久しぶりの高尾山。小仏行きのバス停は列が折り返すほどの混雑だ。いつもより1時間ほど早く着いたが、いつもが正解だったのかもしれない。小仏に到着すると、皆さん一斉に歩き出す。気後れして最後尾をだらだらと歩き始めた。
少し前をあるいていた3人組の女性が、路傍の雑草を口にくわえて吸っていたので、何だろうと思って見ていたら、「スイバっていうのよ、すっぱいけど美味しいわよ」と言って僕たちに雑草を手渡した。細いセロリみたいな茎部分を吸ってみると、たしかにすっぱいが、食べられるって感じだ。そんなには美味しくは無かったが、食べられる雑草を初めて知ったので、少し嬉しかった。
景信山の登山口に着くと、救急車、消防車、警察車両(狭い林道を走る為に、細身の四輪駆動車だった)が停車していて、ただ事じゃなさそう。しばらく登って行くとオレンジ色の担架に載せられた中年女性が、救助隊6名に抱えられて降りて来た。脚を骨折しているみたいだったけど、元気そうだ。同行の友人や救助隊の人達に「すみません」と何度も謝っていた。なんだか気楽に歩いているが、怪我すると大変な騒ぎになるなあと、少しびびる。
景信山山頂は山桜も咲いていて、大賑わいだった。
そんなに晴れているわけじゃないけど、空気が澄んでいるのか眺望は抜群。遠くの山もくっきり見える。景色を楽しみながらゆっくりと昼食をとった。
昼食後、高尾山に向かう。今回は歩くだけじゃなくて、たくさん咲いているはずの花を発見する予定にしていた。
その気になって歩いて行くと、時期がいいのか、思っていたより見つけることが出来た。いつもの倍の時間をかけてゆっくりと進む。しかし残念ながら花の名前がひとつも分からない。情けないが写真を撮って調べる事にした。
僕が気に入ったのが、怪しげな草花。50センチほどの体長。根元は10センチほどはモミの樹肌みたいな皮が巻かれ、そこから上は新緑の茎と葉っぱ。8センチの花は茶色がかった紫色に薄緑のすじが入っている。形は袋状の花を、一枚の花びらが傘みたいにおおっている。袋の中にはつくしみないな付属体。怪しい。帰って調べたらミミガタテンナンショウという花だった。
花を探しながら歩いていると、あっというまに時間が過ぎる。城山に着いたのが3時を過ぎ、城山の山頂も桜を見る人達で盛り上がっていた。
大好きな甘酒を注文して一休み。
それからまた、ちんたらと高尾に向かって歩いた。
山桜、すみれ、イカリソウ、もみじいちご、ミツバツツジ等を発見する。帰宅後、調べても名前が判らない花もあった。
5号路から4号路へ。参道に戻って歩いていると、蛸杉の前に黒い水着の美しい女性が豹のポーズでくねっている。外国人男性のカメラマンがポーズをつけながら写真を撮っていた。カメラマンの足元には彼女が脱ぎ捨てた洋服。夕方になっていたが人通りはある。でも二人はまったく動じない。通行人は一瞬驚くが、みんな見ないようにして通り過ぎる。当然僕たちも見ないようにして通過した。
今日は色々あるなぁ。
疲れたので、ケーブルカーで降りる。
閉店間際の高橋屋に入って、とろろそば、鴨南そば、ビール、山菜盛り合わせを注文。初めて高尾そばを食べたけど、とても美味しかった。
やっぱり高尾山はいいねぇ。
次の日「高尾・奥多摩植物手帳」を購入した。