日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

タミフル(分子模型)

2007-03-21 | 分子模型図鑑

今日タミフルが十歳代に使用禁止になった

いずれこの欄で紹介するつもりではいたが

よい機会なので作ってみた

 

タミフル(リン酸オセルタミビル)

タミフル

このようにリン酸塩として製剤されている

商品名が「タミフル」

ああ 黄色の原子は初登場だったね

今回の黄色はリン原子である

リン酸オセルタミビルは胃で溶けて体内では

オセルタミビルとして活躍する筈である

タミフル(オセルタミビル)

タミフル

ごちゃごちゃした分子で初心者にはきびしいが

もっと後で紹介するつもりだったので仕方がない

タミフルを飲んだ後の異常行動について

学校に来た薬剤師は

「そんな精神に作用する構造ではないんですが」

と言っていた

ベンゼン環が存在しないからみたいな口ぶり

それではと「精神に作用する分子」も作ってみた

 

モルヒネ

モルヒネ

ヘロイン

ヘロイン

確かに構造図を見ると似ていないが

分子模型で見た時は分子の固まりの具合や

酸素の位置など素人目には似ているといえなくもない

あまり自信をもって

「異常行動はタミフルのせいではない」

と断言はできないように思う

 

公平を期するためにインフルエンザ治療薬も

あと2つ紹介して比べてみよう

 

リレンザ(薬品名ザナミビル)

リレンザ

シンメトレル(薬品名アマンタジン) 

シンメトレル

やはりタミフルとヘロインほど似てはいないなあ

 

百歩 いや 一歩ゆずって

タミフルについては

厚労省のえらい人の言う通り無害であるとしよう

だが日本での使いすぎについては文句がある

世界の七、八割を日本で消費して居るというではないか

タミフルの買い占めは頂けない

これは

「日本でタミフルの人体実験をしている」のか

「日本でタミフル耐性ウイルスの開発をしている」

のどちらかだとしか思えない

タミフルに耐性を持った新型インフルエンザが

日本から世界に広まったら

とんでもない汚点である

寝てれば治るようなインフルエンザならば

免疫力を甘やかさずに

一日余計に寝て治そうではないか

あやしい新薬に頼らずに・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

芳香族炭化水素(分子模型)

2007-03-21 | 分子模型図鑑

さて通常の炭化水素を前回紹介した

炭素が4本の手で鎖状につながっていた

ところが

炭素の手が3本に減ることがある

それが芳香族と呼ばれる炭化水素だ

まず通常の炭化水素を見ていただこう

炭素6個が輪になったシクロヘキサンだ

 

シクロヘキサン

シクロヘキサン

2つ並んでいるがどちらもシクロヘキサン

ルービックキューブのようにグニャッとまわることで

2種類の形を取るのだ(上を向いた水素の数で区別できる)

左が「イス型」右が「フネ型」と呼ばれている

次に同じ炭素6つの環状炭化水素だが

芳香族のベンゼンを紹介する

 

ベンゼン

ベンゼン

シクロヘキサンでは水素2個ずつ抱えていた炭素が

ベンゼンでは水素を1個ずつしか抱えていない

残った1本の手はどうしているのかというと

となりの炭素とより強力につながっているのだ

この状態が炭素には居心地が良いらしく

非常に安定な分子となる

化学とは切っても切れない あの六角形

この構造を示しているのだ

 

トルエン

トルエン

ベンゼンにメタンがくっついたような形をしている

「シンナー遊び」の主役として悪名が高い

昔の私の部屋もこの臭いで一杯だった

ラッカー系の塗料でプラモデルを塗っていたから

 

キシレン

キシレン

ベンゼンにメタンが2個ついたような形

付き方によって3種類の構造を持つ

写真左から

オルトキシレンメタキシレンパラキシレン

どれでもキシレンだ

油性マジックインキの臭いがキシレンだった

3種類が混じった状態で使用されている

 

ナフタレン

ナフタレン

ベンゼンが重なったような分子

ベンゼンからキシレンまでシンナー系の液体だったが

ナフタレンは固体。白い結晶だ

防虫剤で有名なナフタリンがこれだ

 

アントラセン

アントラセン

ベンゼン3つがくっついたような形状

これも白い結晶で防虫剤になる

コールタールから得られる

 

フェナントレン

フェナントレン

こんなふうにずれて くっつく場合もある

これもアントラセンに似た物質

炭化水素なのでやっぱり

水に溶けず

燃えやすい

 

ベンゾピレン

ベンゾピレン

ここまでくると

もうどこまでも繋げてしまいたくなるのだが・・・

どんどんグラファイトに近づいていくので

この辺から色付いてくる

黄色い結晶

焦げた食べ物、煙草の煙などに含まれる

 

ビフェニル

ビフェニル

ベンゼンがこんなふうにつながることもある

分子模型では2つのベンゼン環を

同一平面上に置くことが難しいが

本物の分子でもひねってくっついている方が安定だ

昔社会問題になった

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は

このビフェニルのまわりの水素がいくつか

塩素に代わったものだ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする