常識について思うこと

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感動のすごいアニメ

2008年06月07日 | ヒーロー&アニメ

カレイドスターというアニメを見ました。いやぁ、本当にいいアニメ。悔しいくらい感動の連続でした。

日本には、世界的にも超有名なアニメがいくつかありますが、カレイドスターのようなアニメが、そういう扱いになっていないことが不思議であり、またとても残念でなりません。ストーリー、テーマ、脚本、キャラクター、アクション、作画、音楽、声優・・・。ちょっと、何からどうコメントしてよいのか分からないくらい、本当によかったです。

頑張ってひとつ挙げると、ステージでの緊迫感がすごいです。ストーリー中のオーディションや本番ステージのシーンで、見ているこっちまでリアルに緊張したり、強く感動したりしてしまうのは、演出効果ということなのかもしれませんが、そのようにアニメの世界に惹き込む力がすごいと思うのです。「幻の大技」や「天使の技」のときなど、所詮アニメのはずなのに、本当にそこにいる観客の一人、あるいはスタッフの一人になったような気分で、ドキドキハラハラしてしまうのは、このアニメを制作された方々の情熱と愛情が故と思うほかありません。

ついでなので、もうひとつ挙げると、こんなにも脇役がすごいと思ったことは、なかったような気がします。とくにレイラさん!今まで、いろんな脇役をみてきましたが、レイラさんほど「カッコイイ」と思える脇役はいませんでした。主人公のソラを引き立てる脇役ながら、主人公を超える迫力と魅力を持つもう一人の主人公が、レイラさんのような気がします。最終話での、レイラさんの最後の一言。このアニメは、ときどき反則とも思える名言や名場面で、人々の涙を誘いますが、このレイラさんの名言も本当に反則だと思います。

最後にもうひとつ。このアニメのスタッフやキャストの方々が、本当に楽しそうにこのアニメを作っているのだと思いました。うまく説明できませんが、そういう空気を感じるのです。作りたいものを、楽しく作る。当たり前のことですが、商業主義的な傾向が強まっている今日、ひたすら作りたいものを、作りたいように、楽しく作るという当たり前のことが、非常に難しくなっているように思います。そういうなか、純粋に作りたいものを楽しく作るという気持ちが、きちんといい作品を生み出すということを証明してくれているように思えて、とても嬉しい気持ちになったのです。

もう少し付け加えると、作品中のテーマは「愚者」。主人公のソラの夢は、キャスト、スタッフ、そして観客たちが全員笑顔になる「争いのないステージ」を実現することでした。周囲からそんなことは無理に決まっていると言われたり、また自分のなかで疑問が生まれたりしますが、「愚者」たるソラは、それらを跳ね返して、自分の夢を実現していきます。つまり「愚者」こそが、本当のスターになれるというのが、この作品のひとつの大きなテーマなのです。そして、私はふと、もしかすると、この作品を作り上げたキャストやスタッフの方々こそが「愚者」なのもしれないと思うのでした。

商業主義的な傾向が大いに強まっていくなか(「仮面ライダーと商業主義」参照)、ろくにスポンサーとなる企業の製品を宣伝するようなこともなく、例えば所詮アニメのステージシーンごときに、ものすごい情熱と愛情を傾けて視聴者を惹き込むような映像と音楽を作り出し、結果として「金を稼ぐ」ということにあまり成功しなかったのかもしれません。もちろん、マーケティングがうまくいかず、(もっともっと有名になってもいいはずなのに)有名なアニメになっていないことには、いろいろな理由があるでしょうから、一概には言えません。ただ少なくとも「金儲け」を度外視した制作を行ったという点は、否めないような気がするのです。「金儲け」はともかく、作りたいものを、作りたいように、楽しく作る「愚者」たちが、このアニメを作ったのだとしたら、私はその「愚者」たちにあらためて感謝したいと思います。

そして私自身、きちんとソラのように「愚者」であり続けようと思うのでした。

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