
もう何年も前から毎年この時期になると聴きたくなるのが、本作B-2に収録されているWait A Little Whileという曲。以前はオルガンバーの初期ミックステープに収録されていたパティ・オースティンによるカバーを好んでいましたが、ここ2~3年はAOR志向が高いこちらの本家ヴァージョンの方を聴いています。エレピとフルートの爽やかな演奏に乗せながら♪Here's a sweet September morning~と歌われる開始数秒で部屋の空気が一変する魔法のナンバー。ロギンスの頼りない優男風なヴォーカル含め、90年代の第二次AORリヴァイヴァル・ブーム以降に持て囃された曲の構成要素がたくさん詰まっている一曲なので、リアルタイム派のリスナーでもなくても好きな人が多いのではないでしょうか。特にエリック・タッグの2ndあたりを愛聴している方にとってはまず間違いなくマストなはず。リリース当時ヒットした、メリッサ・マンチェスターとの共作であるB-1のWhenever I Call You "Friend"(二人の誓い)もなかなかに良い感じですが、フリーソウルを通過した今の気分で考えるとやはり本命はこの曲でしょう。ちなみにアルバム自体の紹介も簡単にしておくと、ロギンズ&メッシーナのデュオを解散したケニー・ロギンスが1978年にリリースした2枚目にあたる作品です。AOR界隈では比較的よく知られたアルバムで、1000円以下で買える中古盤屋の安売り常連アイテムなので、その気になって探すまでもなく、何軒か街のレコード屋を回ればおそらくすぐに見つけることが出来るでしょう。今の観点で聴くと正直アルバム全編通してお勧めできるという類の作品ではないですが、このWait A Little While一曲のためだけに買ってもお釣りが来る作品なので、そもそも聴いたことがないという方、それから存在は知っているけれどしっかりと聴き込んではいないという方は是非。いつも高いレコードばっかり買って、この手のどこにでもある盤を聴き逃している方、実は以外と多いような気がします。
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