ママ研究者~人生まだまだこれから~

製薬会社で新薬開発に挑む研究者。2人の息子(6&0歳)がいます。ママ研究者(今は臨床系)、日々の思いを綴ります!

製薬会社への就職の道~その2

2008-08-20 04:16:42 | 企業におけるお仕事
私が就職活動をした時のお話です。
その1からの続きです。

ドクター卒で就職を目指して、2社のうち、1社の研究所の所長さんと会ってみることになりました。
私としては、もう一社(今働いている会社)の方が雰囲気的に好きだったのですが、
「まぁ、会社といっても入ってみなくちゃ分かんないから。」と教授に言われ、
まずはお教授が薦める方を受けてみたのです。

就職活動する前に、研究所を見学させていただくことになりました。
所長さんは私一人だったにも関わらず、詳しく説明してくれました。
私も会社に入って何をしたいか、基礎研究をもっと創薬に取り入れたい、など熱い思いを語りました。

所長さんは、私のことを「何かを期待させる面白い人だ」と感じたそうです。
(当時の私は、今よりももっと意気揚々としていて、ラジカルでした。そこが評価されたのかもしれません。)
ぜひ、うちの会社の就職試験を受けてほしい、その手続きは後日連絡する、と言われました。

後日、所長さんが、直々に大学を訪問してくださりました。
「君にぜひわが社に来てほしい、伝えたのだが、その後、状況がかなり厳しいことが判明した。」とのことです。つまり、断りのためにわざわざ足を運んでくださったのです。

その理由は、本社の人事部。
研究所サイドは、女性だろうが男性だろうが、優秀な人材を確保したい、との見解でしたが、本社の人事部は、断固として「女性の博士卒は採用しない」と言ったそうです。
(今、こんなことしていたら、社会問題ですよね。でも、12年前まではこんな状況だったんです)。

所長さんは、
「入社試験を受けることはできるだろうが、この状況ではまず採用されません。
3年後には、社内の状況ももう少し変わっているだろうから、そのときに受けてくれませんか?
一度不採用にした人を3年後に採用する、ということはまずないでしょう。
今、不合格になるとこの先、一緒に働くチャンスがなくなってしまいます。
僕としては、君と一緒に仕事をしたいと思っているんです。」

またしても、女性に対する社会の厳しさを知りました。
しかし、所長さんの言葉や行動には、とても感動しました。結局、この会社には就職することはなかったのですが、貴重な経験となりました。

#ちなみに、1社目の会社は、3年後に私の後輩(男性)が同じように博士卒での就職を希望しました。そのときは、「電話1本でOK」。っていうか、ありえないですよねー。そのとき、その会社に就職決まらなくて良かったと思いました。そんな男性至上主義の会社、入ってからも、前途多難そうですから。

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2 コメント

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Unknown (suikyo)
2008-08-20 22:32:43
"女性"ということで、そんなに明確に拒絶されてしまうのですね。。
でも、素敵な所長さんにお会いできたのは良いことでしたね。
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Unknown (ママ研究者)
2008-08-21 06:38:21
myuさんのエントリーを見ると、今でも少なからず、そういった風潮が残されているようですね。
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