歌手のオフラ・ハザが亡くなっていたことを、つい最近まで知らなかった。
2000年に逝去、とのこと。
彼女の名前と歌声を知ったのは、いわゆる「ワールド・ミュージック」が流行った頃で、
そのときは何というか、「アラブの歌姫」的な認識しかなかった。
先日、学生にイエメン系ユダヤ人の伝統音楽を聴いてもらおう、と思い立ち、
授業の前日にそのCDを用意したのだけれど、解説書が見当たらない。
曲名リストくらいは見つかるだろう、とネットであれこれ検索をかけているうちに、
オフラ・ハザがイエメン出身であり(これは不正確。→下の追記①)、
たくさんのユダヤ民謡を吹き込んでいたことを知った。
さらに某所で探してみると、
彼女が Tzur Menti という歌をうたっている様子が画面に映し出された。
聞き覚えのある旋律。
上記のCDで、野太い声の男性がオイル缶を叩きながら朗々と歌い上げていた曲だ。
メロディは同じでも、オフラ・ハザの方はぐっとポップなアレンジを施されていて、
まあ、いわゆるエキゾチックなダンス・ミュージック、といった趣である。
決して悪くない。 というか、かなり良い。
繰り返し聴いているうちに、
待てよ、この旋律は他でも聞いたことが・・・と、少し考えてみて、
思い当たった。
ちょうど先月、札幌でライブを行なったとのことでラジオでかかっていた、
ザ・スカタライツの代表曲、Guns of navarone(ナヴァロンの要塞)。
これはまあ、他人の空似のようなものかもしれない。
酷似、というほどではないし。
しかし、スカ(およびレゲエ)の原点にはラスタファリアンの思想があり、
しかもそれが、はるかいにしえのユダヤの伝承の世界に
自らのルーツを重ねる思想であることからすれば、
スカとユダヤ音楽との距離は、意外に近いのかもしれない。
(→下の追記②)
「かもしれない」だけの話で恐縮ですが、
今日はこの辺で。
追記①
正しくはイスラエルのイエメン系難民の家庭に生まれたそうです。
42歳で亡くなる頃にはイスラエルの国民的歌手という位置づけだったとのこと。
複雑な歴史を背に歌っていたのですね。
何も知らなくてお恥ずかしい…ですが、改めて興味が湧いてきました。
追記②
ワタクシ、上の本文を書いた段階ではわかってなかったのですが、
Guns…はスカタライツのオリジナルではなく、
もとは同タイトルの映画のテーマ曲だったのですね。 (…あれ? みんな知ってました?)
こちらを聴くと、特にアラブ的でもユダヤ民謡的でもないようです。
・・・はい、ざんねんっ!
スカタライツ・ヴァージョンがそんなふうにも聞こえてしまうのは、
演奏のスタイルのせいですかね。
―― さらに訂正・補足すべきことなど、ありましたらどなたでもご教示ください。
posted by 堀マサヒコ
2000年に逝去、とのこと。
彼女の名前と歌声を知ったのは、いわゆる「ワールド・ミュージック」が流行った頃で、
そのときは何というか、「アラブの歌姫」的な認識しかなかった。
先日、学生にイエメン系ユダヤ人の伝統音楽を聴いてもらおう、と思い立ち、
授業の前日にそのCDを用意したのだけれど、解説書が見当たらない。
曲名リストくらいは見つかるだろう、とネットであれこれ検索をかけているうちに、
オフラ・ハザがイエメン出身であり(これは不正確。→下の追記①)、
たくさんのユダヤ民謡を吹き込んでいたことを知った。
さらに某所で探してみると、
彼女が Tzur Menti という歌をうたっている様子が画面に映し出された。
聞き覚えのある旋律。
上記のCDで、野太い声の男性がオイル缶を叩きながら朗々と歌い上げていた曲だ。
メロディは同じでも、オフラ・ハザの方はぐっとポップなアレンジを施されていて、
まあ、いわゆるエキゾチックなダンス・ミュージック、といった趣である。
決して悪くない。 というか、かなり良い。
繰り返し聴いているうちに、
待てよ、この旋律は他でも聞いたことが・・・と、少し考えてみて、
思い当たった。
ちょうど先月、札幌でライブを行なったとのことでラジオでかかっていた、
ザ・スカタライツの代表曲、Guns of navarone(ナヴァロンの要塞)。
これはまあ、他人の空似のようなものかもしれない。
酷似、というほどではないし。
しかし、スカ(およびレゲエ)の原点にはラスタファリアンの思想があり、
しかもそれが、はるかいにしえのユダヤの伝承の世界に
自らのルーツを重ねる思想であることからすれば、
スカとユダヤ音楽との距離は、意外に近いのかもしれない。
(→下の追記②)
「かもしれない」だけの話で恐縮ですが、
今日はこの辺で。
追記①
正しくはイスラエルのイエメン系難民の家庭に生まれたそうです。
42歳で亡くなる頃にはイスラエルの国民的歌手という位置づけだったとのこと。
複雑な歴史を背に歌っていたのですね。
何も知らなくてお恥ずかしい…ですが、改めて興味が湧いてきました。
追記②
ワタクシ、上の本文を書いた段階ではわかってなかったのですが、
Guns…はスカタライツのオリジナルではなく、
もとは同タイトルの映画のテーマ曲だったのですね。 (…あれ? みんな知ってました?)
こちらを聴くと、特にアラブ的でもユダヤ民謡的でもないようです。
・・・はい、ざんねんっ!
スカタライツ・ヴァージョンがそんなふうにも聞こえてしまうのは、
演奏のスタイルのせいですかね。
―― さらに訂正・補足すべきことなど、ありましたらどなたでもご教示ください。
posted by 堀マサヒコ