12月10日、晴れのち雨。
野暮用で車で出かけている途中、フロントグラスをポツリポツリと雨滴が濡らした。
ちょっぴり憂鬱な気分で帰宅すると、家の前で迎えてくれたのは、白い猫だった。
「あれは、カリン様っ!?(б〇б ;)」
カリン様というのは、ドラゴンボールに出てくる白い猫で、武術を極め、心を読める、武術の神と言われる仙人ならぬ仙猫だ。
「カ、カ、カ、カリン様!?( ̄□ ̄;)」
いや、違う。アイツは普段はふてぶてしい態度のノラ猫だ。うちの庭に勝手に忍び込んで寝ているし、車を出そうと思っても、車のそばからどけてくれない。僕の予想だが、あいつはメス猫で人間に例えるならただのオバタリアンであろう。
しかし、今日は、神様に見える。
アイツのために作られたような瓦礫の上で、ただ寡黙に雨に打たれている。
どう見てもカリン様にしか見えない。
たぁちゃん恒例の「せっかくなので」ってやつで、写真に収めることにした。
「カリン様~、ハイ、チーズ。」
カメラを向けても一切動じない。いろんな角度から撮っても、微動だにせず堂々たる風体を見せている。
カリン様…。
コイツ神か…。
それともオバタリアンか…。
まぁ、このカリン様は武術を極め心を読める武術の神…ではないな。
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