東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

定額補修分担金特約

2008年07月02日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

 定額補修分担金特約が消費者契約法10条に違反するかを巡って京都地裁で争われ、平成20年4月30日その結果が出た。

 京都地裁は定額補修分担金特約は消費者契約法10条に違反し無効という判決下し、補修分担金の全額(16万円)を返還するよう命じた。

 更新料に関しては被告の不動産管理会社「長栄」が争いを回避するために訴状送達の翌日に借主に更新料全額と遅延損害金を付して返金していたので、これに関しては棄却された。

 「長栄」の契約書に書かれている定額補修分担金特約の内容は
①修理・回復費用は定額補修分担金(家賃の2.5か月)で賄い、それ以上の費用負担を借主は負わない。但し故意・重過失の損傷の補修・改装の場合は除く。
②定額補修分担金は敷金出ないから返還請求はできない。また家賃等との相殺はできない。
③入居の期間の長短にかかわらず返金しない。

 敷金でないことを強調するが、補修分担金が内容から敷金であることは明白である。また定額補修分担金特約は関西で行われている「敷引」と同じ内容である。

 定額補修分担金特約の場合、部屋を綺麗に使用し、原状回復費負担がゼロであったとしても補修分担は全額没収される。また仕事の都合で契約を中途解約した場合も全く返金されない。このように借主には不当で不利益な特約と言える。

 東京では同じ遣り方で15年位前から修理積立金(家賃の2か月分)という名目で行われている。

 民間の場合、借主の原状回復負担の平均は家賃の1.5か月分と云われている(賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例トガイドライン)。

 

東京・台東借地借家人組合

無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
土曜日日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。