五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

11月29日(木)晴:√

2007-11-29 23:43:24 | 仕事
 8時に起きる。やはり少々寝不足気味ではある。夕方に大学から直接東京に帰るので、大きな荷物をもってタクシーで大学に行く。正面玄関に直接乗りつけての出勤というのはちょっと偉そうである。ほんの数メートルのところで料金が上がってしまって、運転手さんがとてもすまなそうにしていた。いいのです。滅多にないことですから。

 2コマの総合演習は玄田有史『仕事のなかの曖昧な不安』と小杉礼子編『フリーターとニート』の中からいくつかの章を選んで読むことになっている。しかし報告者の一人がいつまで経っても現れない。連絡もない。僕のメールアドレスも研究室の電話番号も伝えてある。実は先日も予めスケジュールで決まっていた報告担当者が来なかった。そしてそのままフェードアウトする格好になっている。授業の内容がつまらないと思うのはかまわない。それこそ講義科目ならば途中で切ってもらうのも問題はない。しかし演習となると話しは別である。報告者の報告をもとに議論をすることが前提になっているわけだから、それを無断で放棄されてしまったらどうしようもない。途中で見切りをつけるならつけるで、その旨いいに来るぐらいのことはしてもいいのではないか。友人にメッセージを託すという形でもかまわないのだ。とにかく何もいわないというのは困る。そんなマナーまで教えなければならないとは(といっても、肝心の当人には伝えられないだろうが)、大学も堕ちたものである。

 そんなこともあったが、議論はそれなりにきちんとできた。玄田さんと本田由紀さんの対立点とか、小杉さんのような事例調査の重要性などについては、参加者の学生さんたちがいろいろと考えるところをたくさんしゃべってくれて僕としても面白かった。議論の中心をなすのはアニキのゼミや授業で鍛えられてきたメンバーである(僕はアニキン軍団と呼んでいる)。こういう人づくりがちゃんとできているところには畏敬の念を覚える。

 昼休みも弁当を食べながらPCの復旧作業。ようやくCドライブにWindows XPをインストールすることができた。ここから先は東京から戻ってきてからの作業だ。

 3コマの授業はサンプリングの話しの前半。標本誤差の話しになったところで、公式を板書する。高校のときからとにかく数学が苦手だった僕が、まさか授業で数式(実に簡単なものだけれど)を書くようになるとは思ってもみなかった。基本的には文系が多い履修者の皆さんも、何となく、うえー、という表情をしている。その気持ち、よくわかります、といいながら記号のところをことばに置き換えて公式の内容を説明する。どうもnとかpとかNとかがそのまんまの式を書かれると意味がわからなくなるのだ。聞いている人たちはそんなことはないのかもしれないけれど。

 板書をしていて、√というのは結構書くのが難しいのだということに気づいた。大きすぎると不格好だし、小さいと中身がはみだしてしまって、これも見栄えが悪い。数学の先生はさらりと書いていたけれど、結構慣れが必要なのだなあと思う。結局書き慣れていないのがバレバレの格好悪い√しか書けなかった。来年度はこの授業は科目名は同じでも、中身は大きく変わるので(社会調査とは関係ないものになる予定)、√を板書する機会というのも今後はそうはないだろうなあ。

 4コマのゼミは『路上の国柄』の7・8章を読む。住所や大学の学部のヘンな名前がテーマ。市町村合併や学部の改組によって生まれたヘンテコな名称に対して、なぜわれわれはそれに違和感を覚えたりするのだろう、といった議論をする。青森県などをみると、五所川原市には飛び地があったり、平川市も碇ヶ関のあたりはずいぶんと遠くだったり、とかなりの無茶と、そこから生じるヘンな感じというのがある。なかなか合併後の新しい地名でヒットなものというのはなさそうだ。合併前のそれぞれの地域の政治的な思惑などもあるから、難しい。以前「進め!電波少年」(「進ぬ」になってからだろうか)というテレビ番組で、浦和・大宮・与野が合併してできる新市の名称決定がもめているという話しを聞きつけて、それぞれの役所に「よ!大浦和市」という市名を提案しに行っていたなんていう話しをする。けんもほろろな対応の浦和・大宮両市に対して、与野市の担当者が「いいですねえ!」と乗っていたのが面白かった。こういうのが大人の対応ってもんなんだ、と関係ない話しまでする。

 大学の学部名称も、おそらく慶應義塾が湘南藤沢キャンパスを開設したあたりから多様化が進んできたように思う。とりわけ国立大学の教育学部は教養部解体のあおりで名称を変更したところが多い。その点うちの大学は割と保守的というか、もともとの学部名称を割と保っているほうのようだ。農学部が農学生命科学部(略称は農生)になったくらいか。東大にはポツダム学部というのがあってねえ、なんていう話しには、2人とも不思議そうな顔をしていた。

 今日のゼミはいつもより20分ほど早く切り上げさせてもらって、タクシーで弘前駅に向かう。時間的にはかなりぎりぎりだったのだが、車内でのおやつのドーナツだけは忘れずに買う。津軽の日暮れは早い。「つがる30号」が弘前を出る4時にはもう夕焼けである。青森に到着するころには日が落ちている。スイッチバック式の青森から進行方向が変わると、東京に向かっているという実感がわいてくる。

 八戸から乗り継いだ新幹線の車中で昨日と今日の2日分の日記を書く。せっかくの帰京なので、色々楽しんで、リフレッシュできたらと思っている。

11月28日(水):データ救出作業

2007-11-29 23:39:37 | Weblog
 起きるやいなや、やはり気になるのはパソコンのこと。ネットであれこれ調べてみたものの、どうもデータのほうは取り戻せそうにない。暗澹たる気分。

 11時になって、使っているPCのメーカーのサポートセンターに電話をかける。これまでにも2台のPCをここで買っていて、何度かトラブルを解決してもらったことがある。最後の頼みの綱である。しかし電話がなかなかつながらない。途中から研究関連の論文を読み始めた。右手でページをめくり、左手で何度も受話器のリダイヤルボタンを押すといった具合。ようやく電話がつながったのは、12時半を回ったところだった。しかし、指示通りあれこれ試してみてもやはり打開策はみつからない。「残念ですが、データのほうは諦めて、ハードディスクをフォーマットしてからインストールし直すしかないですね」とのことだった。

 昨日に続いてマイクロソフトのサポートに電話する。こちらはすぐにつながった。とにかく何とかデータの取り出しができないか、という形で話しをしてみる。するとハードディスクのパーティションを分けているのなら、Windowsを入れていないほうにインストールしてみてはどうでしょう、と勧められた。あれ、でもその方法はさっきのサポートではきっぱりとできないといわれたんだけどなあ。OSはCドライブでなければダメだし、そもそもハードディスクが損傷している可能性があるから、Fのパーティションも使えないはず、とのことだった。とはいえ、一縷の望みを託してやってみよう。するとこちらにはしっかりインストールできた。おかげでデータにもアクセスが可能に。研究論文や授業のノートなどを救出し、ひとまずノートPCのほうに移しておく。続いて本当に大事なものについてはDVDに保存した。やれやれである。

 ひとつひとつの作業にはそれぞれ時間を要するから、その間もサポート担当者の方にはお付き合いいただくことになる。もちろん電話料金はこちらの負担だけれども、お時間を取らせてしまうのは少々心苦しい。ただ、今回の場合は結果的にはうまくいったので、ある種の達成感を共有できたのはうれしい。この間のFAXのときもそうだったが、大変なお仕事である。かつてはPCやソフトのメーカー対応は結構ぞんざいなイメージがあったけれども、認識を新たにした。

 今日は授業が入っていなかったのが幸い。夕方社会科の研究会に参加する。地理学のK先生とG先生のご報告はいずれもとても面白い内容だった。本来は附属小中学校の先生方との研究交流を目的とした会なのだが、むしろ同僚の先生がたの研究の一部をわかりやすく伝えてもらえる場として楽しみにしている。ただし、最後の最後でずいぶんと不愉快な思いをした。現場の教員との交流というのは、ことばとしては美しいが、現実には本当に難しいものだと痛感する。

 研究室に戻って再びデータのバックアップ作業とPCの修復インストール作業を並行して進める。データを取り出すことができたとはいえ、これまで通り使うにはまだまだいろいろとやらなければならないことがある。もう1週間くらいは何かと不便になりそうだ。救いは性能のいいノートPCが届いていたこと。研究室にある、もっぱら学生さんに使ってもらうためのPCはとにかく遅くて話しにならないのだ。

 同僚のF先生の誕生日と配置換えを祝う会。これまでの任期付きから任期なしのポストに移られることになった。何より安心して働けることの意味は大きいだろう。

 土手町の「赤湯 とり鐵」へ。初めて行くお店である。7時はじまりのところ、PCのことであれこれ手間取って8時過ぎに行く。鍋も焼き物も、鶏肉にまったく臭みがなく、とてもおいしい。二次会は「Cherry’s Bar」へ。いずれにおいても主役はアニキである。しかし今回も抜かりなき仕切りっぷりである。F先生に「抱負をいえ」といっても、いつの間にかアニキが話しの中心になっている。他に比類なき存在感である(誤解のないようにいっておくが、決して嫌味などではなく、称えているつもりである)。閉店時刻である2時くらいまでいただろうか。それでも「アニキの飲み」にしては早じまいなほうである。鍛治町あたりでなら、この後にカラオケが入ったりするからなあ。何だかんだでいいお祝いの席になったと思う。

 一度夕方に自転車を置きに宿舎に戻るつもりだったのが時間がなくなってしまったので、店には大学から直接行った。おかげで深夜の冷たい空気の中をこいで帰る。白いものがひらひらと舞ってきた。週末はまた雪になるらしい。

11月27日(火)晴後曇:インストール失敗

2007-11-28 03:15:53 | Weblog
 8時に起きる。明治大学で教えていたK君から、近況と彼のお気に入りのお店を紹介したメールが届いていた。お勧めのお店は大久保にあるとのこと。ちょっと今度の週末には行けそうにないけれども、チェックしておこう。

 生ゴミを出す。今日はちゃんと間に合った。しかしこんな日に限って収集が遅かったりする。ふだんは収集車の音に目を覚まして、ああ、今日もダメだったか、と思ったりするのに。

 いつもよりいくらか早く大学に出たおかげで時間的にも気分的にも余裕がある。来週火曜日の授業のレジュメと資料を用意する。さんざん東京でやってきたネタだが、こちらでやるのは初めて。細かいところに手を入れる。少しずつでもこうしたストックに手入れをしてあげないと、どんどん古くなってしまう。ただし僕の場合いくらか得なのは、歴史的な内容が多いこと。生モノはすぐに古くなってしまうが、歴史モノは古くなるにしてもそのスピードはゆっくりとしたものである。

 途中で地理学のK先生が研究室に来られたので、用事のついでにしばし雑談させていただく。社会科の中ではK先生のお話しが最も面白いので、その機会を楽しみにしているのだが、いかんせん研究室が離れているので(3階と4階、さらに位置的にも離れて2グループに分かれている)お目にかかることも少なかったりする。欲しいと思っているのだけれど、いろいろあって手が出せないGISソフトについてもご教示をいただいた。おまけにフリーソフトのマニュアル本まで貸していただいて恐縮した。

 スコーラムで昼食。味噌おでん(といっても普通のおでんに味噌をつけて食べるだけのもの)とおにぎりの定食。おでんがもうちょっと熱かったらよかったのだが、ぜいたくはいえないか。

 午後に会議がひとつ。重要なのだが、かなり形式的な内容だった。30分ほどで終わる。わざわざT実習を休んで参加したのに、ちょっと拍子抜け。

 研究室に戻り、一昨日買ったノートパソコンのセットアップをする。プリインストールのWindowsVistaはXPにダウングレードする。それにしても軽い。これまで愛用してきたLibrettoよりも軽い。処理速度が滅法遅くなってきていたLibrettoの後継機としては申し分ない。

 もうひとつ、メインで使っているパソコンのOSはWindows2000。その安定感が好きなのだが、さすがに時代遅れになっていくつか不都合も出てきた。今さらだが、将来的なことも考えて、XPにアップグレードすることにした。ノートのほうのセットアップがすぐに終わったので、こちらもさほど手間取ることはないだろうと簡単に考えていた。だが、これが大きな間違い。インストール途中の再起動から先に進めなくなってしまった。うっかりデータのバックアップも怠ったままに作業を開始してしまった。

 いろいろ試してはみたものの、改善の余地はない。サポートに電話してみる。PCに関するかなり細かい情報を用意して、どのような状態かを説明する。指示にしたがってあれこれ試してみたものの、やっぱりダメだ。頭の中が真っ白になったよう、というのはまさにこんなとき。いくつかバップアップのあるデータもあるが、もしハードディスクが損傷しているようであれば、前期の授業内容などは全部パーになってしまう。いやはや困った。何とか一部だけでもデータが残ってくれたらと、祈るような気持ちでいる。

 学食で夕食を食べ終わったところで、アニキとお会いした。お弟子さんたちとしばしプロレス話しで盛り上がる。こういう日こそ、バカ話に興じるほうがいい。

 研究室に戻ってから再びあれこれいじってみる。しかし結果は同じ。結局これにかかりきりで、12時近くまで残るハメになった。明日は朝からサポート窓口に電話をかけ、つながるまでの持久戦となる。使い方にも問題があるのだろうが、それにしてもここのところ電気製品のトラブルに巻き込まれることが多い。何かバチが当たっているのではないか、といったな気さえしてくる。何とかならないかなあ。

11月26日(月)晴後雨:ひとことの妙

2007-11-27 00:15:57 | Weblog
 今朝も比較的あたたかい。自転車でも行けそうな気がするが、歩いていくことにする。ここのところ運動不足だから、往復歩けばいくらかのカロリー消費になるだろう。

 午前中は電話をかけなければならない用件が3つほど。幸いいずれも滞りなく片づいた。お昼休みの混雑を避けて、生協で注文していた本を受け取り、預金通帳の記帳をする。一度研究室に戻って、昼休みの時間が終わるまで仕事。

 1時近くなってからスコーラムに行く。食事をした後で本を読み始めたのだが、暖房がほどよく効いているのと満腹感とでついウトウトしかける。そこに音楽家のI先生がいらっしゃって、はっ、と起きる。そのまましばしおしゃべりする。先生とお会いするのは先週水曜日以来なのだが、ずいぶんとご無沙汰してしまったような気がする。

 雑誌『東京人』の話題になる。先生がこの雑誌を毎号購読されているとは知らなかった。かつてお勤めになっていたころからのご縁なのだそうだ。『東京人』は、僕も以前は毎号のように買っていたけれど、最近は東京に帰ったときに手に取ってみて、気が向いたら買う、といった程度になってしまった。決して雑誌の質が落ちたからではなく、身近なところにないからである。今でも大好きな、いい雑誌だ。とくに中央線の特集がいいですね、とお話ししながら、よく登場する三善里沙子さんのお名前がとうとう最後まで出てこなかった。

 先週末にやっていたドラマ「点と線」から松本清張の話しへ。先生がおっしゃるように、ドラマ自体はよく作られているのだが、いかんせん時代性というのがうまく出せていない。どうしても新しいものを無理矢理古っぽくみせている、といった感じになってしまっていた。戦国時代とか江戸時代よりも、現代史をテーマにした映像というのは難しい。さらに「砂の器」といった松本作品についてもあれこれしゃべる。「砂の器」の主人公和賀英良は現代音楽家という設定だから、そうした点からもいろいろと教えていただいた。

 ああ、やっぱり週に一度はこういう充実した昼食のひとときを持ちたいものだ。スコーラムでのお昼ご飯はこうでなくっちゃ。

 午後は昨日、いや一昨日からか、進まないノート作りに苦しむ。何とか1回分の定量になったので、とりあえずいったんひと区切り。

 午前中とは一変して、雨が降り出しそうになったので、一度車を取りに帰宅することにする。昨日炊いたご飯もあるから、今日は家で食べよう。その前にクリーニングに出しておいたフェニックスのウインドブレーカーを受け取る。先日古着を手に入れた。フェニックスの鮮やかな赤色に、刺繍のチームロゴが映える。学内でちょっと食事に出る際にはコートは重いので、これがあると便利だ。気分的にも「不死鳥」たりうるか。

 料理の手を一度止めて、夕方の「スーパーJチャンネルABA」をみる。先日の審査会の模様が少しばかり放送されると聞いている。いきなり冒頭のところで映った自分に思わず笑う。審査会の様子は5分ほどだったが、最終審査のときにしゃべったひとことが字幕付きで使われていた。「ローカリティ」といったのを、ちゃんと「地域色」と和訳してテロップをつけてくれていた。だらだらと適当なことをしゃべっていたりもしたのだけれど、しっかりポイントを押さえたところを拾ってくれている。うーん、これがプロの編集の妙というものか。とにもかくにも、使っていただいてうれしく思っております。

 僕の作る料理はとても他人に食べさせられるような代物ではない(なにせ見栄えが悪い)が、とにかく薄味にできるのがいい。学食では「塩分を控えめに」と謳っている割に、それでも僕には味が濃い。食後に大学へ。ノートに再び手を入れる。時間をかけた割には内容的にまとまっていないところがどうにも不満だが、とりあえずこれで行ってみよう。

 今夜は今日届いたthree NATION「Dance Floor Lovers」というアルバムをかけながら仕事する。YouTubeで、古内東子の曲をあれこれ聴いているうちに彼女の作品である「誰より好きなのに」をサンプリングした「too close」という曲に行き着いた。これがとても気に入ったのでCDも聴いてみることにした。3人組のヒップホップユニットであるが、女性ヴォーカルの声がとても心地いい。何というか、スムースに流れていく感じ。これも車の中で聴いたらいいんじゃないかと思う。

 道路の雪はあらかた融けてしまった。とりあえずひと安心、と思いきや、週末はまた雪になるようだ。今週末東京に帰るまでは何とか大雪にならずに済むといいのだが。

11月25日(日)晴時々曇:小春日和

2007-11-26 00:12:50 | Weblog
 きれいに晴れた朝というのは久しぶりな気がする。これまで以上に太陽のありがたみを感じる。しかも風もなく、穏やか。コートを着なくても済むくらいの陽気。

 一昨日審査員を務めた際、過分な謝礼をいただいた。もちろん僕なりに一生懸命に務めたつもりだから、ありがたく頂戴したが、それでも慣れていない(こういうのには一生慣れたくない)から、どうも落ち着かない。ならば早々に遣ってしまうのがいい。

 ブランチを「會そば」に食べに行く。堂々、今日はごちそうしますから!という。もっとも、おそば屋さんだから、たかが知れているといえば知れている。とはいえこの季節、おいしいあたたかいおそばが食べたかったところではある。11時ちょっと過ぎだというのに店内は混んでいた。普段は閉まっていることの多い2階に通してもらう。暖房が効いていないので少し冷えるが、ちょうど南側の席に座ったので、表から差す陽のおかげであたたかい。

 いつもは「會そば」(850円)を注文するのだが、それではせっかくの気分が台なしだ。「特製會そば」(1200円)を頼む。両者の違いは、「特製」のエビ天が「普通」だとあげ玉になっているというだけ。実は「特製」を食べるのは今日が初めてだ。やっぱりうまい。普段温そばのときには頼まないそば湯も持ってきてもらって、その濃厚なとろみを楽しむ。なんだかとっても幸せな気持ちになれる。こちらに来てからというもの、そばは日常食ではなくなった(東京にいたときには立ち食いそばをしょっちゅう食べていたので)けれど、その分こうやって時折の楽しみとすることができる。

 食後にコーヒーを、ということで本来のカフェめぐりに。とりあえず一度入った店には入らないという暗黙のルールに則り、鍛冶町を歩く。だが、この間にもまして閉まっているところが多い。一本北側の通りに出て、「テネシー」という喫茶店に入る。食事と飲みものだけの、気取った感じのない落ち着いたお店。ただしここのテーブルも花札のゲームになっている。このあたりの定番なのだろうか。

 昨日の買い物のことから貧乏性の話しになり、「清貧」というキャッチフレーズはダメですかね?といったら笑われた。じゃあ社会学っぽく「世俗内禁欲」はどうでしょう?といってみる(ウェーバー先生すみません)。こっちのほうがいくらかマシらしい。しかし貧乏ネタは僕の授業の十八番である。非常勤のときにはこれで結構笑いを取ってきた。でも今はそこそこの収入を得ているでしょ、というツッコミを受けたけれど、おそらく今のボロ宿舎に住んでいる限りは貧乏ネタは使えるような気がしている。そういえば、昔「オレたちひょうきん族」の何人トリオの「ラブユー貧乏」(ロス・プリモスが自らのヒット曲
「ラブユー東京」の替え歌として歌っていた)が大好きだったな。

 そのまま大学に出て仕事。これまでにもまして今週のノート作りには苦労する。統計学的な話しをどれだけ、そしてどの程度のレベルで組みこんでいくかに頭を悩ませる。煮詰まっていけばいくほど、授業内容が「教科書的」になってきてしまう。どうやって噛み砕いていくか、かつ来週以降の授業に積み残しを出さないか(日程的にかなりきっちりと組んでしまっているので)苦労している。

 途中で関西学生アメリカンフットボールの関西学院対立命館の試合の動向をネットでチェックする。相当な好ゲームになったようだ。最終的に試合を制したのは関学だったが、それならなおのことフェニックスには法政を倒してもらって、甲子園ボウル(今年は長居競技場での開催だが)で伝統の日大対関学の試合をみせてほしい。

 夕方、今日は無性に炊きたてのご飯が食べたくなったので、宿舎に戻って食べることにする。昨日裾上げを頼んだズボンを取りに行くついでに向こう3日間くらいの材料と刺身を買って帰る。さしていいお米ではないけれど、やはり炊いたばかりのメシはいい。

 食事をしながら大河ドラマ「風林火山」をみる。いつもは録画したものを深夜にみているので、リアルタイムでみるのは久しぶり。今日はGackt演じる上杉謙信がとてもよかった。傲慢不遜なあり方を省みるあたりの人間くささが、これまでのドラマでの謙信の描き方とはちょっと異なっている。その転機が、井川遥と西田尚美という、僕の好きな女優さん2人との会話を通じてみえるのがまたいい。

 再び大学に戻って、進まないノート作りに従事。一応明日にはできあがるメドがついたので、少し安心する。それを終えると来年度の授業時間割調整の書類を整えて、講座の先生方の回覧に付す。あっという間に3連休が過ぎてしまった。ふだんと同じような週末だったような気もするけれど、最後の一日、ぽかぽか陽気に恵まれたことは何にもまして幸いだった。今日があったから、明日からも頑張れるような気がしている。

11月24日(土)雨後曇:安物買い

2007-11-25 00:55:55 | Weblog
 朝方、ベッドの中で雨の降る音を聞いて安心する。今日は駐車場周りの雪かきをするつもりでいた。でもこの雨で融けてくれるだろう。そのまま昼まで二度寝する。

 よく寝てすっきりした。パスタを茹でて食べ、土13(青森では月9はこの時間帯になる)ドラマ「ガリレオ」を観る。洗濯をし、その後もしばらく部屋でのんびりする。時折ゴリゴリと凍った雪を踏みしめて走る車の音がする以外、静かである。

 重い腰を上げて出かける。近くのホームセンターで小さなファンヒーターと灯油を買う。一度値段をチェックして、それから家電量販店でも値段をみて、結局安いホームセンターまで引き返してきた。人文学部のS先生ご夫妻とお会いする。先生のほうは普段通りちゃんとしておられたが、僕のほうは髭も剃らず、頭もぼさぼさである。ちょっとばつが悪い。いつどんなときでも誰か知り合いに遭遇するという緊張感を忘れてしまっていた。

 洗濯物を外に干せなくなり、乾きが遅くなる分、どうしても服の回りが悪くなってきたので、シャツの中に着るインナーのタートルネックを買いに行く。折りよく2割引だ。色違いを3枚買う。冬場はこのインナーが重宝する。

 大学に出て講義ノートの仕込み。来週の水曜日の夜は予定が入ってしまっているから、早め早めの準備が必要。プロットを作り、半分ほどできたところで人民食堂に行き、夕食。カニのあんかけチャーハンはなかなかおいしかった。

 研究室に帰るところで明日のパンがないことに気づく。そのまま車でイトーヨーカドーまで買いに行く。ついでにズボンを物色。少し厚手の生地のものが欲しい。割としっかりしていて、かつ50%引きのものがある。サイズもぴったりだ。1本でいいところをこちらも色違いで3本買う。どうも値引き品だと余分に買ってしまうクセがある。

 再び大学に戻って引き続き仕事をする。あまり実のない買い物であったのだが、まとまって買うとちょっとした気晴らしにはなる。衝動買いといっても額としてはそんなに多いわけでもない。たまにはこういうのもいいだろう。それにしても、それなりの収入を得るようになっても、長年染みついた貧乏性というのは抜けないものである。このまま50代くらいになっても変わらないような気がする。ブランド品よりもユニクロとか無印良品なんかのほうが性に合っている。

 帰りがけに昨日に続いて「花の湯」に寄る。昨日にもまして道路が走りづらい。完全に融けてくれるか、雪が積もるかしてくれないと、ひたすら緊張しっぱなしで車を走らせることになる。明日は久しぶりにいいお天気のようだ。楽しみである。

11月23日(金)曇:「未来新聞」

2007-11-24 00:52:01 | 仕事
 8時に起きる。朝食を摂ってからタクシーで弘前駅へ。9:09発の特急「つがる8号」に乗る。青森までの利用なので、自由席にしたのだが、ホームにずらりと人が並んでいてびっくりした。三連休の初日だからだろうか。幸い何とか席に着くことができた。30分ほどの間、目をつぶる。

 青森駅のホームも冷える。こちらでもたくさん人が並んでいた。多くの立ち客を乗せて八戸に向かって列車は出て行った。跨線橋から青森ベイブリッジを眺める。弘前と青森の間はそれほど遠くないのだが、ごくたまに青森に行くと、何となく特別なところに来た気分になる。



 電車の時刻の関係で、結構時間に余裕がある。駅前のPRONTOに入ってコーヒーを飲んで時間をつぶす。持参した伊奈正人・中村好孝『社会学的想像力のために』(世界思想社)を読み始める。

 10時半になったので、タクシーではまなす会館に向かう。今日はこちらで青森朝日放送(ABA)主催の「小学生 未来新聞コンテスト」の審査員を務めることになっている。だが、集合時間の11時になってもまだ審査員が全員揃っていないとのことで、30分ほど時間をもらった。はまなす会館の体育館のほうで開かれている倒産品・破産品処分市を覗く。十徳ナイフとか、ドライバー付き懐中電灯とか、毛玉取り器とか、普段なら買わないようなものに手を伸ばす。

 全員揃ったところで簡単な説明を受け、昼食を食べてから審査を開始する。一次審査を通過した入選作品が審査対象。僕も含めて4人の審査員が審査するのだが、僕以外はこれまでのコンテストもずっとみてこられた方々である。これまでは自然科学系のテーマに沿った作品募集だったそうなのだが、今回から社会科学系のテーマも含めてということで、教育学部の社会科の教員にも声がかかったとのこと。

 審査のための時間は予め決められているので、コンスタントに作品をみていかなければならない。ひととおり目を通すけれども、第一印象でどれだけのインパクトを与えられるかが評価の重要な要素になってくる。これまでに回を重ねているだけあって、形式もずいぶんと凝っている。

 審査の途中でインタビューを受ける。テレビカメラが回っていて、レポーターの女性の質問に応える。こんな経験ははじめてだから、冷静にしゃべっているつもりでも膝が震えているのがわかった。ちょっと冗長にしゃべりすぎた気がする(たぶん放送では使われないだろう)。しかし聞き手もさすがはプロである。うまく臨機応変な質問をしてくれるので、しゃべりやすい。後でうかがったら、稲見治子さんという、青森のFM放送などでDJとしても活躍されている方だそうだ。

 スタッフの方からは、放送日と放送時間を教えていただいた。ちゃんとビデオを予約しておいたほうがいいですよ、といわれたが、果たして映るのだろうか。

 すべての作品に点数をつけて、集計結果をもとに作品を絞り込んでいく。審査員の評価もかなり分かれる。僕は、新聞としてのみやすさ、読みやすさ、といったことと、構成のメリハリ、それとやはり社会科学的な要素を重視して採点した。良くも悪くも僕のは「個性的」な評価になっていたようだ。

 最優秀作品を決める際の合議というのは、和やかな雰囲気の中にも独特の緊張感がある。それぞれの考えをきちんと説明しなければならない。僕が一番若い審査員だったが、主張すべき点はしっかりと述べさせてもらった。最終的に選ばれた作品は、とてもよくできたものだったと思う。

 審査会終了後は関係者の方々、審査員の先生方で懇親会。はたはたの田楽焼きなんていう、初めて食べるようなお魚をいただきながら、選外になったけれども面白いと思った、印象に残った作品について語り合う。この「未来新聞」がいいのは、共同作業で作ることが前提になっていることだ。個々の内容がよくても、ただの寄せ集めに終始しているものは評価が高くない。個人がそれぞれ協力して、ひとつの作品に作り上げるところに意義がある。実際、高く評価された作品のいずれもがしっかりとした「共同作業の成果」になっていた。

 青森からタクシーで弘前まで戻る。車中では同じ教育学部の理科のC先生と引き続き感想などをお話しした。もともとこのお話しをもってきてくださったのがC先生である。十分にお役に立てたかどうかわからないけれど、楽しい機会をくださったことに感謝したい。

 審査自体は楽しくて、全く疲れなかったのだが、帰宅すると体が冷えてきた。「花の湯」に浸かって温まる。帰り道、凍結した道路に車のハンドルを取られる。雪が積もった道よりも、融けた雪が凍ったブラック・アイスバーンの道のほうが怖い。だんだん行動範囲が狭くなっていくのがちょっと残念だ。

11月22日(木)雪:後継靴

2007-11-22 23:21:34 | モノ
 昨夜は研究室でブログを書いた後、1階のF先生の研究室でしばし話し込んで、結局帰宅は3時近かった。朝8時半に起きる。睡眠時間は十分ではないが、寒いせいかよく眠れたという感じ。 外をみると、雪は降り続けている。

 少々心許ないバスの運行時刻を鑑みて、大学まで歩くことにする。歩いているうちに体は温まるのでさほど寒さは感じないが、衣服に付着した雪が融けてくると途端に冷えてくる。それも研究室に入ると、すでにスチームで十分に温まっていて、安心する。

 今日の3つの授業は滞りなく進んだ。2コマと3コマの間の昼休みも、格別用事がなかったので、弁当を食べ、少しばかりANATAKIKOUの曲を聴いたりしてリラックスできた。

 4コマのゼミでは、少し話しが脱線して津軽弁の話しになる。2人のゼミ生は、ほぼ完全な標準語を話す。少なくとも僕自身は話していてあまり違和感を感じない。どのあたりで津軽弁を主に話す人、標準語を上手に使い分ける人の違いが出るのだろう、といったら、口を揃えて大学に入ったのが転機だとのこと。うちの大学は比較的地元出身者が多いのだが、それでも岩手や北海道などからの入学者もいる。そういった人びとと交流すると、自ずと標準語を話すようになるそうだ。大学にはそんな社会化機能があるのか。

 ゼミが終わるとすぐにバスで帰宅。今日のうちに車の雪かきをしておかなければ。幸い、雪の水分が少ないのと、風が吹いたおかげで車の上の雪はそれほど多くはなかった。



 暖機運転をしながら雪を下ろす。下ろした雪を今度は車の後ろに捨てる。少しずつ雪の山が大きくなっていく。

 慣れていないものだから、結構時間がかかる。1時間くらいかかったかもしれない。ひととおり雪をかいたところで買い出しに出る。あまり気にせずにいたら、部屋の灯油の備蓄がわずかになっていた。ポリタンクを2つ積み込んで出かける。近くのホームセンターの駐車場に車を停めると、雪と風が一気に強くなってきた。ちょっとした吹雪のよう。

 灯油を部屋まで運び入れて(4階まで階段しかないので、それなりに骨の折れる作業だ)、クリーニングに出してあったスーツを受け取り、雪用の靴を買いに行く。このブログを書き始めたときに一緒に風呂にまで入った黒1号の後継が必要になった。

 イトーヨーカドーの靴売り場を眺めていると、男性用の雪用の靴は、くるぶしの上くらいまでの高さのものと、あとは長靴である。女性用はあれこれブーツが揃っていて、高さもよさげである。男性用のやや丈のあるブーツがあるといいのになあ、と思いながら、黒いもの(黒3号)と茶色いもの(茶2号)を購入する。昨年の冬は実質的に2足(黒2号と茶1号)で乗り切ったのだが、やはり2足だと心許ない。4足+ゴム長靴1足あればどうにかなるだろう。

 だが、ひとつ問題がある。僕は講義をするときにはどうしても靴でないと落ち着かなくて(研究室で履いているサンダルのままだと教室を歩き回るときにペタペタした感じでどうもよろしくない)、授業の前に必ず履き替えるようにしているのだが、雪用の靴だと教室を歩く際に音がする。とくにスパイクのついているものはカチカチ音がする。授業のときのために履く靴を一足宿舎から持参する。捨てようと思っていたボロ靴だが、やはりこのほうがしっくりくるような気がする。

11月21日(水)雪:サポートサービス

2007-11-22 01:30:14 | Weblog
 朝9時起床。バスで大学へ。今日も一日降りそうな気配。

 10時20分からの会議に出る。それほど重要な立場にないものだから、ふんふんと話しを聞いていたら、急に「何か意見はありませんか?」と振られた。全く予期していなかったから、「特にありません」と答えたが、どうも恥ずかしい。大学の会議ともなると、振られたら何か意見を言わなければ済まないような雰囲気がある。でもない袖は振れませんから。

 出席していてイライラする会議は、さあ終わるかというところで、「あと」、「そういえば」とダラダラと長引くパターン。今日もそのクチだった。

 スコーラムで昼食。直前に生協で買った中山良昭『江戸300藩 殿様のその後』(朝日新書)を読む。このような本は八幡和郎さんの得意とするところだが、こちらは近代になってからの話しが充実しているという印象。昼食後に読書をする習慣がついたのはいいのだが、最後まで読み通す本が半分、残りは読了せずに放ってしまうのが半分といった感じ。後者の比率を低くしなければなあ。

 午後3時から教授会。議題は多くなかったけれど、投票を要する案件が多く、かなり時間がかかった。といっても他大学のお話しを聞いている限りでは短いほうらしいが。午後6時近くに終了。会議2つというのは、授業を4つやるのよりずっと疲れる。ふう。今日はここから明日の授業準備をやらなければならない。せっかく音楽家のI先生に夕食のお誘いをいただいたのだが、今日はお断りせざるを得なかった。

 だが、うっかり昼間に不調をきたしたFAX複合機の状況を調べたくて、メーカー(ブラザー)のサポートサービスに電話をしてしまった。しばらくしてつながった電話に出た担当者の方はとても親切で、あれこれ対処策を教えてくださった。まずは指示通りに設定をチェックしたり、電話とFAXの設置状況を報告してみたりする。だが、すぐには改善しない。すると、類似事例を調べてみます、とのこと。15分ほどして電話をくださった。再びあれこれと試してみる。そのうちに、数日前まで正常だったFAX送信もおかしいことがわかり、そちらの対処も加わる。

 おそらく10回以上はかけては調べ、調べてはかけ、をしてくれたのだと思う。7時少し前に最初の電話をして、とりあえずFAX送信が可能な状態にまでなって、これで十分です、と僕のほうから申し出てやりとりを終えたのが8時半近くだから、1時間半もかかりきりで対応してくれたことになる。ここまで懇切丁寧なサポートをしてもらったのは初めてである。お名前を出すわけにはいかないけれど、担当者の方には本当に感謝する次第だ。

 おかげで夕食を食べ損ねた。8時半では、学食はおろか、学内のコンビニも閉店してしまっている。なんてこった。大学の外のコンビニまで夕食を買いに出なければならない。なにしろ今夜の仕事は長丁場になりそうだし。校門を出る前に、ちょっと寄り道する。用事は今日でなくてもいいし、もう遅い時間だとも、ご迷惑だとも重々承知していたけれど、少しの間世間話をさせてもらう。これで空腹も疲れもみんなチャラだ。

 研究室に帰って、おにぎりを2つもそもそと食べる。ここから比較社会学のノートとプリントを作り、もうひとつ、ゼミの文献報告のレジュメをまとめる。「RENT」に続いて、鈴木祥子の「I don’t play no instruments/I wanna play my instruments」を流し終わったところでどうにか作業が終わった。窓の外をみると、一面の銀世界だ。しかも雪は降り続けている。さあ、これから雪を踏みしめつつ、帰るとしよう。

11月20日(火)雨後曇:MISIA「MY MUSIC VIDEO AWARDS」

2007-11-21 00:45:13 | 音楽
 朝9時起床。今日はちゃんとバスに間に合った。実はギリギリ間に合うかどうかの時間だったのだが、バスのほうが遅れてきた。雪が降ると道路が混雑してバスの時間もアテにならなくなる。

 午前中はゼミの文献に目を通す。今週は僕がレジュメを作る番になっている。前期に途中まで読んだ『路上の国柄』の後半部分を読み進める予定になっていて、2つの章を担当する。面白いけれど、レジュメを作るのは結構難しそうだ。

 少し早めに弁当を買って、昼食。ニコニコ動画のANATAKIKOU「シンデレラ」のPVをみながら食べる。電車の車内のシーンが出てくるのだが、車両と車両の連結面のところに見覚えがある。最後までみると、電車は多摩都市モノレールで、ラストに登場するのは立川駅近くの歩道橋だ。ますます親近感を感じて、うれしくなる。この「シンデレラ」という曲も素晴らしい。

 正午から講座会議。僕のほうで扱わなければならない案件が3つ。何とか滞りなく進んだ。

 4コマに「社会学の基礎」の2回目の授業。今回は時間のコントロールもほぼ思惑どおり。毎年1回目の歴史編とは異なり、2回目のほうは割と熱を込めてしゃべるようにしている。メッセージとして送った内容は、意外とストレートに受け容れてもらえるようだ。その点うちの学生さんはとっても素直だと思うのだけれど、正面切って議論を挑んでくるような感想がないのはちょっと寂しかったりもする。ガイダンスのときの「そんなの関係ねぇ!」と、今回の真剣な授業とのギャップがよかった、というコメントにはにんまりする。

 小腹が空いたので、生協のコンビニでパイシューを買って食べる。一応自家製らしく、なかなかうまい。最近ドーナツをみかけなくなったが、こちらは販売をやめてしまったのだろうか。

 大教室での授業の後は、しばしインターバルを必要とする。明後日の授業の準備も気にかかっているのだが、すぐには動けない。音楽をかけて、少しのんびりする。

 人民食堂で夕食。うちの学部の心理学のH先生とT先生がいらっしゃったので、ご一緒させていただく。今度のF先生の誕生日会のことが話題になったのだが、気がつくとすっかり仕切り役のアニキの話しになっていた。他に比類なき求心力といえようか。

 研究室にこもってノート作り。今日amazonから届いたMISIAの「MY MUSIC VIDEO AWARDS」をかけながら作業する。CDはよくかけているのだけれど、DVDは初めてだ。僕はどちらかというとライブよりもPV映像のほうが好きで、その点このDVDは申し分なし。手を休めて、時折スクリーンのほうに目をやる。

 「Rhythm Reflection」や「Dont stop music!」などは、ちゃんとストーリーができていて、短編映画のような面白さがある。でも、一番好きなのは「Sweetness」だなあ。曲ももちろん好きだし、映像の、広がりを感じさせる世界が気に入っている。

 というわけで、BGMとしてというよりも、かなりの時間見入ってしまい、肝心の仕事のほうはかなりの部分明日に持ち越し。本当は映像と音楽に集中して楽しむというのがベストなのだろうが、それがなかなか難しい…。

11月19日(月)曇時々雪:ANATAKIKOU

2007-11-20 00:52:20 | 音楽
 寝坊した。というより寒さで布団から出られず。乗るつもりだったバスに乗れずに歩いて大学に行く。といっても授業や会議があるわけでもない。足元に気をつけながら、歩いていく。通勤途中に眺めていた美しい紅葉も、雪に混じって不思議な眺めになっている。



 PCの電源を入れ、紅茶を飲み、2,3通メールの返事を書いたらもう昼休みだ。週あたまからこんなにダラけてちゃいかんなあ、と首を振っていたら、ゼミ生のAさんがやってきた。ファンであるANATAKIKOUというグループの「Gradation'12」というCDを貸してもらった。

 そもそもの経緯は、先日紹介してくれた『新スケープ』という写真集に遡る。この写真集にANATAKIKOUのインタビューが載っているのだ(Aさんの説明によれば、本の著者のひとりとANATAKIKOUのメンバーのひとりが大学時代の友人なのだそうだ)。そこに歌詞が掲載されている「リリー」という曲が、「Gradation'12」に収録されているというわけ。若い人の聴く音楽というのはどんなものなのか、興味津々で借りる。

 スコーラムで昼食。それほど長居はせずに研究室に戻る。研究室からの眺めも一変した。八甲田山はもう完全に白くなっている。これからはなかなかその姿もみれなくなるだろう。時折晴れた日に覗く景色は最高なんだけどなあ(下の写真ではよく目を凝らさないと八甲田はみえません)。



 通販で頼んだウイルソンのアメフトのボールが届いた。早速包みを開けて、ボールの感触を楽しむ。投げてみたいのだが、研究室で投げたら間違いなく何かが壊れる。悩ましいところだ。

 明日の授業準備と事務的な仕事をひとつ。それを終えてから社会学の基礎の先生方と作っている本に使う写真をスキャンする。ひとつひとつWordに貼り付けて、キャプションを付けてから編者の先生にお送りする。

 夕食を摂ってからいったん歩いて帰宅。車を出そうと思ったら、案の定雪に埋もれたまま。昼間の気温上昇で多少は融けるかと思ったが、ほとんど朝方と変わっていない。暖機運転をしながら雪かきをする。おかげで買い物をしてから大学に戻る予定が狂ってしまった。雪道はスリップはしないものの、轍が凍ってしまって、時折ハンドルを取られる。そのときがとても怖い。直接大学に戻って、明日の授業で使う資料を印刷する。

 寒い夜だが、温泉に入りたくなった。慎重に、そろそろと車を走らせて「花の湯」に向かう。お昼に貸してもらった「Gradation'12」を聴きながら走る。冒頭の「リリー」はとてもいい曲だ。なんとなしの気だるさというか、アンニュイな感じを漂わせつつ、それでいて爽やかな気持ちにもなる。上質のポップスという感じ。4曲目の「アーチ、越えて」も僕は結構好きなタイプの曲だ。まだ全曲を聴き終わるところまでいっていないけれど、これはいいかもなあ。帰宅して、オフィシャルHPをみてみたら、メンバーの3人は僕とほぼ同世代だった。それもまたなんだかうれしかったりする。

11月18日(日)曇後雪:推薦入試

2007-11-19 01:23:47 | 仕事
 朝8時に起きる。珍しく早起きだが、ちゃんと理由がある。ネットオークションで入札中の商品の期限が8時ちょっと過ぎなのだ。どうしても手に入れたい品なので、終了時を緊張して待ちわびる。幸いなことに、競合はあったものの、思った以上の安値で落札する。

 もうひと眠りして10時に起きる。開いた朝刊に、昨日話題になった鹿野政直先生の著作集の広告が出ていて、うれしくなる。スーツに着替え、昼食用のおにぎりを買って大学へ。今日は推薦入試の面接を担当することになっている。  3人の先生と、12時30分から20人あまりの面接を行うことになっている。終了時間は厳しく決められているので、ひとりあたりの時間をかなりきちんとコントロールしなければならない。僕がそのタイムキーパー役を務める。

 面接というのは、それまでに積み上げてきた習練を披露する場でもある。一生懸命に暗記したセリフをどれだけトチらずにいえるかに勝負がかかっている、といった観がある。受験生の向こう側に、演出家である高校の先生の姿が透けてみえる。だが、どうも先生方は演出家としての才覚にはあまり長けていないようだ。暗記と復唱を、いかにそうみせないかが大切なのに、その部分が甘い。もっとも、じゃあお前にはそれができるのか、といわれたら、ごめんなさい、というしかないのだが。

 他の2人の先生が熱心にメモを取りながら面接をされていたので、僕はあえてメモを取らないようにした。あれこれ情報を書いていると、目線が下にいってしまう。そうなると受験生のみる「目」がなくなってしまうのだ。彼らは「相手の目をちゃんとみて話しなさい」という指導を受けているのだろう。だとすれば試験官3人が目線を合わせない状況というのは結構不安に違いない。そんなわけで、畢竟僕と目を合わせる機会が多くなる。やはり目力というのは人によってずいぶん違うものだなあ、と思う。

 さすがに20人あまりというのはきつかった。途中で5分休憩を挟んだだけで、約4時間半。それから採点のすり合わせをして、研究室に戻ると6時近くになっていた。でも、一生懸命さに触れるというのは、いい刺激にもなる。

 8時近くまで研究室で仕事。外は本格的に雪が降ってきた。やはり昨日のうちにタイヤを交換しておいてよかったと思う。音楽家のI先生からお電話をいただいて、駅近くの「味京」に行く。明日からインドに出張されるH先生の壮行会(なんて大層なものではないが)ということで、火鍋を食べる。やっぱりこの時期は鍋に限る。あたたまるなあ。外は雪の勢いがどんどん強くなっていく。今年は降りそうですねえ、と話す。なんでもカマキリが卵を産む位置によってその冬に降る雪の量がわかるのだそうだ。今年は昨年よりも高いところに産みつけられているとのこと。

 話しの流れの中で、これまでの僕の人生を振り返ると、周りにけしかけられて梯子を登ってみるのだけれど、気がついたら梯子が外されてる、っていうケースが多いんですよねえ、といってみたら、I先生とH先生に大笑いされた。いやほんと、そんなのの繰り返しだったんですってば。こうやって文章にしてしまうと何も面白くはないのだが、当座では珍しくウケたのである。

 「味京」を出ると、駅前からの遊歩道はすっかり雪化粧している。まだ紅葉が残っているというのに、容赦なく雪は吹きつける。



 甘いものを少し食べよう、ということになり、ブロッサムホテル1Fのレストラン「BE-SIDE」へ。僕はレモーネとコーヒーを注文。ここのコーヒーもおいしい。お腹いっぱいになって、今日はいつもよりは早めのお開きに。H先生に「くれぐれもお気をつけて!」といって帰宅。I先生とは3日続けてご一緒させていただいた。学部生がいるとき、院生だけがいるとき、そして同僚だけのとき、ちゃんとTPOに合わせた話し方ができるのは素晴らしい。こういったコミュニケーションスキルが身につけられたらと思う。

 明日からは通勤手段が歩きとバスだけになる。バスに頼らなければならない日は、早起きが必要になる。生活リズムを改善するいいチャンスだと思うことにする。

11月17日(土)曇後雨:3時間半

2007-11-19 00:47:56 | Weblog
 朝10時に起きる。洗濯をし、部屋の掃除をする。ついでにトイレに置いておくパネルヒーターなんかを引っ張り出す。すっかり冬装備である。

 スタッドレスタイヤをトランクに積み込んで出かける。いよいよタイヤを交換しておかないと面倒なことになりそうだ。休日ということもあって、待たされるのは承知のうえ。3時間くらいはかかるかもしれない。その間に映画でも観るか、といった気分でオートバックスに車を持ち込む。やはり3時間かかるとのこと。

 歩いて5,6分のワーナーマイカルシネマズ弘前に。事前に上映時間をチェックしていかなかったのがまずかったのだが、観ようと思っていた「ALWAYS 続・三丁目の夕日」はつい15分ほど前にスタートしている。それ以外の作品にはどうも食指が動かない。昼食も済んでいないから、まずは食べよう。さくら野百貨店の中の、いかにもデパートの食堂然としたところでメンチカツ定食を食べ、3階の宮脇書店で『バンビ~ノ!』第10巻、ダカーポ特別編集『早稲田大学の実力』、疏水ネットワーク編『心やすらぐ日本の風景疏水百選』(PHP新書)の3冊を買う。さくら野の別館にあるドトールコーヒーで順番に読む。もうちょっと歴史系の新書あたりがあるとよかったのだが、どうも当たりがいまひとつだ。

 しかし疏水なんかまでが趣味の対象になってくるとは、いい時代になったものである。もともと給水塔の造形美が好きだし、琵琶湖疏水を見に行ったときには、近代建築遺産の素晴らしさに感動した(とくに南禅寺の水路閣がいい)。でも、新書で広く知られるようになるとはねえ。

 そんなこんなでコーヒー1杯で2時間ほどつぶれた。3時間経ったので、オートバックスに行ってみる。まだ愛車はピットにも入っていなかった。さらに30分ほど待合室で待って、受け取る。お昼に預けたのが、もう外は真っ暗である(今は夕方5時くらいで完全に暗くなるのだ)。何だかだらだらと時間を浪費してしまったような。でもこんなふうにぜいたくに無為な(何もしなかったわけではないけれど)ひとときを過ごすというのも結構貴重なのかもしれない、と思い直す。

 大学で少しばかり仕事をする。昼間は推薦入試があったのだが、夕方のこの時間はすでに誰もいなくなって、しんとしている。音楽家のI先生と人文学部のH先生とで「Cherry's Bar」へ行く。H先生に、先日のゼミのレポートをみてもらって、6枚に順位をつけてもらった。全部誰が書いたかは伏せてある。僕のものも当然含まれている。この写真のアングルはいいとか、文章のここがイマイチとか、書いた当事者(の一人=僕)も厳しいコメントを直接もらうわけだから、なかなか緊張した。

 途中でI先生のお弟子さんたちが合流。狭いテーブルに7人がぎゅうぎゅうに詰めて好き勝手なことをしゃべる。お弟子さんのひとりで大学院生のS様と話していて、大学の授業の話題になった。

 僕が学生の時分は、出席なんて取るのがまれで、でも本当に面白い先生の授業は学生じゃない人までが聴きにきていて…というところまできて、日本近代思想史の鹿野政直先生という人の講義がとても面白かったのだ、という話しをした。まったく失礼なことに、すっかり忘れてしまっていたのだが、僕が歴史研究をやっているのは、鹿野先生の講義に魅了されたからなのだ。こんな大事なことを忘却してしまっていたとは、恥ずかしい限りである。H先生は、当然鹿野先生の研究をご存じである。だからそのきっかけの話しには驚いておられた。来年度担当することになっているジェンダーの授業(オムニバスで2回担当)は、歴史で行こう。鹿野先生の授業のノートは、今でも研究室に大事に取ってある。それをひもときながら、自分なりに整理をしてやってみよう。思いがけないところで、重要なことを思い出させてもらった。

 冷たい雨が降る中を、お弟子さんたちはいかにも仲よさげに歩いて帰っていった。僕のところに大学院生がくることなんて全く想像できないのだが、やっぱり学部生とは違った面白さがある。自分の研究もままならないのに、他人の研究指導なんてどうやってらいいのか見当もつかないけれど、いつかそんなときがきたらいいなあ、とも思った。

11月16日(金)晴時々曇:ほめること

2007-11-17 03:11:33 | Weblog
 いいお天気なのだが、風が冷たい。これまでひたひたと近づいてきた冬が一気にやってきた感じだ。

 今日は一日原稿の手直し。編者の先生からのコメントにできるだけ沿うように修正していく。図表の差し替えや作り直しといった作業に思いのほか時間がかかる。

 スコーラムで昼食。昨日買ったB.エーレンライク『ニッケル・アンド・ダイムド―アメリカ下流社会の現実』(東洋経済新報社)を読む。以前新聞の書評か何かでみかけて気になっていた。「ニッケル・アンド・ダイムド」は「しみったれた」といった意味のスラングだそうだが、フットボール好きには「ニッケル」「ダイム」でついつい手を伸ばしたくなるところである。ニッケルは「5セント」硬貨のことなのだが、フットボールでいうニッケル(バック)とは、通常4人のディフェンシブバックにさらに1人加わった「5人目」のバックの意味で、相手のパス攻撃に対処するためのフォーメーション。ダイムは「10セント」硬貨で、ニッケルにさらにもう1人ディフェンシブバックを加えた6人で守るフォーメーションのこと。ニッケルバックが2人いるわけだから、5×2=10でダイムというわけ。

 本の内容は序の部分を読んだだけなのだが、低賃金労働の参与観察から構成されている。博士号を持っていることがさらりと書かれたりしていて、筆者は十分なインテリであるのだけれど、研究者による参与観察とどのような点が重なり合っていて、どのあたりが違うのかが興味あるところだ。

 午後も原稿の直し。夕方お腹が空いてパンを買いに行く(最近生協のコンビニでドーナツが買えなくなったのが少々寂しいところ)のとトイレに行く以外はずっと研究室にこもっていた。5コマの時間の後に会議がひとつ。毎回毎回時間を浪費するとはこういうこと、という典型のような場だ。

 夜8時過ぎになってようやくひととおり修正作業が完了。原稿を添付ファイルで送信して、音楽家のI先生のゼミの飲み会に参加させてもらう。

 大学院生から2年生まで、12,3人はいただろうか。さらに今日は来られなかった人も4人ほどいるそうだから、かなりの大所帯である。学年も上から下まで幅広いので、まさに多士済々といった感じ。いつもI先生と飲みに行くときはアカデミックな話題が中心になるが、今日はもうちょっと俗っぽい話しが中心。闖入者である僕のために、皆さんひとりひとり自己紹介してくださった。

 I先生は、学生さんたちの技術的な課題(皆音楽家のタマゴなのだ)を指摘したりしながらも、「この子はほんとかしこいんよ」と、ひとりひとりの長所を具体的に挙げてほめていた。これだけの人数を抱えていながら、ちゃんとそれぞれの異なったいいところを言語化して表現できるのだから、さすがである。

 その点僕などはまだまだである。ゼミ生の2人とは割とよくしゃべっているとは思うのだけれど、他の先生の前でほめるということはあまりしたことがない。「いや、うちのゼミ生はとってもいい子たちなんですけど、いかんせん教員が甘っちょろいもんで~」といったいい方をすることが多い。これは僕なりの謙遜ではあるのだけれど、ちょっと2人の価値を貶めているかもしれないなあ。本当は「うちのゼミ生もかなりかしこいですよ」といいたいのだが、僕の性格からしてなかなかムリだろう。

 とはいえ、僕なりに2人のいいところをちゃんと言語化できるかどうか、頭の中で考えてみた。ああ、I先生ほどスマートにはいかないけれど、僕でも何とかできそうだ。さすがに本人たちの前でいうというのは面映ゆいものがあるけれど、いつか別の先生とお話しするときには、しっかりと、自信をもってほめてあげよう。

11月15日(木)雨時々雪:初雪

2007-11-16 01:40:22 | Weblog
 昨日自転車を大学に置いて帰ったので、バスに乗る。同僚のY先生と乗り合わせた。そろそろタイヤ交換の時期ですね、と話す。今日は本当に雪が降りそうな空模様だ。

 2コマと3コマの授業の用意を一式揃えて研究室を出る。昼休みを挟んで3コマの授業が終わるまで戻ることができないからだ。本を3冊、配付資料の束、講義ノートなんかを小脇に抱えていると、いかにも授業に行くぞ、という感じが出る。

 2コマの総合演習では乾彰夫さんの論文を読む。ひとことでいってしまえば、若者の尻を引っぱたけばそれでフリーター問題が解決するわけではない、という内容。終身雇用や年功賃金といった日本型雇用(とされてきたもの)が議論の中心になる。

 お昼休みに21世紀教育の「社会学の基礎」の会議。すでに来年度の授業をどうするか、という段階に入っている。生協の出店でおにぎりを2つとお茶を買い、人文学部の会議室に走っていく。着いたときには科目主任のY先生しかいらっしゃらなかった。おにぎりを頬張りながら議論を聴いて、一言だけ自分の意見を述べて、結論が出る前に教育学部に戻る。ぎりぎりの時間に教室に入る。

 3コマの比較社会学は調査票を作成するうえでの質問文の作り方とワーディングの話し。授業の最後に質問文を構成する具体的な項目群を書き出すところまでやってもらう。授業のテンポはわりとうまくいったほうだと思っている。何しろ火曜日に失敗しているので、今日はかなり時間配分に気を遣ったつもりだ。

 4コマのゼミは、先の東京巡見で撮影した写真をもとに、「東京らしさ」についてレポートを作成し、それぞれのものを持ち寄って批評し合う。予め日大の後藤範章先生のゼミのHPもみておくように、といった指示は出していたのだが、僕もいざ自分で作成するとなると結構苦労した。タイトルをつけ、写真を提示し、それについて社会学のタームを使いながら400字程度の説明文を付す、というもの。2種類作成するようにといっておいたのだが、僕自身が1つでよかったかも、と思ったくらいだ。しかもことばばかり上滑りしてしまって、自分でもどうも釈然としないものになってしまった。

 いろいろと言い訳をしながら僕のを紹介した後で、2人の作品をみせてもらう。これが実に面白い。かなり意表をついたというか、それでいてシャープな社会の切り取り方をしている。作品に優劣をつけるなら、僕の完敗である。2人ともあれこれ悩んだ末に作ったものだといっていたが、それにふさわしい佳作である。本当ならここで紹介したいくらいだ。巡見のもともとの目的はこのレポートを作ることにあったわけだから、その意味でもなかなか実りあるものだったといえるだろう。

 東京で撮った記念写真をプリントアウトしたものをもらった。3枚のうち2枚は「カフェゴトー」で大久保先生と撮ったもの、もう1枚は浅草雷門で撮ったものである。大久保先生との4人での写真を額縁に入れて机上に飾る。3世代家族ならぬ3世代師弟の図、である。

 夕方宿舎に自転車で戻る。ちらちらと雪が舞いだした。これがこの冬の初雪ということになる。まだしばらくは雨の日もあるようだが、1年の3分の1近くを占める雪の日が始まる。

 明日が提出締切の原稿の修正に追われる。初稿は割と早めに上げたけれども、その後の修正作業をすっかり放りっぱなしにしてしまっていた。何とか明日いっぱいで完成させなければ。怒濤の週末の前に、ひと仕事終えた、という充実感を手にしたい。