SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

sashiy エイガニッキ

2015-10-04 18:18:32 | 日記

ⅩⅩⅩⅠ「紅い剣士」を見る聞く
   一人の農夫が走る走る、村の路地の中、カメラに向かって走り寄り、大きな口を開ける、この口の中に字幕、無声映画の遊び、叫びを見事に捉えて、兵隊が押し寄せてくると、村人たちは集って逃げ惑う、兵隊たちの疾走、騎馬、歩兵の走り、カメラワークが素晴らしい、動きの、展開の速さが見事に捕えられて、祖母と暮らす主人公の娘、祖母は病でもあり歳だから今さらと、逃げる意味も無いと、親戚の者たち、娘の叔父夫婦とその娘らは、二人を連れにやってくるが祖母のこの言葉に、諦めて我々で逃げようと、いつまでも留まれないと、残った祖母と娘、今一人の従兄弟の青年、二人のもとに、すでに村には誰もいない、皆は既に逃げ去った、従兄弟は祖母は私が背負うと、こうしてやっと納得させて、三人は逃げ出すことに、押し寄せる兵隊、逃げ惑う人々、雑踏、葛藤、卒倒、その中に、兵隊の長は美しい主人公である娘を見出して連れ去ろうと、笑みを浮かべながら、早速に捕えて荷車に、祖母を背負う従兄弟は主人公を見失い、よろよろと、そんな矢先、娘の声を聴いて、連れゆかれる彼女の荷車に走り寄るが、兵隊達に拒まれて、その間に祖母は落下、娘は取り押さえられるままに、後から遣ってきた兵隊たちは平然と祖母を踏み潰していくばかり、従兄弟が気づいて祖母のもとに走り寄るがすでに死して、かくて主人公は将軍の城に、将軍は娘たちを裸同然に従わせて、嫌らしさが溜まりません、エロチック、初期映画の楽しみの一つ、日々を暮らしている、そこに村を襲った者たちが戻り、新たにとらえた娘たちを将軍の前に連れ出す、主人公の娘に見とれる将軍、娘以外はおばさんばかりで、このギャップも楽しい、早速、将軍は己の部屋に連れ込んで、拒む娘を裸にして、かしずく娘たちは将軍の意のままに主人公を着替えさせるのだ、部下たちは笑みでドアの外で様子を伺う、護衛の出っ歯のよだれ男の不気味さのコミカル、将軍は部屋の鍵を閉め、幕の奥の娘を手込めにしようとあけ放つ、が、そこには、予想外で悪かったなと平然と白猿老人が現れるのだ、髭もじゃ、髪も伸び放題の化け物のが、この間の素晴らしさ、将軍との一騎打ち、白猿老人は強いのだ、投げ、倒し、娘を二階の窓から逃がし、ロープで、己はポールを伝って降り、城の外に、単純だが、アクションの遊び、ロープを遣い二階から、建物の横のポールを伝って降りる二階から、こんな動きの展開、倒れた将軍はドアを開け、部下に追えと、だが、すでに二人は城から離れた草原の中、娘はこの白猿老人から聞かされる従兄弟の話、祖母の死、今さら何の望みがと、白猿老人は諭す、復讐をと、こんなやわな娘に何が出来ましょうと主人公の娘、わしが伝授しようと、こうして二人は消える、従兄弟は孤独に彷徨い、先に逃れた親戚たちと再会、ともに知り合いのもとに行きましょうと、時が、襲った軍隊と対抗する軍隊との和解の中、村は解放されてもとの静けさの内に、村人も皆戻った、だが、また農夫が走る走る、路地に現れて、カメラに向かって口を開ける、兵隊が現れたと字幕、農夫は路地の中に戻っていく、始まりと同じシチュエーション、村に戻った叔父のもとには知り合いから手紙が、家族は妻と娘と使用人の青年、そして離れた小屋にはともに逃れた従兄弟のインテリ、彼は連れ去られた娘を思う、小屋の中、逃れるときに割れた鍋、そのままに、過去を思い出し、小川の辺に二人語らう夢世界、過去の世界、使用人の青年は叔父の娘に横恋慕、拒まれて、知った叔父は青年を追いたてるのだ、さて、現れた兵隊は馬を降りて、部隊の者たちは村の外に残して、和睦しているのだから村を襲うことは出来ないのだろう、叔父の屋敷の前で茶をと、部屋の中、娘に見とれる、将軍のためにも物にしたい、その場を去るが、追いだされた青年が復讐心か兵隊に叔父は裏切り者だと、敵方と示し合わせているのだと、叔父に届いた手紙を手立てとして、証拠の品を差し出すことが出来ると、渡せと隊長、己で将軍に示すと云って、青年はともに城に、叔父の受け取っていた手紙を差し出す、これを遣って娘を手に入れましょうと、知った隊長、かくてまた兵隊の騎馬と歩兵が走る走る、村に向かって、叔父が捕えられてしまう、隊長は妻と娘に、父を助けたければ娘を将軍の妻にと、困惑の母と娘、インテリ従兄弟は何も出来ない、三日の猶予、だが、手立てはなくて全てを諦めて父のために己を将軍のもとに差し出す覚悟の娘、母とともに城に向かう、将軍は今だに返事がないといらだちのままに証拠の品を大元帥のもとにと、使者を送り出す、中国の封建時代のこんな図式、最前線の部隊の長、城の将軍、更には大元帥と、どこまでも上が、最後には皇帝にまでたどり着くのだろうが、いく段階の上が在る、下が在る、故に下の民の痛ましさ、叔父の命は無いのだ、やっと現れた母と娘、騙されて、将軍の意のままに連れゆかれて、始まりの主人公の娘と同様に、娘たちに、着替えさせられて、結婚の儀式の始まり、父はと娘が問う、将軍は惚ける、大元帥からの知らせはやはり処刑、やむをえない、父は処刑の場に連れゆかれている、母と従兄弟は知らず外に追われていた、その後どうなったか尋ねたが相手にされずに、全てを知って娘は騙されたと怒り悲しみ、窓の外の処刑間際の父の様子を初めて見て絶望、かくて娘の母と、従兄弟はあの始まりの祖母と主人公を失っての彷徨いの時と同様に項垂れて歩く、そこに白猿老人が現れて、全てを聞いて、大丈夫、主人公の娘は既に技を身に着けた、彼女が二人を救い出すと、すぐに連れ戻すと、待っていなさいと、そこに現れた天翔る主人公の颯爽とした姿、格好の良さ、心躍る展開だ、紙芝居だ、映画だ、老人の示した空の先に、彼方に、飛んでくるのだ、この度の上映では音楽が付けられて、これもまた楽しい、、大友良英の音楽、全編に渡ってわくわくして魅せられて、この空飛ぶ間には、ふるえます、歓声を上げます、しかも女性のヒーローですから、馬に乗り手を広げて走る兵隊、主人公にやられたか、槍だろうか、弓だろうか、射られて、城に、逃げ帰る姿、主人公は老人からこれまでの経緯を聞かされて、覚悟して城に向かう、が、直ぐに助けるのでは無く、まずはこれまでのお話を老人から聞かされるという、長閑さ、でも、当時は、このくらいの間が無くては、理解しずらかったのでしょう、漸くに城に、裏からロープで上り、叔父の娘を助け、将軍との一騎打ち、老人も駆けつけ、部下たちとの格闘、だが、大軍が城に戻ってくる、近づいている、こんな危機感、グリフィスです、押し寄せる大軍、主人公と将軍の決闘、これらの反復される繋ぎ、戻る兵隊、早く始末して逃げなくては成らない主人公たち、緊迫感、遂に将軍を始末、刀を布で拭い、血に汚れたのだ、そう、汚れた血に塗れた、娘らを縛り上げ、追っ手をにらみつけ、叔父の娘を逃がし、ここでも例のセットのアクションシーン、ロープを使い、己はポールを降りる、老人もまた、ポールを後から降り立つ、かくて草原の中に、老人は去り際、主人公に、娘と従兄弟のことを何とかしろと、主人公は己もまたこの従兄弟に恋してもいたのだから、切ない、だが、今は単なる娘では無い、技を磨いた剣士、血に汚れた戦士、白猿老人と同様の化け物の一人なのだ、二人を娶せて、木陰から抱擁する二人を見つめ、笑みで、飛び去るばかり、だが、悲しくないか、こんな戦いの反復の中、白猿老人のごとき真の化け物に成ってしまうのでは無いか、化け物が無くて解決出来れば良いが、現実にはそうもいかない、かくて、血まみれの英雄と化け物とこの両面を背負って生きるしか無い主人公、恋など出来ない、ところで、今の時代に白猿老人は、どこに、日本の国会議事堂の周りに、今、沢山いる白髪の老人たちは、彼らは、若い者たちを連れ去って、真の技を教え込んでいるか、復讐という、悪を懲らすという、民主主義という、怒りの戦いの技を、あるいは、白猿老人などというのは全ては項垂れて騙されたと歩く従兄弟と母のごとく、絶望して議事堂の巡りを彷徨う老人たちの儚い幻なのだろうか、単なる白髪老人ではだめだ、狂気の、化け物に成りかわらなくては、狂気の政府にはかなわない、楽しい過去の中国映画、もっともっと現存していれば、映画史も変わったかもしれない映画たち、こうした映画を見ながら、馬鹿な政治を考えてしまう私に真の狂気は在るか、白髪老人を超えて、白猿猿人に成り代われるか、娘の在庫は在るようだから、連れ去って、いかに仕立てるか、しくじるか、終わりとも、始まりとも、映画を見、聞き、始まろう、たわいの無い私の策略など、何度でも壊しながら、可能性の映画、映画の可能性、反映の映画、映画の反映、法に則っている居ないでは無い、戦争反対なのだ、原発反対なのだ、秘密保護法反対なのだ、労働者派遣法反対なのだ、でも、磨く技とは、