写真左がT社の60系客車、右がK社の43系客車です。
一見両者とも外観は同じように見えますが、もともと急行用として作られた
43系と、木造客車から改造した60系とでは中の造作が大違いで、乗る時
に注意深く見分ける必要がありました(笑)
60系は一般用ということで、シートの間隔を微妙に縮めており、背もたれ
は見事なまでの垂直でニス塗りむき出しの木でした。
また、窓の日除けはカーテンではなくごついヨロイ戸で、使う時には重たい
ソレをよっこらしょと引っ張り上げる必要がありました。
走り出すと、せいぜい60~70km/hぐらいのスピードで、ピョコピョコと飛び
跳ねるように上下に激しく揺れだすので、当時「シャコタン車のよう」と形容
していました(笑)
ところで、この客車の特徴といえば、
・こげ茶色の塗装
・木目の内装
・ヨロイ戸の日除け
ですが、これらはそのまま関西私鉄の雄、H急電車の特徴にもあてはまり
ます(笑) 一見似たようなものながら、なぜH急電車のほうにはハイソな
イメージがあるのか理由は分かりません。
もっとも、このハイソなイメージというのが地方から来た人には理解されず、
H急電車を一目見るなり「国鉄のボロと一緒じゃのー」と言った人がいる
とかいないとか(笑)