Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

ついに消える、「シュプール号」。

2006-11-18 03:56:32 | 鉄道(JR)
毎年、この時期になるとスキー客輸送を目的に設定されていた「シュプール号」。
年を経るにつれて設定本数が減少し、JR東日本エリアからは2001年に設定が既になくなっていた。
そして、遂に今年JR西日本エリアからの列車設定もなくなり、遂に「シュプール号」の設定が消えたことが4日のIZA!産経新聞に掲載されていた。

理由はスキー・スノーボード客の減少。
これに加えてJR東日本は新幹線にスキー・スノーボード客を積極的に誘導しているが、驚くべきは利用者数の減少が数字に如実に表れていることで、93年の29万人が2001年の時点で2万人弱、7%弱までに減少していたことだ。
ただ、「シュプール号」の運行はなくなっても「シーハイル上越」などの臨時列車は継続するとしているものの、スキー・スノーボード客に混じって鉄道ファンの姿が目立つのも興味深い。
実際、自分が「シーハイル上越」を利用した時もそうだった。

ただ、スキーバスの減少というのは名鉄バスセンターにいるとあまり感じられない。
実際にこの時期。夜の名鉄バスセンターの夜行長距離バス乗り場にいると定期バスの利用者より遙かに多くの会員バスの利用者が列をなしてバスの出発を待っていることがある。
果たしてどちらが本当の主役なのかどうか疑わしく思えるぐらいに。
それでも先の記事によるとこれで「ピーク時の半分」というのだから、最盛期はどれだけのスキーバスが発着していたのだろうか。

話を「シュプール号」に戻す。
JR東日本エリアでは185系を使用したラッピング電車とも言うべき「フルフル号」やスキーメーカーとタイアップして運転された583系の「アルペン蔵王」。
JR西日本エリアでは客車から特急電車まで様々な車輌が使用されたことも印象的だが、485系と583系が営業運転で併結して運転されたことが最も印象に残っている。

かつて隆盛を極めたスキー客が減少すれば列車の運行本数も減るのが当たり前とはいえ、環境の変化には本当に驚かされる。
JR各社が「シュプール号」のように足並みを揃えてこうした列車の運行を行う機会は今後はないと思われる。
それだけに、「設定なし」というのは残念に思うと同時に、利用客の母数が減っている以上はやむを得ないのかなぁと思うのもまた事実だ。
それにしても、一時は冬の時刻表を賑わせた「シュプール号」の名前が消えるのはやはり寂しい。

にほんブログ村 鉄道ブログへ

最新の画像もっと見る