光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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50年前の「模型とラジオ」にたまげる・鉄道模型編

2015-10-02 06:03:05 | 書籍

 50年前の模型とラジオから
 模型の総合誌の草分けみたいな存在の本なのですが鉄道模型関連の記事もなかなか面白かったので今回取り上げてみたいと思います。
 入手の経緯や雑誌全体の印象については以下のリンクをご参照ください
 また、こちらのブログでは他のジャンルの模型についても随時取り上げます。
ホビーのごった煮「50年前の「模型とラジオ」にたまげる・1」 

 最初のページを開くといきなり出てくるのが「ぼくの作ったレイアウト」
 あの当時はまだまだレイアウトが海の物とも山の物ともわからなかった時期なのですが口絵の段階で「中高生の作ったレイアウトが複数出ていた」のに驚きました。

 流石にトラックプランやシーナリィなどは未消化の所も多いのですが、それでも勢いが感じられます。

 車両工作は時期的に鉄道模型のメインストリームが0番から16番に切り替わる時期と重なっているせいか量的に0番と16番が半々と言う所です。
 TMSのような「製作記」と異なりビギナーを対象とした「作り方」ですから材料さえあれば一応は作れるようにはなっています。

 これらのHOモデルの記事を主に執筆されているのは菊池文雄氏。
 この後も休刊直前まで本誌の鉄道模型(主に車両工作)記事をよく書かれていました。

 以前本誌のNゲージ工作記事がTMSでもやらない様なマニアックさ(とスクラッチ志向)だった事について触れた事がありますが、80年代中ごろとは言え何故これほどの記事が掲載されていたかが私の中では大きな謎でした。
 今回50年前の本誌を読んで分かったのは「60年代の16番模型の自作と同じ感覚で80年代までNゲージの工作もやっていたから」だったと言う事です。

 それゆえ60年代と80年代の工作に対するポリシーの違い、ギャップが後になるほど拡大していったと見るのが正しい気がします。
 同時期のTMSでは「Nゲージは運転主体、車両工作は余程のベテランが秘術を尽くしてやるもの」と言うスタンスで例えば初期のNゲージ車両工作では「蒸気の動輪を自作の鋳造方法でダイカストパーツを作るところからやっていた」レベルの物が例外的に掲載されていた位です。
 Nが普及した後でも事実上動力系はブラックボックス化され既存のユニットを転用して車体をスクラッチ、又は切り継ぎで作る」やり方が主流になっていました。

 そんな時期に模型とラジオの工作だけは「モータとギアを組み合わせてTOMIXの二軸貨車を動力化」したり「マイクロエースの3軸機関車の足回りにロッドを追加してEC40の動力に転用する」なんて事を平気でやっていたのですから凄い話です。
 ですがそういうレベルの工作は16番では60年代位までは普通にやっていた事だった訳で、そのノリがずっと後まで尾を引いていた感じがします。

 0番ですが「空き缶を使ってタンク貨車をつくる」と言う廃物利用の記事もあったりします。
 サイズの関係や玩具として扱われていた期間が長かったからか16番に比べると大雑把な造形でフリーにも比較的寛容な様子が伺えます。
 ある意味一番工作記事らしい所がこの0番の記事かもしれません。

 この記事を見て私が驚いたのは模型そのものではなく材料の缶です。
「えっ!この頃は『雪印コーラ』なんてのがあったのか!」と言うのが今になってみると妙に新鮮で(笑)

 更にはこんなマニアックな車両まで(凄)

 巻末近くには連載で「当時の列車の編成表を形式ごとに纏める」物もありました。
 今回のは時期が時期なので「151系・157系編」でしたが編成表と実車の形式ごとの写真を付けるというのはなかなか親切かつ嬉しい配慮です。

 この頃の「模型とラジオ」の鉄道関連の記事は全体に濃い内容が多く、専門誌と遜色ないレベルだった事がよくわかりました。


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