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終章 おわりに

2012年09月01日 | 戦後補償

『日本の戦後補償問題』、1996年執筆


 韓国は、日本にとっての隣国でありながら、その関係が微妙であり且つ難しい国である。各種世論調査の結果などをみても、両国関係の特異性は際立っているといってよい。
 その両国にとって、「戦後補償」という問題は、過去に関する問題であるが、厳然たる今日の問題でもある。「戦後の償い」を目的として民間で設立された「女性のためのアジア平和友好基金」の募金額は、当初の目標を大幅に下回っており、まだまだ検討すべき点が多く残されている。在日韓国・朝鮮人に対する補償についても、上述のような請求権の法的根拠があるにもかかわらず、政府の対応は相変わらず鈍い。
 しかし、今後の日韓関係を考えるうえで、また北朝鮮を含めた新しい日本・韓(朝鮮)半島関係を構築していくうえで、この問題に対する瀬いるとしての明確な指針を示し、適切に対応していくことは極めて重要である。本論分で扱った「戦後補償」というテーマは、単純に「過去」に関する処理の問題として捉えるでのはなく、将来の日韓(朝鮮)関係を形成する重要因子として真摯に受け止める必要があるだろう。

 本論文を書き上げるにあたっては、多くの方々の御助力を頂いた。とくに小島朋之慶応大学総合政策学部教授には、公私にわたり広くご指導を頂いた。師にはここであらためて感謝の言葉を申し述べたい。
 また韓国語文献・記事を読むにあたっては、渡辺吉鎔慶応大学総合政策学部教授の多大な御助力を頂いている。筆者がより多くの韓国語を読みこなすことができたのは、偏に師の御助力のおかげである。さらに筆者に韓国人としての立場から、常に新しい問題意識を与え、刺激し続けてくれた崔洙鎭氏との議論は非常に意義深かった。崔氏と交わした数々の議論は、本論文を書き上げるにあたり、欠かすことのできない貴重な経験となった。
 最後になったが小島研究会で様々なアドバイスをして下さった先輩、友人、後輩たち、そしてこのような機会を与えてくれた両親へ、心からの感謝の言葉を述べておきたい。

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