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杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

子犬よ何処

2011年04月05日 | 日記
春の陽射しが重信川土手沿いの黄色い菜の花を照らす。
だが春風は私の心を知ってか、冷たい寒さで啼いている。

夕方車を止めて、彼や彼女たちが元気に吠えていた場所
に立っていた。

土手下で畑に水を撒いているお百姓さんの姿を見かけた、
車を止めて助手席の窓ガラスを下げた・・・

「風が寒いですね ?」 その人は手を休めてこちらを
見上げた、「今日は、犬を見かけませんね ?」 私は一番
聞きたい事を尋ねた !
「そうだね、いつもは4~5匹いるんだが役所に捕まった
のかな ?」 少し顔を曇らせた !
彼が動物愛護の人か役所に通報する側の人か判らないので
それについての発言は避けた。

私は其の場を離れて、上流に向かった、
犬たちの視線が私に向かった場所に立ってみた、
河川敷にも降りてみた、風が枯葉と菜の花を揺らしている、
水流は、透明感の流れを速めていた。

中ほどに2匹の雑種犬をつれたお年寄りの姿があった、
犬たちは主人の前を嬉々として鼻を鳴らして進んでいた。

捨て犬たちと飼い主に大事にされる犬たちとの対比、
あまりの格差に憮然とするも、今飼われる愛犬達も何時 ?
同じ運命を辿るやも知れぬと思うと、気が重くなる。

あんなに酷寒の冬を耐え、霙まじりの雨と積雪の寒さに
耐えた犬たちに、ようやく暖かい太陽の光が射してきて、
少しの間の幸せを与えてやれると思ったのも、つかの間 ?
運命は、彼らにその短い幸せさえも恵んではくれなかった。

役所による捕獲である、近隣の住民の通報と協力による
事は論を待たない。

どこかのブログで東温市の農作物不買運動を提起していたが、
極論だが判らないでもない。

愛犬を連れた年配の男、同じくご夫人たちが、吠える犬たち
に浴びせる視線と罵声は、彼らの置かれた存在の哀れさを物語
って 余りある、そんな悲しい場面に何度遭遇した事だろう。

聞こえていた彼らの鳴声が途絶える寂しさ、ちらっと見せてくれる
姿かたちが忽然と消えた侘しさは、大切な我が家族との別れに似て
切ない。

私は、しばし河川敷に佇んで彼らの姿を追っていた。
昨日の「小さな命の写真展」 のあどけない犬たちの姿がオ-バ-
ラップして、胸が締め付けられる。

二匹の生後間もない子犬が、土手下にうずくまっていた、
私は、そっと近寄って見た、一目散に枯葉に足を取られながら
河川敷の中ほどに彼らは逃げた !
Ⅰm半ほどの高さの樹の枝の下に身を寄せている、

怯えた目で立ちすくんでいた、
私は、サランラップに包んだペットフ-ドを手前の茂みにそっと
置いた、子犬たちは怯える目で見ていた。
私は、「よしよし、大丈夫だよ ! あとから食べるんだよ !」
小さな声でささやきながら、其の場を去った。

その後、親犬に連れられた子犬たちの姿が有った、
1日1日と逞しくなっていくのを私は喜んで見ていた。
彼らは数匹の群れの中に溶け込んで行った、
その中に、白黒まだらちゃんも居たのである。

彼は (彼女) 他の犬と違って・・・
私に親近感を持って眺めているようだった、
育てて飼ってくれた飼い主が、私に似ていたのだろうか ?
群れの中に居ても、一番私に近寄ってくれた友だった。

彼も、仲間とともに捕獲された、
辛い運命は、思うまいとするものの、あの私を見詰める姿が
脳裏から消えない。

「辛いな !」 パソコンを打つ手が振るえ、涙が滲む !
今宵も、彼らへの鎮魂歌か ! 我が家をつむじ風が吹き荒れる、
「何故!助けてやれなかった ?」 胸が込み上げて為らない。

重信川河川敷、天国と地獄を併せ持つ魔境である。
我が家の犬たちにとっては天国も・・・
捨て犬たちには明日をも知れぬ地獄の地、
しかし、健気に生きる彼らを見捨てる事が出来ようか、

又、ボスや首輪ちゃん、そして白黒まだらちゃんを求めて、
私の河川敷行きは続く、1日でも生き永らせてやりたい。・・・。。。

                                     合掌



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