参加者:6名
コース:高尾駅北口~日影バス停~小下沢~関場峠~狐塚峠~富士見台~八王子城山
~霊園前バス停~高尾駅北口
さわやかな五月晴れに恵まれたこの日、数多くのイベントが集中したのか、JR高尾駅前は人、人、人で久し振りに賑わっていました。
混雑を極めた人波も小下沢までくるといつもの静けさをとりもどし、大部分の方は捕虫網と野鳥観察用のカメラを持ったいわゆる小下沢ファンの人たちでした。
本日の巡回は小下沢林道の終点・関場峠から八王子城跡まで、アップダウンの続く北高尾山稜にあった峠の歴史を考えながら巡回しました。
午前中、小下沢沿いの植物観察に時間をとられ、関場峠に着いたのは12時30分、昼食を食べながら、本日のメーンテーマである北高尾山稜の峠の歴史について紹介しました。
このブログでもその一部を紹介したいと思います。
先ず、北高尾山稜の位置関係を思い浮かべてください、北麓には北浅川に沿って八王子市北恩方町(旧上恩方村)、南は小下沢の向うに奥高尾からの主脈が、さらにその南は相模湖町底沢へと続きます。
かつて、北高尾山稜には西から、関場峠、狐塚峠、板当峠、大久保峠がありました。(現在の地図でも関場峠、狐塚峠、板当峠は確認できます)
このうち、どんな地図にもその地名が記されている関場峠について紹介します。
関場峠は八王子市上恩方町高留(関場)付近から裏高尾町小下沢の源流部へ越える峠です。関場の名は江戸時代、高留に口留番所(陣馬街道=甲州道裏街道に置かれた規模の小さい関所)が置かれ、土地の人がこれを関場と呼んだことからつけられました。
現在は新・旧二つのルートがあると云われています。峠の高さはいずれも540m。元々の峠道(旧道)は高留より西ツチラ沢(土代沢)をさかのぼった位置にあたり、そこから小下沢に下り白沢峠(673m)(現在の地図でも堂所山と景信山の間に記されている峠)を越えて、上恩方町高留(関場)から相模湖町底沢に通う道が通っていましたが、今は廃道となっています。西多摩地方の人々が底沢半僧坊大権現に参詣した道でもありました。一方新道は高留の西の川井野から便楼沢(ビンロウサワ)をさかのぼり稜線に出る。ちょうど小下沢林道の終点の真下にあたります。西へ登れば堂所山に達し、東は北高尾山稜を伝って八王子城山方面に向います。(八王子事典)
また、この北高尾山稜には御林山(おはやしやま)と呼ばれる幕府直轄の保護林だったところが多く残されています。
※ツチラ沢(土代沢)「北高尾山稜から発し、上恩方町高留で北浅川に注ぐ沢。三本松山の東北面から流れ出す西ツチラ沢と大嵐山を水源とする東ツチラ沢とがあり、北浅川へ注ぐ直前で合流している。西ツチラ沢には北土代沢林道が開かれ、北高尾山稜直下まで通じている。嘗てこの沢の頭に関場峠があった。東ツチラ沢には南土代沢林道があり、これも谷奥まで開かれている。」(八王子事典)
高尾周辺には歴史・文化遺産が数多く残っています。歴史チームはこれらを組み込んだ巡回をこれからも企画していきたいと思っています。
本日のロングコースの巡回に参加された皆さんお疲れ様でした、私は午後の巡回で見つけたキンランの可憐な姿に少しだけ疲れが癒されました。(TSR/TF)
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