犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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御製

2017年08月19日 | 椰子の実の中
戦をとどめえざりしくちおしさ ななそぢになる今もなほおもふ

昭和天皇の歌である。
ななそぢ、七十路というから、1970年代に詠ったのだろう。
戦後30年経っても、悔やまれてならない、と。

NHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」の中で、
軍部の最高責任者である、東條英機大将が、インパールの戦況を
天皇に上奏する場面があった。
その内容はウソだらけだったという。

うまくいっている、と聞かされて、やめろと言うわけもなく、
作戦は続行される。
天皇も、事実は知らされていない。
国民とどれほどの違いがあるのか。

当時、天皇は祀り上げられていた。
天皇の意志として国を挙げて戦っているかのように信じられていた。
だから、天皇とて、組織の仕組みの一端を担っているに過ぎないことは、
見えにくかった。
ただ、軍部上層の者だけが知っていたのだろう。

戦後、天皇は人間になったということになったが、
天皇天皇と言っていた軍部上層ほど天皇を神とは思っていなかったろう。
神に向かって嘘はつけないはずだもんね。

東條の上奏から後、作戦続行は天皇のご意志、ということができあがって、
現場である第15軍牟田口司令官はますます引くことができなくなった、
というのが番組の見方である。

上から下まで、組織主義のがんじがらめだ。

今で言うブラック企業というものも、似たような仕組みが働いているのではないか。
ブラック企業とまでいかずとも、年功序列ともいかずとも、
会社組織ともいわずとも、組織というものは日本では
なんだか上の決定には逆らえない、というのが"常識"としてある。

ここの体質を変えないと、いざ戦争という方向に社会が傾いた時に
その傾斜に国民は逆らいにくいだろう。
戦争に突入したら、なおのこと止めることは難しくなるだろう。

得をする立場にある者が、組織体質を変えましょうなんて言うはずも無い。
結局、損をする下々が体制を変えるという、かなり無茶なことが必要になってくる。

ひとりひとりの意識を変えることがまず必要だと思う。
先生が間違ってたら指摘するとか。
自分の意見を言葉で口に出して言えるようにするとか。

あーたいへん。
どっぷり流されて生きてきてるから、そういうの苦手だよ。

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