末吉洋文の平和研究室

帝塚山大学法学部で「国際法」や「平和学」を担当しています。

大学のゼミ

2006年01月31日 | 教育
1月も今日で最後です。
明日からは当然のごとく2月なのですが、あっという間の31日間でした。
これから春休みで時間的には自由になる部分が増えますが、ウダウダしないようにきっちりとやっていかなければいけません。

ここ1年間は、仕事のための仕事といいますか、研究に関連する狭くて深い分野を中心に渉猟していたので、新聞は広くて浅い部分を見るための有難い情報源になっています。

最近では、五百旗頭真教授(神戸大学)のゼミ風景を通して今後の日本を論じた毎日新聞(1月29日)の「時代の風」が印象的でした。
ゼミ生が毎週1冊の本を読んできて、三点のコメントを全員がしなければならないというゼミの内容で、本来は90分ほどのゼミを5時間ほど毎週議論しているそうです。
他大学との合同セミナーや年末の海外の大学訪問などもあり、充実しすぎている様子が伝わってきて、羨ましく思いました。

うちの学生にも伝えようとはしているのですが、「エネルギーを必要とするけれども、遣り甲斐や充実感、そして達成感を!!」という熱い言葉を伝えることはなかなか難しかったりするものです。
それでも来年度の私のゼミに計9名の申し込みがありました。
本当は書かなくてもゼミの単位が認定されるのに年度末の小論文(卒業論文みたく)を課し、そして大学祭での研究発表をしましょう!と教員一人が意気込んでいるゼミに来てくれて嬉しく思っています。

昼ごはん ししゃも弁当を持参
晩ごはん ごはん 味噌汁 焼肉 サラダ

中国のアフリカへの外交攻勢

2006年01月30日 | 平和
今日も出勤。
ゼミの2次募集の日でしたが、振り分け方が難しく、神経を使いました。

さて、今日は朝日新聞に掲載されていた、中国のアフリカへの外交攻勢を伝える記事について。
これは大変大きな問題です。
今後、国際社会が変化していく中で、中国がアフリカ諸国を味方につけようとしていることは、様々な問題に影響を及ぼすからです。
エネルギー安全保障や日本の常任理事国入り、そして米国との覇権争いなど、しっかりとおさえておく必要があると思います。
特に、1月12日に共産党政府が発表したとされる、「対アフリカ政策文書」は、アフリカでの軍事人材の育成、留学生の交換、中国語教育の支援、中国企業の投資奨励、対中債務の軽減などが盛り込まれているそうです。
いずれにせよ中国は、ビジョンを持って、そして強(したた)かに外交を進めているのです。

留学生の交換なんて、日本政府がとっくの昔にしておくべき事だったのではないでしょうか?
ODA関連での技術者支援・教育ってのでは実績があるのでしょうが、国の未来を担う学生を交換してこそ息の長い付き合いの基礎を作ることができるのでしょう。わが大学は、中国人留学生の割合がどうしても多いですが(この世で中国人が一番多いので仕方がないと思いますが)、もっと様々な国々から留学生を招き、国際色豊かな学校へと変貌して欲しいと思っています。
外国人と交流して得られるあのなんともいえない感動は、決してお金では買えない大切なものなのです。

昼ごはん ごはん 夕べの残り(弁当持参)
晩ごはん パック寿司 味噌汁 ポテトサラダ イチゴ

携帯のニュース

2006年01月29日 | 平和
今日は家でゆっくり過ごすことに。
掃除をし、少し離れたスーパーへ買い物に行きました。

国際関係に関する情報収集を毎日していますが、携帯電話に毎日メールマガジンとして送られてくる情報の中には、新聞やネットで見逃してしまうものもあります。
最近では、イラン問題の陰に隠れていたために見逃していた、日本が安全保障理事会改革の新案、常任・準常任合わせ6増を提案したというニュース。

日本の常任理事国入りは、もうダメだとあきらめムードが蔓延しているような雰囲気もありましたので、これを機に改革がうまくいけばと思います。
しかし、他の常任理事国入りを狙う国々と協調して事を運ぶことができるのか、非常に難しいと思われます。
何よりも一番大切であるのは、日本が常任理事国として何をすべきなのか、ということでしょう。
常任理事国入りのメリットとして外務省が列挙しているのは、
・安保理において、国益を実現
・国際社会への貢献に見合った地位
・情報の入手
・平和と安全へのより建設的な役割
ですが、常任理事国ではなくてもできることはたくさんあるでしょうね。

また、ビルゲイツが結核撲滅運動に9億ドルを寄付したというニュースもありました。
ゲイツ会長夫妻が運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」が寄付する予定で、2015年までに1400万人の生命を救い、5000万人に治療を施す計画だそうです。
結核撲滅も大切ですが、9億ドルもあったら、他の手段で世界を変える方法はないものかと考えました。

昼ごはん チャーハン 味噌汁
おやつ ホットケーキ
晩ごはん ごはん あおさの味噌汁 ササミとセロリのチーズ焼き

ユニセフ兵庫県支部

2006年01月28日 | 平和
今日も出勤し、そして採点を。
来月下旬の東京出張も確定し、にわかに手帳が黒くなってきているので、少しずつ研究のほうも進めていかなければなりません。

ところで今日はユニセフ兵庫県支部から『Wish』というニュースを頂きました。
兵庫県支部の方とは、昨夏大阪支部でお会いしたのが縁で、いろいろと資料を送っていただいているのです。
この場も借りて、重ね重ね御礼申し上げます。

それと引き換えにと言っちゃなんですが、今度私が学習会の講師を務めることにもなりそうです。
今年の兵庫県支部は特にアフリカ学習に力を入れるそうですが、テーマを絞って勉強するのも効果がありそうです。
大学におけるゼミなんかも「アフリカと国際法」なんてテーマ設定しても良いかもしれませんね。。。

あと、スーダン・ダルフール報告会が3月4日にあるらしいので、すぐさま参加の申し込みをしました。
こうした勉強会は、平和への熱い思いを維持したい自分にとって大変有難いものです。

昼ごはん サンドイッチ トマトジュース
晩ごはん ごはん 味噌汁 アジの干物

ホテル・ルワンダ

2006年01月27日 | 平和
今日も出勤。

普段は映画を観ない私です。
「やっぱり映画館で観なきゃ」なんて言っている人のことが理解できない・・・そういうレベルです。

ただし、「ホテル・ルワンダ」は絶対に見なければ、と思わせるだけの内容があるようです。
今月25日の朝日新聞の文化欄に、映画の批評が載っていました。
ルワンダのフツ族によるツチ族大量殺戮を描いた映画で、「みな、間接的な当事者」と書いてありました。つまり、「これらは単なる民族同士の殺し合いではなく、何もしない世界中の我々も間接的に加担している加害者だ」と。

「虐殺の映像が世界に流れても、怖いねというだけで、ディナーを続ける」・・・
他にも現代の国際社会の不条理や、先進国によって搾取されてきたアフリカ諸国といった歴史の暗部を描くような内容で、「虚飾を廃して示す酷薄な現実は、心の琴線に触れるなどという繊細なものではなく、心に激痛を与え、打ちのめす。」なんて書いてあるのです。。。

100万人(今までは80万人と言われていたのですが・・・)が殺害されたとされるルワンダ紛争は、かつてNHKスペシャル「世紀を超えて 戦争、果てしない恐怖 第2集・世界は誰が守るのか、国連の試練」においても放映されていたように、当時、チェコなんかは、ルワンダ虐殺をナチスにたとえ、介入しようとしない米国の態度を批判したのです。
 Genosideという語をチェコが使ったのに対し、米国はact of Genosideと言い続けたわけです。前者がジェノサイドを意味するのに対し、後者は「ジェノサイド的行為」だというのです。
 1948年に採択されたジェノサイド条約によれば、第8条においてジェノサイドが発生した場合には、締約国に介入義務が発生してしまいます。すなわち、国際連合による措置として、「締約国は、国際連合の権限ある機関が集団殺害または第三条に列挙する他の行為のいずれかを防止しまたは抑圧するために適当と認める国際連合憲章に基づく措置を採るように、これらの機関に要求することができる」と規定しており、締約国である米国は介入義務の発生に危惧を持っていたわけなのです。
 また、専門的ではありますが、ジェノサイド行為は国際法上の強行規範(jus cogens)に触れることになりますから、国際社会が放っておいてはいけない事態でもあります。

 1990年代初頭のソマリア紛争での「平和の強制」の試みが失敗して以降、国益とは関係ないアフリカの紛争には介入しないという基本政策ができてしまっていたのですが、見捨てるわけにも行かず・・・どうしたらよいのでしょう??

映画を見た人のネット上の批評を見ると、かなりショッキングらしいので、見るときはちょっとした覚悟が必要になりそうです。
この映画、2月ごろになると関西でも上映されるそうなのでドキドキしながら待つことにします。
ひとりの地球市民として見なきゃいけない・・・そう思っています。

昼ごはん 惣菜パン おにぎり
晩ごはん カレー まいたけと豆腐と白菜の味噌汁 イカの刺身

スーパーのレジ袋

2006年01月26日 | 平和
今日は姫路で試験でした。
今年度は最後ということで、4月まで来ることはありません。

研究室の掃除をしながら考えていたのですが、スーパーのレジ袋が有料化になるという話。
私の研究室には日々のお昼ごはんなどを購入した際のレジ袋が大量にストックされているからです。
就職してからの3年分ですから、相当なものです。
大きい袋ならまだ使い勝手があるものの、小さい袋は捨てるしかありません。
自分ひとりが生きていくのにゴミは出るわ、レジ袋はたまるわ、そして職業柄、紙を大量消費するわで環境に良くないことをしているという罪悪感があるのです。

有料化は良いと思う反面、その値段が気になるところ。
実家の近所のコープが既に実践しているのですが、そこでは5円で手に入れることができます。
ただし5円では「仕方がないか・・・」と思ってしまうのも事実。
「高いよなぁ・・・」と消費者側が反省するほどの値段でなければならないのではないでしょうか。
そういえば昨年行ったドイツのスーパーではいくらか払うとともに、気のせいなのか、レジの店員のおばちゃんの冷たい視線を感じたような。。。

昨今の日本の風潮がそうであるように、お金があれば解決してしまうのでは意味がありません。
また、レジ袋の有料化の目的は、あくまでも一人一人に「地球環境を守らねば」という意識付けでなければならないと思うのです。

ところでパレスチナではハマスが政権奪取ですか。。。和平は遠のくばかりです。

昼ごはん ごはん 味噌汁
晩ごはん ごはん 味噌汁 肉野菜炒め セロリの葉っぱのサラダ

次の国連事務総長

2006年01月25日 | 平和
いつものように学校へ。
午前中は来客があったので、研究室の掃除の最後の仕上げを朝方の仕事としてすることができました。
ここ1ヶ月の成果はその後の仕事によい影響を与えてくれそうです。

ところで今日の朝日新聞はとても有益な記事が2つありました。

ひとつは、次の国連事務総長に関するもの。
いろいろ総合的に考えてみると、おそらく韓国の潘基文(パンギムン)外交通商相が選ばれる可能性が高いようです。
アジアから国連事務総長が選出されるのは非常に喜ばしいことだと思います。
朝鮮半島統一に向けて大きな動きがあるかもしれません。
ちなみに日本では、かつては中曽根元首相や元国連難民高等弁務官・現JICA総裁である緒方貞子さんの名前が挙がったことがありました。

現在のアナン事務総長(ガーナ出身)は、米国に気に入られて事務総長になったのですが、結局はイラク戦争でブッシュ政権と対立することになりました。
事務総長の選出は常任理事国の拒否権の対象となるため、はじめはどうしても米国寄りの人物にならざるを得ないのですが、なってしまえば問題ありません。
第6代ブートロス・ガリ事務総長(エジプト)のように、再選を拒否権の行使によって阻止されることはあっても、国連憲章の番人(guardian)として憲章の目的の実現のために頑張って欲しいものです。

もう一つの記事は、映画「ホテル・ルワンダ」に関する記事。
「平和学の講義で使用すべきだな」と思ったほどの、とても素晴らしい文章でした。
詳細はまた明日。

昼ごはん 惣菜パン トマトジュース

知らぬが仏

2006年01月24日 | 平和
暖かくなったかと思いきや、奈良の冬はまだ続いています。
油断したのか、少しだけ喉が痛くなりましたが、すぐに治りました。
食べて、寝る・・・これが一番の薬です。

今日は試験監督を4つ続けた後、学内の研究会。
さすがに疲れました。

最近は、マンション偽装問題はどこへやら・・・ホリエモン一色の報道ですが、ユニセフが2006年度の活動資金として、総額約930億円を国際社会に要請している、ということをお伝えしておきます。

集まったお金は、主としてアフリカ諸国の支援に振り分けられるそうですが、国際社会のどこかでは貧困にあえぐ人々が居るのに、日本ではお金をめぐる人間のいやらしい部分が露出しています。
「知らぬが仏」・・・ニュースは知らない方が精神衛生上良いのかもしれません。。。

昼ごはん ごはん 大根の煮物
晩ごはん 牛肉とエリンギの炒め物 ごはん

ボリビアの先住民族出身大統領

2006年01月23日 | 平和
今日から試験です。
普段は朝早く学校に来て、夜遅くまで研究室に居るので、久しぶりに会う学生さんも多かったりするものです。
私は私で成長しているつもりですが、学生さんの中には「もう3年生か」「この間まで1年生だったような・・・」といろいろと思うものです。

南米最貧国のボリビアでは初の先住民(indigenous people)出身の大統領が誕生したそうです。
「先住民は歴史的に虐げられてきた。これから平等な社会を目指して歴史を変える」と訴えたり、ブッシュ米大統領を「テロリスト」と呼ぶなど、なんだかちょっと頼もしかったりします。

先住民族は、民族自決権を付与したがらない国家によってこれまでindigenous populationsと呼ばれたりなど、国際法においても虐げられてきた歴史があります。
peopleとした場合、国連憲章や国際人権規約においてpeopleとして規定されている自決権規定の行使を認めることになり、分離・独立によって領土保全を乱されたくない領域国政府にとっては面倒なことになるからです。

なんだか、しょーもない話かも知れませんが、こうして歴史は積み重ねられてきたのでした。

昼ごはん カレー
晩ごはん タコの刺身 中華サラダ 焼酎 味噌汁 ごはん

なんだそれ

2006年01月22日 | 教育
センター試験の監督には当たらなかったため、家で過ごしていました。
それにしてもセンター試験の英語のリスニング問題はどうしたものでしょう。
機械の故障や何やらと大変だったそうですが、大学入試センター側は「こんな数は想定していなかった」「性善説に立っている」との説明。

お粗末過ぎやしないでしょうか。
そもそもなんでリスニングテストを一斉に実施しないのでしょう。
機械を導入するための経費についても評判は悪いですし。
早くも来年のセンター試験が怖くなってきました。。。

ところで夕べのニュースでは、ドイツの日本大使館前でグリーンピースが死んだ鯨を持ってきて日本の調査捕鯨に反対するデモを行ったとか。
見たことあるなと思ったら、私が昨夏に訪れたベルリンではないですか。
そういえば大使館前も通ったのでした。
しかし、鯨をわざわざ持ってくるとは・・・そっちの方が残酷ではないでしょうか?
「日本の本当の目的はビジネスだ」と批判していたそうですが、これは食文化の問題。
反対されればされるほど、保守的な反動が大きく働いてしまいます。

昼ごはん カレー
晩ごはん カレー サラダ