【牡羊座】哲学派占い師SUGARさんの12星座占い(hpplus.jp)
そのことに関して、糸井重里が聞き手になって思想家の吉本隆明へのインタビューをまとめた『悪人正機』のなかで、男女関係にしろ友情関係にしろ、「純粋に相手の気持ちやなんかが全てわかる」ような人間同士の関わりを<純粋ごっこ>と呼んでいて、そういうのは青春期の入りかけだったり、人生のごく一時期には成り立つこともあるけれども、以降はどうしても利害の方が先に来るし、どんどん薄まって、不可能になっていくんだと言うわけです。
でもそれじゃあ、人間は年を重ねるほどに、ますます切なくなっていくばかりじゃないか、と言いたくなると思うんですけれど、吉本はそれでいい、「その切なさみたいなもの」こそが非常に大事で、なくさない方がいい感情なんだとも言うんです。
つまり、利害をこえたようなところで関われる相手なんていうのは、生きれば生きるほどいなくなっていくものだけど、かろうじてそういう相手がひとりかふたりでも残っていたら、それは例えはた目にはどれだけ損をしていたとしても「宝物みたいなもん」であって、そういう相手をこそ、恋人でも夫でも妻でも家族でもなく、唯一「友だち」と呼べるのかも知れない、と。
その意味で、私たちはみな<純粋ごっこ>とそれ以降の切なくなっていくばかりの人生を生きている“ひとりひとり”なのであって、かろうじてそうでない場合や時期もあるだけのことなのだと言えます。