「THE NEXT GENERATION パトレイバー/第4章」を川崎チネチッタにて観て来ました
いよいよ折り返し地点を迎えた実写版パトレイバーですが、もう半分か、というのとまだ半分か、という両方の気分がない交ぜになった複雑な心境です(ずっとシリーズを追いかけてる人たちは理解してくれるかとw)
全章前売券や毎回のパンフレットに加えて、ニコ動での有料配信まで見てる段階で(コメント付で見たいのでw)結構な出費になってるので、オレは円盤ソフトについては購入を見送っていたんですが、特典の ”欠席裁判オーディオコメンタリー” がどうしても見たくて第三章の円盤から結局買い始めてしまいました(^0^;)
この欠席裁判というのは4人の監督がそれぞれ自分が担当して ”いない” エピソードにて当事者不在のまま好き放題にコメントするという非常に悪意に満ちた企画でしてw、Ep.4は湯浅監督を除いた押井、辻本、田口の三名が、Ep.5では辻本、湯浅、田口が~といった具合です
基本、誰の作品であろうとボロクソに言いまくる押井監督に対抗して、若手監督達も(酒の力を借りて)暴言に近い本音トークをぶっちゃけるのが面白すぎますw……もちろん単なる悪口だけではなくてw、”監督” というクリエイター目線からの指摘等にふんふんと感心させられる発言も多くて、オレがこれまで買ってきたどんな映像ソフトの特典よりも楽しめてるかもしれませんヽ( ̄▽ ̄)ノ
シリーズで複数の監督を立てている体制ならではのお遊び要素ですが、この企画は ”発明” なんじゃないでしょうか
以下ネタバレ感想:
Ep.6「大怪獣現る・後編」……オイオイ、こんなのに(←失礼w)こんなに凄い労力かけちゃって大丈夫なの?…が、第一印象(^_^;)
大怪獣という設定はどうやって退場させるか(話をまとめるか)が難しい、とは押井監督がインタビューで語っていた事ですが、怪獣の正体は何なのか、怪獣の出現に際して様々な立場の人たちがどのように対応するのか、といったディテールにどれだけ説得力を持たせられるかが勝負なワケですが、意外にも ”科学的な” 落としどころに落として来ましたね
予告でも流れていたガッパ大暴れのシーンは劇中作品だった、という肩すかしではありましたが、それを肩すかしなんて感じさせるヒマを一切与えない特撮クオリティで観客を圧倒してしまった力業が凄いw……パンフによるとたった3日で撮影されたのだそうですが、いやはや、さすがは樋口真嗣の直系の田口監督ならではで、超低予算とは思えないとんでもないクオリティでした( ゜∀゜)o彡゜
怪獣の正体についてはどうせ有耶無耶に投げっぱなしにするんだろうと思わせて、(多少強引でも)クラゲの生態ってことで解説してしまったのも見事だったと思います(あれほど思わせぶりだった芹沢博士は、普通に海洋生物学者としての仕事をしていっただけというw)……しかし死んでなかったとはいえ、あのラッコ達の尻子玉被害はシャレにならんのでは(汗)
不満としては、せっかく米軍やら自衛隊やらが出張って来る展開だったのに、ここばかりは本当に ”肩すかし” で出動・展開の部隊行動を完全にカットしてしまったのが残念でなりません……まあ流石に予算の限界だったんでしょうけど、10式がいつの間にか展開し終わっていたのがなあ……本番は来年の劇場版に期待せよ、っていう事なのだと自らに言い聞かせたいと思いますw
あと、押井監督のあの女優さん(松本圭未)へのこだわりっぷりは尋常ではありません……Ep.5からこちら、自堕落インテリ、退廃エロス、力泳バタフライw、孤高慰撫に酒乱アクションとどんだけキャラを背負わせてるんだw
惜しむらくは、特車二課の面々ともうちょっと馴れ合いっぽいシーンが欲しかった所ですが……ほとんど何の余韻も無くて終わってしまったのが寂しかったです
Ep.7「タイムドカン」……いやー、前半は素晴らしかった!
あの隊員室の爆破シーン、相当危険な撮影してましたよね(゜Д゜;)……これはコメンタリーが非常に楽しみですw
それとあのピクニックは夏休みらしい夏休みを過ごす機会をとんと失ってる我が身としては、大層な眼福でしたw
爆弾魔の正体が判明せず、動機も不明なままで放ったらかし~というのは第2章の竹中直人と同様にオレとしてももう諦めの境地なんですが(特車二課を狙い撃ちしている行動から、背景に劇場版へと繋がる要素が隠れているのだとオレはまだ考えていますが)、やはりちょっと不満があります……なんていうか、”鴻上尚史をキャスティングした時点でもう満足しちゃった感” が強いんですよ(;´Д`)
それこそ鴻上尚史の作風みたいに、登場人物の説明部分を欠落させてるのはいいとして、爆弾魔とそれと対決する警察との駆け引きの緊張感みたいなのはもっともっと出せたんじゃ無いかっていう気がしてなりません……カーシャ一人に頭脳労働を背負わせるのではなく、隊長や塩原もどうにか絡めようとしてたのはワクワクしたんですが
TVアニメシリーズの「目標は後藤隊長」というエピソードも今作と同様に二課がテロに巻き込まれるという展開だったんですが、標的が後藤という個人に明確化されていた事で、逃げるに逃げれない、本庁の応援も呼びにくい、わかりやすい私怨、といった辺りの設定補完もスムースに出来ていた気がするんですけど……うーむ
Ep.8予告:
カーシャが安定してカッコいいのはいいんですが、もうここの所ずっと明の影が薄いままなのが気になります…(^_^;)
Ep.7において、カーシャの私物が全然お披露目されなかったのは意図的だったんでしょうけど、こちらにも期待
Ep.9予告:
TVシリーズ「地下迷宮物件」「ダンジョン再び」に続いて、またアレをやるんですなw……アレを実写でやる~っていう時点でもう勝ったも同然の企画なので、いよいよ本編監督としては初登場の田口清隆の演出に期待です!
映画感想一覧
TNG パトレイバー/第1章、TNG パトレイバー/第2章、TNG パトレイバー/第3章、TNG パトレイバー/第5章、TNG パトレイバー/第6章、TNG パトレイバー/第7章、TNG パトレイバー/首都決戦、TNG パトレイバー/首都決戦DC版
ギャグとかコメディをやるならノリや勢いやセンスで突破しようとしてもほころぶものなのかな~とか、計算しつくさないとどこか寒い感じが残ってしまうのかな~とか、いやそもそも日本映画の作り方が云々とか…モヤモヤと考えてしまいました。
まぁお金をかけられないのは仕方ない!俳優さんたちの息は合ってるし、見てるこっちもこの雰囲気に愛着が出てきてる!最後まで楽しみではあります!w
やはりどうしようも無かった部分はあるかなと(^_^;)
本来なら、4人の監督がそれぞれ3本ずつ担当するハズが
田口監督だけ2本になっちゃった事が相当悔しいみたいな
ことを言ってたんですが、対談イベントを見る限り、
田口監督は相当なパトレイバーマニアらしくてw、もう一本
もやらせてあげたかったなと思ったり
こういう作品の場合はメジャー感よりも
マニアック路線で突っ走らないと中途半端なものに
なっちゃいそうですからね…。田口監督がそんなに
マニアなら是非たくさんやって欲しかったです。
漠然とした感想ばっかりですが、今回はとにかく
学生作品みたいな「隙」が多かったな~というちょっと
後ろ向きな見方をしちゃいました(^_^;)
なのでまだタイムシフト出来るハズ
> 後ろ向きな見方をしちゃいました
これは多分オレが第二章で感じた感覚だと思う
次でその境地は乗り越えちゃうんじゃないかなw