イギリスの田舎とB&Bめぐり

留学中の娘を訪ねた45日間のイギリス旅行記。月1間隔でUPしていく予定なので、ゆっくり・じっくり読み進めてください。

22  コッツウォルズへ    6月29日(木)

2013-08-15 13:15:48 | イギリス旅行記
    
 
  レイコックを充分堪能した後コッツウォルズへ向かった。
今夜の宿泊場所はバイブリー(Bibly)村。しかし、その前に二か所寄り道をする予定。
先ずはShelldon manor houseへ。Manor house(マナーハウス)とは直訳すれば「荘園領主の館」。日本でいえば「地主さんのお屋敷」といったところで、貴族が建てたカントリーハウス以上にイギリスのあちこちに現存している。
  バースで入手した観光案内に「美しいマナーハウスとガーデンが見られ、ティールームもある」との紹介記事を見つけ立寄ることにした。
  到着すると、先ず車の音を聞きつけた二匹の犬がいそいそと出迎えてくれて、続いて老婦人がゆっくりと現れ料金を徴収すると、会話を交わす間もなくさっさと引込んでしまった


この丁重とはいえない出迎えに出鼻をくじかれた思いがしたが、とりあえず入口を探すと、右手にそれらしいものがあった
おそるおそる中に入り、館を取り囲むあまり手入れされていない庭園を一巡した。そのあいだ誰にも会わず(ティールームなどあろう筈もなく)、唯一出会ったのは屋根職人たち。陽気に歌など唄いながら二階大屋根の瓦を張り替えていた。さっき支払った料金(一人£3.5)は、きっと修理のための必要経費なのだろう。庭の其処ここには、こぼれ種から育った草花が石段を占領し、低く傾いた屋根に届かんばかりに咲いている光景が見られ、野趣があってそれなりに印象深いものであった。


もう一度二匹の犬に見送られて屋敷をあとにした。
 次に目指したのは「バンズリー.ガーデン(Barnsely House Garden)」。バイブリーに通じる田舎道の、バイブリーから4キロほど手前にある美しい庭園だ。
 5年まえ(1995年)初めてイギリスを訪れたとき、最初に英国庭園の美しさを目の当たりにしたのがこの庭園だった。ローズマリー(Rosemary Verey)という著名な園芸家が住む旧マナーハウスと、彼女が丹精こめて作り上げた見事な庭園(家は非公開)で、庭園だけを見学できる。
   今回は。前に来た時よりも季節が一ヶ月程遅いので、咲いている花々も微妙に異なってはいるものの、全体としての美しさは変わらない。ハーブガーデンでは、満開のラヴェンダー(前回は蕾もつけていなかったが)を見ることが出来た。
   
   この写真は家に間近い部分だが、庭園は家から離れてまだまだ広い。


   「The Lime Walk」といって、両側をライムの木に挟まれた散歩道がある。その道は更に「The Laburnum Walk」へと続く。「Laburnum」の和名は「キングサリ」と辞書に出ているが、日本では見たことがない。英国での通称は「ゴールデンシャワー」といい、黄色い花が房状に垂れ下がり、下に立つと、文字どうり金色のシャワーを浴びている心地がする。
   が、今回は花が終わってしまっていた。前回より1ヵ月も時期がずれているので無理もないが・・そこで前回、花ざかりだった「Laburnum Walk」をちょっとご紹介。


   その後ローズマリー夫人が逝去され、庭園公開が廃止されたと聞いて寂しく思っていた。現在どうなっているのだろうか。この原稿を書くにあたって調べてみると、ナント!
同名のホテルとして健在であった。庭園はもちろん元のままで、おまけに、立ち入ることの出来なかった石造りの古風なお屋敷にも入れるとは嬉しいことだ。
   もし許されるなら、「Laburnum」が咲く季節、6月初旬~中旬に訪れてみたいものだ。
あっという間に閉園時間の5時になってしまった。まだまだ明るい日差しの中をバイブリーへ向かった。鬱蒼とした樹木と道沿いの清流、コッツウォルズストーンで出来た家々の庭先を彩る花々等々、道沿いの眺めもため息が出るほど美しい。