地名アラカルト

各地の難読地名や珍しい地名についての由来やエピソードなどについて調べてみたいと思います。

難読駅名を楽しもう 幾つ読めますか  下立,笠田,長太ノ浦,今羽,甲立

2016年10月25日 12時58分55秒 | Weblog
①下立  富山地方鉄道本線。富山県黒部市宇奈月町(まち)下立
②笠田  JR和歌山線。和歌山県伊都郡かつらぎ町(ちょう)笠田東
③長太ノ浦(近鉄)名古屋線。三重県鈴鹿市長(な)太(ご)栄町(さかえまち)二丁目
④今羽   埼玉新都市交通(ニューシャトル)。北区吉野町
⑤甲立 (JR西日本)芸備線。広島県安芸高田市甲田町高田原

読みと由来等

①おりたて 黒部川扇状地の要にあり,黒部市南東,鋲ケ岳(びょうがだけ,861m)から下り立った地に因むという。また,タテとは,生みタテの卵,たきタテのごはん,つきタテの餅などというときのタテで,オリタチとは「坂を下りてすぐのところ」の意という(山中襄太『地名語源辞典』)。下を「オリ」と読む地名には,奈良県桜井市下居(おりい),茨城県鹿嶋市下津(おりつ),愛知県稲沢市下津(おりづ)などがあるが,その事例は少ない。

②かせだ 諸説がある。①旧加勢田(かせだ)荘(桛<かせ>田とも書いた)の転訛。②麻の枝の部分で桛<かせ>木(木の枝をYの字形に切ったもの)を作り,稲の害虫のイナゴを追い払った田地に因む。③セダ(狭田)の転訛説などがある。桛は国字。会意文字「木+上+下」。軸となる木の上下に枠となる木を組み立てて,糸をかけて巻く器具の意味を表わす。笠を「カセ」と読む地名は殆どないようである。

③なごのうら 海岸沿いにあり,波の穏やかなことを指す「凪(なぎ)」の浦の転訛か。何故「ご」に「太」の字を当てたのか不明。なお,鈴鹿市には,南(北)長太町,長太旭町(まち),長太新町(まち)など,長太の付いた町名が多い。

④こんば 藩政村今羽村に因む。今羽村は明治22年西本郷村,大和田村,堀崎,島村,砂村,土呂村と合併して,大砂土(おおさと)村となり,今羽の地名は消滅した。今羽はアイヌ語に起源する地名ではないかともいう。

⑤こうたち 川立(かわたち)郷の故地とする説があり,可愛(えの)川対岸の川立村とかつて一村を形成していたが,流路変更で分村し,甲立としたと伝えられる(『角川日本地名大辞典・広島県』)。



『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照

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