さかきの教授日記

九州産業大学 工学部 バイオロボティクス学科の教員である榊が、学生を教えていて気がついたことをつづった日記

マヌーバ 3

2010年10月27日 07時15分27秒 | Weblog
■さて、つづき。
■Aさんのお母さまがひとこと「やっとできたね。長かったね~」ハイ、そうです。、、、ここまで来るのに5年かかりました。実はこういう率直なコメントを待っていた。開発側と依頼側がかなり打ち解けてきた証拠だ。こっちも「あ、こりゃど~もスミマセン」と返すのである。
■1年前くらいから、「まだかな~」「またちいちゃいロボットで?カワイイ」とニコニコ顔でのコメントをお母様いただき、「こりゃイカン、時間がない(お母様の目が笑ってない)」と必死に開発をしてきた甲斐があったなあ。とりあえず動きてよかった~。
■学生諸君ご苦労様でした。まだ道半ばだけどがんばろうね。牛島先生、青木先生ご協力ありがとうございました。

マヌーバ 2

2010年10月26日 08時08分21秒 | Weblog
■一雨ごとに寒くなりますね。
■さて、つづき。前日までに動くことは確認している、なんとか動くはずだ、、、
■そのうち、Aさん本人がお母さんに付き添われて登場。皆で開発した電動ストレッチャーにベッドごと載せる。
■タッチセンサに指を当ててもらう。かちっと音がして、スルスルっとストレッチャーが動き出す。おおっ、感動の一瞬である。本人だけで何かに乗って動き回ることは「中学生以来」(Aさんがちらっといっていた)。
■生涯福祉センターの櫻木先生の指示で、スロープの上り下りに挑戦。Aさんは直下が見えないので声で指示したり鏡を当てて見えるようにしたり、何とかかんとか、いろいろなスロープをのぼったり降りたり出来た。おおっ、、、である。(見ている自分が感動)

マヌーバ

2010年10月25日 08時09分38秒 | Weblog
■冬のにおい、、、しますね。
■さて、先日、小倉にある北九州市障害福祉センターで実験をした。全身性麻痺のAさんから依頼いただいてもう5年、ぼちぼち実物大モデルを見せなけりゃ、、、と。
■今回は、ボディフレームは機械学科牛島先生に担当いただいた。負荷から構造計算をし、アルミパイプを溶接(なんと!これがまたすばらしく難しい)、しかも昇降機構つきという優れもの。ベッドのベルトはデザイン学科青木先生に作っていただいた。
■タッチセンサと処理ソフトはわが研究室の入部君、黒木くん、古賀君の院生・学生が苦労して作り上げたものだ。
■さて、御本人を乗せてはたして動くのか、、、(緊張の一瞬、何が起きるのか???)

知の巨人ドラッカー自伝 2

2010年10月21日 07時43分30秒 | Weblog
■さて、つづき。太平洋戦争直後、ドラッカーは米陸軍省でコンサルタントとして働く。そのとき武器の品質管理(QC)の必要性を痛感するが、適当な人物がいない、、、と。
■そのとき陸軍省の中から見出した統計学に詳しい人物、それがデミングである。ええ~っ、あのデミングさん?そうQCで有名な先生でデミング賞でも有名。(といっても企業人しかわからんか、、、)これがきっかけで単に統計にくわしかったデミング氏、QCの道へ踏み出したという。ということはドラッカーがデミングの進む道を強いてあげたような感じだなあ。
■ふたりはこの後、ニューヨーク大学で同僚となる。しかも同じ教室=プールで。経営学科をつくったはいいが、教室が足りなかったからだとか。毎週月曜日はプールの水を抜く日だった。デミングは3時から飛び込み台にすわり講義、5時半にドラッカーと入替わる。夕飯をはさんで10時(!)まで講義(オイオイ)。

知の巨人ドラッカー自伝 本の紹介

2010年10月19日 08時52分30秒 | Weblog
■秋か、、、ってまだ昼が暑いよ、今日も半そでだよ、、、
■日経に連載された「私の履歴書」に大幅に加筆し、また編者のメモもいれた、「知の巨人」の足跡をしることができる本。とてもおもしろい。
■いろいろおもしろいエピソード満載だが、ちょっとだけ紹介を。例えばわかいころにまねかれた経済人類学者ポラニー家の一場面。クリスマスディナーに招待されたところ、出てきた料理はむしたただのジャガイモ。ポラニー自身は有名雑誌編集者で高給取りであったにも関わらず、、、不思議に思って訪ねると、給与を自分のために使うなどとんでもない、(当時の)ウイーンには難民であふれているのですよ!とひどく怒られたらしい。これには驚いた。