岩手の野づら

『みちのくの山野草』から引っ越し

転向

2017-12-07 08:00:00 | 理崎 啓氏より学ぶ
《『大凡の日々-妹尾義郎と宗教弾圧』(理崎 啓著、哲山堂)の表紙》
 そして理崎氏の解説は続くのだが、その幾つかをかいつまんで示すと以下の通り。
 その頃、新興同盟の妹尾は無産政党の加藤勘十と共闘していて、急速な右傾化の日本であったが、左派はまだまだ意気軒昂であった〈132p〉。ところが、昭和11年2月26日に二・二六事件が起こり軍部は暴走、3日後の29日に妹尾は「予防検束」で目白署に連行されて27日間留置されたという〈133p〉。
 釈放後も妹尾は、東京府議会議員選挙に立候補したりと、相変わらず政治活動もしていたのだが、昭和11年12月7日(つまり本日)、妹尾は治安維持法違反容疑で目白署に検挙されたという〈136p〉。
 そして、昭和12年4月、ついに妹尾は天皇制、私有制否定の思想を持っていた、と認めることとなる。こうして新興同盟は治安維持法に違反する団体、との事実がでっち上げられたのであった〈137p〉。
 昭和13年3月26日、妹尾は東京拘置所に収監され、その後あちこちの警察署をたらい回し。そして、同年12月保釈、二年ぶりに家に帰る。
〈この生活こそまさしく逆境の恩寵だった。…(投稿者略)…今まで把持してきた思想がいかに未熟で平面的であったかもよくわかった。思想は現実に即したものであるべきで実行の方法も中正穏健を必要とする。幾多の先哲の教えが身につまされるものとして蘇ってきた〉〈142p〉

 理崎氏によれば、転向ではないという意見もあるということだが、こうして、とうとう妹尾も転向したということになるのだろう。

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