SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

エイガニッキ SASHIY

2013-12-20 09:18:06 | 日記

Ⅹ  灰野敬二、不失者を聞く、
  ライブ演奏を聴く、見る、久しぶりでしたが、相変わらずに、激しく、元気に、音が響き、渡り、ドラム、の、ひとつのリズムに収まりつかない、展開に、対して、際して、ギターも、ベースも、ボーカルも、打楽器の如くに、発せられ、飛び抜けていく、どこまでも、どこまでも、上に、横に、前に、下に、鳴り、止み、奏で、叩き、押さえ沈め、次々に、入り込み、抜けだし、止まり、羽ばたき、炸裂する、抱え込む、こんな破裂が、続いて、いくのだ、二度と同じ場に、間に、戻らない、戻れない、自覚、覚悟、の、音たち、解釈を拒み、聞き入ろうとする甘さを撃つ、ことの、心地よさ、良さなどと、安易に聞き居れない、反撥、反抗、それでも、時間、の、中、で、終わるのは、終わらざるを得ない、の、は、あくまでも、一時の、取りあえずの、終わりとして、ばかり、ならば、始まってしまった、不安、緊迫、そんな、偶々成る、納めとして、終わりはしたが、また、次なる、打、が、始まる、始まってしまう、の、だ、が、まずは壊されて、いないか、聴くこと、の、私、の、在処、が、ならば、壊れた後に、聴くとは、奏でるとは、始まり、何の、判らない、問い、掛け、としての、音たち、わ、た、し、たち、


ⅩⅠ  ターナー展を見る、聴く、
  ターナーの、光りに撃たれて、魅せられて、丁度読んでいた、ハーディの「テス」に思いが巡って、さらには、この展覧会の出口に夏目漱石のタナー島の記事の新聞があったからか、フィルムセンターでの「虞美人草」の映画を見たばかりだったからか、中川信夫のこの作品が見事だったからから、霧島のぼるの美しさ、彼女を捕らえるカメラの蠢きの素晴らしさに填っていたからか、夏目の小説にまでも、心が揺れて、久しぶりに「虞美人草」を読み出すと、面白くて止まらない、19世紀から20世紀への展開の中に、これらの作家が、作品が、在るのだが、この数ヶ月の間、惹かれて止まない、今一人の人物が、ギャスターブ・モローなのだ、今までも、知らなかったわけでもないが、なぜに、今、急に、惹かれて、やまないのか、己でも判らないままに、タナーの彼方、崇高、そして、晩年の、彼方を破壊すべく現れた、色彩の反乱、形も定かならぬ叫び、こんな混沌の中から、モローの絵画が迫ってくる、物語、伝説、宗教、祈り、多様なまでの細部の存在、ドラマの解釈で、解決出来るだろうか、出来はしない、そんな、今、現在、が、突きつけられる、秘密保護法、原発、小泉さんの反原発の言葉に、引きづられ、猪瀬と徳洲会の話題に、引きづられ、マスコミは逃げ腰で、おろかしい米英の戦略に乗る、いや、中国の戦術に乗る、私たち、やはり、しっかり、今、モローを見ること、徹底して、解釈を拒まれて、己のおろかしい現実に佇まされること、タナーの前にひれ伏すこと、この覚悟、それが、「テス」なのだが、「虞美人草」なのだが、確かに、未だ、「虞美人草」はあっさり片づけすぎているが、さて、さて、さて、大きな、世界戦争の、前夜の、彼らの作品に出会うとは、再会するとは、さて、さて、さて、原発という、今日の世界戦争としっかり出会うこと、ターナーの光りの前で、


ⅩⅡ   「なつかしの顔」を見る、聴く、
  田舎、母と義理の姉、少年、空に舞う模型飛行機、子供たち、木に掛かってしまって、取ろうとして落下する少年、姉の戦き、走る走る、怪我して家に運ばれて、成瀬は既に此処にも、事故のテーマが、後には交通事故が頻繁にドラマに孕まれるのだが、寝込む少年、近所のじいさんが訪ねて、母に語る、あなたのところの出征した息子がニュース映画に映っていると、最前線の姿がと、これを聞いて堪らない母、夢見る母、母と義理の姉と少年の描く夢、どんな姿、それぞれの思い、英雄、元気な夫、かくて、翌日に母は町まで出かける、荷車に乗せて貰って、通りの雑貨屋で見いだす飛行機、高くて買え無い母、映画館、夢に見た世界、光に照らされる母、待ちこがれた息子の姿がと、始まるニュース、最前線のシーン、闘う兵隊さん、涙の母、涙を拭う、その間に、終わってしまう、隣のひとに聞きただす、これで終わりかと、そうでしょうと淡々、ニュースとはこんな物、曖昧なままに戻る母、少年は母に兄のことを問う、だが、ああ映っていたよと云うばかりで、如何とも判明しない、絶対とも言い切れない、最前線の実際は、英雄譚とは大違い、思い通りには、母の思い通りには映らない、かくて、またあの最前線のシーン、誰かが見ているのだろうか、が、これは戦闘訓練のシーン、バスから姉が見ているのだ、訓練の兵隊がバスの横を過ぎるのだ、町にバスで向かっている姉が見いだすのだ、翌日に映画に向かう姉が、これは姉の見た幻想ではないのか、現実か、判らない、こんな繋ぎの戦き、映画とはこんな自由に工作出来るシステムなのだから、平気で誑かすのだ、監督の問いが此処にも、最前線とは、こんな物、ドラマの如くには見いだせない、誰が誰か、何をしているのか、鉄砲弾を逃れて頭を垂れて、這い蹲って、走り、隠れ、撃ち、カメラだって、何を、誰を捕らえているのか、大体、誰が、誰と闘っているのだ、判っているのは何、誰、日本人、中国人、姉もまた、雑貨屋で飛行機を見いだして、飛行機を買ってしまう、映画館の前で考え事、近所のじいさんと少年の友人は来ると知っている姉を待つ、だが、現れない、始まるニュース、少年が叫ぶ、主人公の兄さんだと、だが、果たして、真に見えたのだろうか、しかも、直ぐに終わってしまう、あれだけかと友人、あれだけさとじいさん、どこまでも、あっけない、政府の差し出す映像の、安易、滑稽、言葉の割に、何も判らない、見せられて、在るばかり、かくて、姉は戻る、土産の飛行機に笑みの少年、どうだったと少年、ええ映っていたわよと姉、翌日、少年の元に映画を見た友人が、君の姉さんは来ていなかったと、知る主人公、姉は飛行機のために、映画を見なかったのだと、姉の元に走る走る、こんな物要らないと、映画を見ずに、買ってくれた飛行機など要らないと、姉は語る、そんなことではないのと、多くの兵隊さんが、最前線で頑張っているのに、一人だけ兄さんが、映っていると見るのが、悪いような気がしたのだと、勝手に、己ばかり、己の英雄を見いだすことの傲慢、を、感じ取ったか、そこに校長、子供たちの為に、学校で上映会をするのだと、母と少年と姉、今度はゆっくり見られると、夕方に、歩き出す、借り出してくれたから、今度は、何度でも見られると、果たして、これも又、幻想に過ぎないのではないか、何度見ても、見えない、映画を見ることの危うさ、英雄を見ること、最前線を見ることの危うさ、大本営発表の危うさ、戦争報道の在処が問われてしまっている、徹底的に、あのラストの3人の背、夕日、この姿に私たちは何を見る、映画を前にして、期待と共に、圧倒的に過激な映画批判、報道批判、何度見ても、何も見えずに帰ってくるはずなのだ、いや、見せられて、聴かされて、帰ってくるとも、故に、あのラストの不吉、こんな映画を平気で作ってしまう、成瀬の不吉、正義、に、感動します、