[延長戦を続ける大人たちへ / 馬場俊英] 移籍後の渾身の集大成作

えー、2009年上半期のベストアルバム＜洋楽編＞の発表がまだなのですが、先にコチラのレビューをアップしちゃいます。

馬場さんの新譜『延長戦を続ける大人たちへ』です。

もうこのアルバムタイトルからして、ちょっと泣けてきそうなぐらい馬場さんらしさ全開ですね（＾＾；「君はレースの途中のランナー」の歌詞を受けての、このタイトルなのかもしれません。

期待に胸を膨らませて再生してみると、１曲目「夏の午後の長い坂道の途中で」のなんとカッコイイこと。アコギが刻む小気味良いリズムに、ダァーンと爽快なロックサウンドが炸裂するあたり、いきなり先頭打者ホームランといった感じです。馬場さんの歌もロックな雰囲気で男気があっていいですね。曲の雰囲気的に、エコーズの「JACK」を思い出しました。
今作では、「海を渡る風」や「ファイティングポーズの詩」など、男気を感じる楽曲が入っていて、これまでの『人生という名の列車』(レビューはコチラ)や、『青春映画が好きだった』(レビューはコチラ)よりも、昔の馬場さんの影が見え隠れするような気がしました。

本作から先行してリリースされたシングル「ファイティングポーズの詩」は、辛さ、迷い、苦悩などが生々しく胸に突き刺さってくる楽曲になっています。まだ聴かれたことのない方は、ぜひ聴いてみて下さい。「スタートライン」の馬場さんしか知らない人にとっては、ドキッとするかも。

●ファイティングポーズの詩 / 馬場俊英


かと思えば、「世界中のアンサー」「明日の旅人」「二十年後の恋」「君がくれた未来」などのように、穏やかでほんわかした曲もあるし、「青い風の招待状」のようにフォーキーな曲もありつつ、「時間切れ」のように静かにしみじみ聴きたい曲もあり、なかなかバラエティに富んでます。そしてラストはアウトロにメッセージの朗読を載せるお得意のパターンで終わっていきます。

延長戦を続ける大人たちへ(DVD付き初回盤) ワーナーミュージック・ジャパン ヤワなイメージを払拭する レコード会社移籍後の第１弾アルバム

０系新幹線引退のイメージソングになった「君がくれた未来」の歌詞には、うまく「ひかり」「こだま」「のぞみ」が盛り込まれていて、そのユーモアに思わずニヤッとしてしまいました。

ところで、今回初回盤にはライブDVDがついていて、これ目当てに買った方も多いんじゃないでしょうか。馬場さんは、なぜかまだライブDVDを出していないので、このCDに付いてくるDVDはかなり貴重だと思います。もちろんライブの全曲は入ってませんが、ナント！MCの部分が結構入っています。そして、ロードショーのあのメロディをたった一人で弾き語りして、会場みんなで歌うシーンや、ゲスト参加したコブクロとのボーイズ・オン・ザ・ランでのピースの風景や、コブクロが自分達のライブのように長いトークを始めてしまうところなど、見所満載ですよ。

本作（特に初回盤）かなりお得だと思います。
癒されたい人、忙しい日常で一息つきたい人、誰かに背中を押してもらいたい人、ぜひお試し下さい！

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