岐阜市議会における名鉄600V区間の存廃に関する議論を整理しようというこの試みも5回目を迎えた。
これまで1年の議論を1エントリーでまとめていたが、平成14年の議論をまとめたエントリーを見ると1回で1年の議論をまとめ切れる長さではなくなりつつある。
そこで、今回から1定例会につき1回でまとめてみたい。
平成15年は名鉄の撤退報道を受けて議会における議論が活発になった年である。
岐阜市は電停の安全島設置、自動車の軌道敷通行不可等、これまで指摘されていた問題点について実証するべく「総合型社会実験」を実施した。
また、構造改革特区として「ひと・環境にやさしい路面電車特区」を岐阜市が6月に申請しているが、不採択に終わっている。構造改革特区の顛末については別に触れてみたいと思っている。
これらに見るように遅まきながら対応が始まっている。
参考:「岐阜市議会議事録」
平成15年第1回定例会(3月)
※<答弁>は市当局者、<市長答弁>は岐阜市長の答弁をそれぞれ示す。
<質問1>
岐阜駅北口広場整備計画について、現在岐阜駅前にある電停をなぜわざわざ駅前広場に入れる必要があるのか。
岐阜の路面電車は毎年16億円の赤字と聞いている。これからも継続するのであれば、誰かが負担しなければならない。欧米ではLRT化が進んでいるが、岐阜市もLRT化を推進し維持するとすれば、さらに莫大な投資が必要になる。
<答弁1>
路面電車問題については、全国的にも公共交通機関としてさまざまな観点からの役割を期待されているものであり、路面電車の駅前広場の乗り入れについては鉄道事業者等の今後の動向を見極めたい。
<質問2>
総合交通体系の策定に向け、都市交通の中心であるバス交通の維持、活性化に向け、バス路線の維持補助制度の創設やオムニバスタウンの指定等、積極的な取組がされている。
また、最近では、急浮上してきた路面電車の存続問題等総合交通体系の策定への早急な対応が求められている。これまで車社会の進展により交通事故の増加、交通渋滞の発生、大気汚染等環境問題の顕在化、さらには、中心市街地の空洞化や低密度な市街地の拡大等により、さまざまな問題が生じている。
今後のまちづくりの目指す方向として、高齢者を含む誰もが住みやすく、まちに活気があり、空気がきれいな環境に優しいまちづくりが求められると考えている。そのために、これまでの車中心のまちづくりを見直し、人が車に頼らないで歩いたり、自転車に乗ったり、路面電車、バス等の公共交通を利用して生活できる歩いて暮らせるまちづくりを目指し、交通政策を大きく転換する必要があると考えるが、将来の総合交通政策について市長の所見を伺いたい。
<市長答弁>
過度に自動車に依存した現在の交通体系を改善して、今後の総合交通体系は歩行者、自転車あるいは路面電車やバスなどの公共交通機関、それに自動車、これらの各種交通機関が適正な組み合わせと役割分担を担った、いわゆるベストミックスな交通体系を目指していくことが21世紀に向けてのまちづくりにとって極めて重要である。
なお、平成15年度については、公共交通機関の走行環境、利用環境の改善などを目的として歩行者、自転車及び路面電車、バスなどの総合交通社会実験を予定している。このような交通社会実験を通じて、施策の効果、影響を把握し、市民への情報提供を図り、特に路面電車の方向性については、市民、利用者の方々の考え方を踏まえて幅広く意見の集約を図っていきたい。
さらに、新年度に策定予定の次期総合計画では、歩行者、自転車や交通機関を重視した総合交通政策の考え方及びこれに見合うまちづくりの計画についてしっかりと位置づけをしたい。
<第1回定例会のまとめ>
名鉄が16年限りで岐阜600V区間の撤退を表明したにも関わらず、市には「鉄道事業者等の今後の動向を見極めたい」という答弁に象徴されるように危機感が感じられない。市当局には名鉄の翻意を期待し、最悪の事態は起こりえないと考えていたように思う。そこに読み違いがあったのではないか。
正式に市に申し入れがあったかどうかは別にしても、名鉄の意向は「撤退」と明確になっている。
少なくともこの時点まで路面電車廃止を容認する質問・答弁はなかった。
名鉄の撤退が明らかになったこの時点で市が考えるべきは、沿線自治体と協議を始め名鉄撤退後を踏まえた路面電車の経営主体の検討といった受け皿つくりではなかったか。
そんな気がする。
これまで1年の議論を1エントリーでまとめていたが、平成14年の議論をまとめたエントリーを見ると1回で1年の議論をまとめ切れる長さではなくなりつつある。
そこで、今回から1定例会につき1回でまとめてみたい。
平成15年は名鉄の撤退報道を受けて議会における議論が活発になった年である。
岐阜市は電停の安全島設置、自動車の軌道敷通行不可等、これまで指摘されていた問題点について実証するべく「総合型社会実験」を実施した。
また、構造改革特区として「ひと・環境にやさしい路面電車特区」を岐阜市が6月に申請しているが、不採択に終わっている。構造改革特区の顛末については別に触れてみたいと思っている。
これらに見るように遅まきながら対応が始まっている。
参考:「岐阜市議会議事録」
平成15年第1回定例会(3月)
※<答弁>は市当局者、<市長答弁>は岐阜市長の答弁をそれぞれ示す。
<質問1>
岐阜駅北口広場整備計画について、現在岐阜駅前にある電停をなぜわざわざ駅前広場に入れる必要があるのか。
岐阜の路面電車は毎年16億円の赤字と聞いている。これからも継続するのであれば、誰かが負担しなければならない。欧米ではLRT化が進んでいるが、岐阜市もLRT化を推進し維持するとすれば、さらに莫大な投資が必要になる。
<答弁1>
路面電車問題については、全国的にも公共交通機関としてさまざまな観点からの役割を期待されているものであり、路面電車の駅前広場の乗り入れについては鉄道事業者等の今後の動向を見極めたい。
<質問2>
総合交通体系の策定に向け、都市交通の中心であるバス交通の維持、活性化に向け、バス路線の維持補助制度の創設やオムニバスタウンの指定等、積極的な取組がされている。
また、最近では、急浮上してきた路面電車の存続問題等総合交通体系の策定への早急な対応が求められている。これまで車社会の進展により交通事故の増加、交通渋滞の発生、大気汚染等環境問題の顕在化、さらには、中心市街地の空洞化や低密度な市街地の拡大等により、さまざまな問題が生じている。
今後のまちづくりの目指す方向として、高齢者を含む誰もが住みやすく、まちに活気があり、空気がきれいな環境に優しいまちづくりが求められると考えている。そのために、これまでの車中心のまちづくりを見直し、人が車に頼らないで歩いたり、自転車に乗ったり、路面電車、バス等の公共交通を利用して生活できる歩いて暮らせるまちづくりを目指し、交通政策を大きく転換する必要があると考えるが、将来の総合交通政策について市長の所見を伺いたい。
<市長答弁>
過度に自動車に依存した現在の交通体系を改善して、今後の総合交通体系は歩行者、自転車あるいは路面電車やバスなどの公共交通機関、それに自動車、これらの各種交通機関が適正な組み合わせと役割分担を担った、いわゆるベストミックスな交通体系を目指していくことが21世紀に向けてのまちづくりにとって極めて重要である。
なお、平成15年度については、公共交通機関の走行環境、利用環境の改善などを目的として歩行者、自転車及び路面電車、バスなどの総合交通社会実験を予定している。このような交通社会実験を通じて、施策の効果、影響を把握し、市民への情報提供を図り、特に路面電車の方向性については、市民、利用者の方々の考え方を踏まえて幅広く意見の集約を図っていきたい。
さらに、新年度に策定予定の次期総合計画では、歩行者、自転車や交通機関を重視した総合交通政策の考え方及びこれに見合うまちづくりの計画についてしっかりと位置づけをしたい。
<第1回定例会のまとめ>
名鉄が16年限りで岐阜600V区間の撤退を表明したにも関わらず、市には「鉄道事業者等の今後の動向を見極めたい」という答弁に象徴されるように危機感が感じられない。市当局には名鉄の翻意を期待し、最悪の事態は起こりえないと考えていたように思う。そこに読み違いがあったのではないか。
正式に市に申し入れがあったかどうかは別にしても、名鉄の意向は「撤退」と明確になっている。
少なくともこの時点まで路面電車廃止を容認する質問・答弁はなかった。
名鉄の撤退が明らかになったこの時点で市が考えるべきは、沿線自治体と協議を始め名鉄撤退後を踏まえた路面電車の経営主体の検討といった受け皿つくりではなかったか。
そんな気がする。