さかきの教授日記

九州産業大学 工学部 バイオロボティクス学科の教員である榊が、学生を教えていて気がついたことをつづった日記

すっきりとさわやかに

2006年04月28日 09時14分16秒 | Weblog
■昨日は近所の中学校で運動会、晴れていたので腕が赤くやけていた。さて、ポーターロボットも出てきたが、各社から出している状況をみると2輪バランス制御ももう「普通」の技術になった感があるね。
■先週、大先輩のエンジニアA氏にお会いしたときのこと。今てがけている食事介助ロボットや電動車椅子のコントロールの研究を紹介した。
■A氏から「職人に徹しないといけないよ」とのアドバイスをいただいた。う~ん、そうですね。つい手持ちの技術でなんとかスマートにすませよう、悪くすると論文さえだせればイイヤ、なんて思いがち。
■でも、それではモノにはならない。前にてがけたリハビリロボットだって、基本形は割りとすぐできた。問題は人にあてる部分の改良。地味だが、これが医療現場に受け入れられるまでには、同じくらいのパワーと時間がかかるもんだ。
■人が乗れるにとどまらず、人の特性をもとにどれだけ操作性をあげるか、が今後の勝負になるだろう。これがバイオロボティクスの存在価値だ。

思わぬところで怪我

2006年04月27日 09時00分15秒 | Weblog
■つつじがきれいだねえ。さあて、少し時間が取れたのでひさしぶりにロボットを動かすか。わああ、、暴走した~。なんだこりゃ、、、
■久しぶりというのは良いことだし、良くないことだ。
■うっかり前の手順を忘れて、飛ばしたり別の操作をしたりする。そうすると、当然機械は想定外の動きをする。実際、いきなり目の前で動き出すとびっくりして動けないものだ。ちゃんと、通常操作以外の場合の手当てをしておく(想定して驚かすような動きをさせずに、停止して警告をだすとか、意識してルーチンを書く)とよいのだが。
■さ、これでまだまだ不完全なシステムだということはわかった。想定していない条件で試していなかったんだね。使えるシステムにするために、想定外の条件をつぶそう。普段使っていない条件(パラメータの数値やボタンの押し方、手順)で試してみよう。
■ある大先輩からの教えは「ボタンはめちゃくちゃに押せ。」その機械に触れるひとはどんな人かわからない。めちゃくちゃでも災害が起きないことがまず大切だ。

ネタの宝庫

2006年04月26日 08時49分31秒 | Weblog
■日経による各社の求人情報がでそろったね。さて、講義「メカトロニクス」などではレポートに新製品の企画書を課している。
■身近な製品で、といってもね。冷蔵庫やエアコンでもいいけど、どうも件数が多いし、あまり深くつっこめないようだ。内部構造がわかりにくいしね。
■そこで勧めているのがアルバイト。だいたい学生を求む現場というのは、自動化が難しいところ。高度なスキルはいらないが、コストダウンはしたい。
■なぜ自動化が難しいのか、人手に頼らざるを得ないのか、かならず理由がある。その理由は?学生たちは、そこで働くことでなんとなくわかってくる。じゃ、それを自動化することをネタにしたら?とたきつけている。
■これがまた、数え切れないくらい、いろんな現場で働いている。アルバイトはネタの宝庫。そのうち、新規事業として企業に売り込もうかな、と思うくらい。
■学生諸君、「アルバイトしていました」じゃあ採用はされないが、「アルバイト先の自動化・メカトロ化を考えて企画書にしました」はインパクトある。単位も取れて就職活動もうまくいく、一石二鳥である。

ふとしたつながり

2006年04月25日 08時57分21秒 | Weblog
■朝は冷え込むけど、いいお天気だね。さて、昨日の続き。無意識レベルでけっこう人はややこしいことも平気で行うことができるようだ。
■どうやって量をはかるのか知らないが、無意識レベルでの人の処理が意識的に行う処理よりも多いとすると、機械と人とのインターフェースも、そこを「意識」して作らないといけないだろう。
■いちいち「どうしますか」なんて聞かれた日にゃ、しち面倒くさいし疲れるなあ。それよりも、こちらが、う~ん、こうしようかなあ、なんて考えた瞬間にすでに動き出している方が良い。それは(勝手に動くように見える場合もあるから)怖いという意見もあるだろうが、慣れてくれば、機械を意のままに動かす感覚が得られるかもしれない。
■操作する際の疲労というのも、これまでは意識レベルにいちいち上っていく必要があったからかも。

無意識がえらい

2006年04月23日 11時08分41秒 | Weblog
◆東京は暖かかったけど、福岡は寒いね。さて、出張先で電車に乗った。時間が押していてあわてる。
◆やれやれ、これで間にあう、、、ん?なんかおかしいなあ。聞きなれない駅名だなあ、とふと気になる。念のためと思い、路線図を見る。げええ・・・さっきの駅で乗り換えじゃないか。もどんなきゃ。(再びあわてる)
◆電車内でほっとしていたこともあり、別に駅名のアナウンスに集中していたわけではない。でも、無意識に近いレベルで耳に届いた情報を処理していたのかな。ん?変だぞと思うことは意外と大事かも。
◆カリフォルニア工科大の下条信輔先生がおもしろいことを書いている。人は何かアクションを起こす際、どれにするのか、無意識に処理している可能性があるらしい。何か意思が生じ、それからアクションを起こすのではない。まずアクションだと。じゃ、(意識的には)何も考えてないのか、自由意志はどうしたのか。実はアクションのあとで、本人が自問自答し、ああ、俺はこういうわけでしたんだよね、なんて考えるものだと。
◆意識的にという意味では、人ってほとんど考えていない生き物かも。
◆機械学会誌 4月号