イギリスの田舎とB&Bめぐり

留学中の娘を訪ねた45日間のイギリス旅行記。月1間隔でUPしていく予定なので、ゆっくり・じっくり読み進めてください。

4.アランデル (Arundel)パート1 5/31(金)

2008-03-28 16:11:08 | Weblog

4.アランデル(Arundel)パート1 5/31(金)
  
 先日、現在上映中の映画「エリザベス、ザ、ゴールデンエイジ」を見てきた。
 これは、‘08に作られた「エリザベス」の続編。そういえば第一作目を見たのはこの旅行の直前だった。英国国教派とカトリック派とが、激しい勢力争いを繰り広げる中、陰謀に加担したカトリック派(つまり、女王エリザベス1世の敵側)の貴族が処刑されてしまうのだが、その中に、アランデル伯爵という人物がいた。この旅行の日程に「アランデル」が含まれてことから、興味を引かれたのを思い出す。
 「アランデル」という町は、アンティークショップで埋め尽くされた小さな町だと案内書で知って、日程に加えたのだが、伯爵については何も知らなかった。果たして同じ名前の伯爵と町とは、関係があるのだろうか? 「まあ、行ってみればわかるだろう」と答えは先延ばしにしたのだった(*その答えは次回にて)。
 
 さて、今日はいよいよアランデル!が、その前に、レンタカーを得るために、列車で南10分ほど下がった「ブライトン」に立ち寄った【写真①】。
 少し話は逸れるが、駅を出たところで現地のゴミ収集車と遭遇。旅行者の私にはこのような、ありふれた日常の情景が面白く、笑うミチを尻目に、パチリ【写真②】。 
 これから行くアランデルとペットワースは、近くに鉄道がなく(*アランデルには鉄道駅があるにはあるが町からかなり離れているため)、マイカーがあると非常に便利。そこで、ブライトンにあるハーツの営業所に日本から予約を入れておいたのだ。
 契約内容を確認したり、保険に加入したりと、かなり時間がかかった末に、いよいよ係員が車を出してきてくれた。それは、なんとピカピカの黒塗りベンツ!
 アランデルからミチの友人が二人加わる予定で、人も荷物も増えるので、中型車を注文しておいたのだが、まさかこんな高級車が待っていようとは…。係員は、このベンツは私達が初乗りだとさかんに強調していたが、渡英直前に日本で免許を取り、イギリスに来てからも数えるほどしか運転経験の無いミチにとって、これは大変なプレッシャーである(もちろん私は全く運転できない)。
 私達の思いが何となく伝わったのか、係員は「試しに駅をぐるーっとひとまわりして来てはどうか」と提案してきた。
 そこで、車はおそるおそる(と私には見えた)スタートし、言われたようにゆっくり駅を一周して戻って来ると、係員は少し安心した様子で「グッドラック!」と今度は本当に送り出してくれた。

 ブライトンは18世紀末から、最初は王侯貴族の保養地として、今では一般庶民のリゾート地として有名な海辺の街であるが、どちらかと言うと私達の関心外なので、直ちにアランデルを目指した。
 しばらく、左側に海岸、右側に華やかに建ち並ぶビル(多分ホテル)を見ながら、メインストリートを西へ走った。助手席の私はナビゲーターを努めなければならない。マップを膝に広げ、道路わきの標識板を目を皿のようにして見つめていた。数マイル置きに現れる標識板は、最初は青い色だけが見え始め、近づくにつれてぼんやりと(読み慣れない)文字が見えてくる。この時点でもう私の胸はドキドキし始めているのに、「お母さん、ホラ、標識!」などと運転者から声がかかると緊張は高まるばかりである。やっとアランデルの標識と出会い、それまでのA259線から右に曲がってA284へ、しばらく北上の後今度はA27に入るとすぐアランデルに無事到着した。
 
 今日走った道路は全てA線だったが、イギリスの道路は、頭に付くアルファベットとそれに続く桁数の異なる数字によって格付けされている。例えば、M=高速道路、A=数字2桁の方が格が上(片側2車線)。B4桁ともなると大変な田舎道で、ハチ合わせしたなら、どちらかがバックしなければならない。もっとも、これ等の事は日数が経つにつれて、おいおい解ってきた事ではあったが…
 このように、全ての道に頭文字と数字が付いており、標識にもきちんと表示されているので、もし、地名を読み損なっても道路番号どおりに進んで行けば、目的地に着くことができる。
     
 予約しておいた「アランデルパークホテル」はA27号線沿いにありすぐに見つかった。
 建物は何の変哲もない2階屋。チェックインの後すぐ町へでかけた。牧草地帯を抜け小さな橋を渡ると、そこは古いレンガ造りの家並みが連なるアランデルの町【写真③:現在は郵便局として使用】。
パーキングに車を止め、先ずは腹ごしらえと可愛らしいティールームに落ち着いた。

(PART2へ続く)