッパですが、雨が降る前に着て、その時は、前のファスナーは止めず、ボタンだけにして、襟元も一番上までは止めないようにします。
バイクはハイクと違ってライダー自身は運転中そんなに動かないので、汗ビショにはなりにくいのです。
それに、雨が降ってくれたら(!)、防水生地の上から雨水で水冷されているわけで、そんなに汗もかかないし、結果、蒸れません。
これが一度濡れていると、体温でその水が水蒸気になるので不快指数は100%。べたっと貼りつく感覚も嫌気と疲労をさそいますね。


②降る前なら着る場所を自分で選べる。

ざっと雨が降ってきてすぐに停めてカッパを着たくても、安全に停める場所がない!止まりたいよ~と思いながら車に挟まれてだらだらと走り続けねばならず、その間に服はビショ濡れ…。
降る前に、停まるところを探し、一旦そこに入って止まり、そこで改めて空を仰ぎ、本当に降りそうか、降ってこないかを思案します。
ここが思案のしどころ。どっちに賭けるかを今までの自分の経験を総動員して、コール!
降らない方に賭けて着ないもよし、降る方に賭けて着るもよしです。
バイクツーリングの場合、周囲の状況に仕方なく「させられる」行為をなるべく減らし、自分の判断で状況を乗り切っていくようにしたほうが、私の場合は断然楽しいし、疲れも少ないように思います。
レインウエアも雨に着せられるのではなく、雨に備え、最高のタイミングで自ら着る!、といきたいものです。
こうして判断すると、ツーリング毎にその経験が蓄積され、ただなんとなく走り、降ってきてから仕方なく止まれるところを探して着るよりも、次第に賭けの的中率が上がっていきます。その何年もかける自分の成長を楽しめるのも、ツーリングの楽しみの一つかな…と思います。


(弱い雨でも、これは止まない。カッパは必ず着る。)

では、雨が降るかどうかはどう判断するかですが、私の流儀を思いつくままに書いておきます。

<流儀1>
 進行方向が煙っていたら、それは雨。煙っているところが近づいたらカッパを着る。

<流儀2>
 空全体が明るい時は、雨粒が小さいときはこのまま止む。カッパを脱ぐ、または着なくてもよい。

<流儀3>
 空全体が曇り、暗い(黒い)部分が大きな筋のように空を横切っているときは、その下では強い雨が降る。今降っていなくても、着てしまうか、いつでも着れるように準備をする。

<流儀4>
 降り始め、空気が生暖かく、ぼたっ、ぼたっ、と大きな雨粒が落ちてきて、雨の匂い(わかるかな…)がしてきたら、これはすぐにザ ーッと降ってくる。急いで停めるところを探して着る。

<流儀5>
 弱い雨でも空全体が暗く、しとしとと降っている雨は止まない。気温も低めになるので、濡れる前に着てしまう。

<流儀6>
 夏の巨大な入道雲の下で、にわかに真っ暗になり遠くで雷の音が聞こえたり、雷の閃光が見えたりしたら、すぐに雨宿りできるところを探し、バイクを降りて雨宿りする。すごく降られるが、1時間で止む。雨の中を進むと危険。

<流儀7>
 雨が止んでも曇っているうちはカッパを急いで脱がなくてよい。また降るかもしれないし、気温が上がって蒸れることも少ない。

<流儀8>
 雨上がりに日が差してきたら、ちょっとだけ走ってカッパの水分を飛ばしたら停車して脱ぐ。雨上がりの景色は美しく、風が気持ちいい。

などです。

昔と違い、局地的な天気予報もこまめに出て、それもあたることが多いので、ケータイでチェックしながら走るのもいいかもしれないですね。(私はケータイを持っていないので、自分で空を読みます。)


(降っていた雨が上がった夕方の美瑛。この明るさはもう降らない。降ってもぱらぱら。カッパなしでいける。)

バイクツーリングでは、多少の失敗や、とほほ体験はとてもいいスパイスです。大事に至らなければ、雨の読みが外れてずぶぬれになるもよし、降ると読んだのに全然降らずに蒸れていや~な気持ちになるもよし、一つひとつが楽しく大切な思い出になります。

大きな怪我や病気になったりしないように、注意して大事をとる方を選んでいきながら、少しずつ自分のスタイルを作っていけばいいのだと思います。

ライダーの数だけ流儀がある。
優劣ではなく、自分の流儀で、自分の判断でツーリングを愉しむ。
そして仲間と走るときは仲間と合わせながら、それぞれの流儀を可能な限り尊重していく。

一人でも、ペアでも、チームでも、ツーリングはそれぞれに楽しいですね。


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コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (弾正)
2008-07-09 00:37:23
聞きたかったことソレです。^^
なるほど!
今回は技術編ではなかったので当方でも充分理解できました。ってか理解できるようにわかりやすく書いてくれてのかもしれませんが。
「自分の流儀」いいですね~。
当方、先日の夕立に当たったときも、間違いなく流儀6なのに、それでも行ける勝率1%以下なのに行けるほうに賭けました。
濡れてもいいと安易に考えていました。
でも、体力消耗の上、万一も考えなきゃいけないんですよね。
服は濡らさない、了解です。
一つできましたよ、自分の流儀。^^
経験とテクが身につくまでは流儀を作らず、先輩方から学ぶ。
どうでしょう?
 
 
 
先輩。 (樹生和人)
2008-07-09 20:58:38
弾正さん、こんにちは。
いいですね。

私がバイクに乗り出した頃は学生だったので、バイクの先輩(学年は下の人もいました)にいろいろ教わりました。
そうやって人から教わり、自分で一人で走り、本や雑誌を読んで、徐々に自分の流儀を作っていったように思います。
素直に人からどんどん学ぶ、それも一つの流儀かと思います。
 
 
 
Unknown (田亜山)
2008-07-10 21:21:33
長いトンネルを抜けると、そこは雨が降っていた。それも高速道路で、あっという間にずぶぬれに・・・
そんなことも有りました。
 
 
 
まいった! (樹生和人)
2008-07-11 06:01:42
田亜山さん、こんにちは。
なるほど、それには私の流儀では全く歯が立ちません。
想定外。
中央高速って大きな山をトンネルで越えるようなところいっぱいありますし、関東から日本海側に分水嶺抜ける途中も長いトンネルいっぱいありそうですね。
分水嶺の左右でまったく天気が違うことはよくあることですね。
う~む。濡れるしかないのかっ。
 
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