台風14号による大被害で存続の危機に直面している高千穂鉄道。
その対応を協議する臨時株主総会が11日に開催され、株主から「存続」を求める声が多く出された旨が12日の読売新聞に掲載されていた。
また、この場で先日コンサルタント会社が積算した復旧費用の総額は「約26億円」と公表された。
復旧費用見積額は最初に報道された「約100億円を下回る額」を確かに減ってはいる。
しかし、最初の見積額「約100億円」と今回提示された「26億円」のギャップはあまりにも大きすぎる。
最初に報道された時点から工法の見直し、費用の精査等はあったとは思うが、一体最初の「100億円以下」という金額は一体何の意図で出された金額だったのだろう。
「100億円」という金額が一人歩きしている感もあったので、存続へのハードルが勝手に上がり、ミスリードを招きかねない所だった。
とはいえ、復旧費が下がる事はそのハードルが下がる訳で、喜ばしい点ではある。
実際、出席した株主からは「思ったより高くない」という声も出たという。
この他、記事の内容を見ると、「存続」を求める声はあっても「廃止容認」論は出なかった模様。
記事における株主の発言は次のとおり。
・高千穂町観光協会の株主は、9~12月の宿泊キャンセルが1万人に達したほか、観光神楽の観覧者が9、10月とも前年に比べ半減している窮状を挙げ、「高千穂・日之影温泉駅間のように、走れる部分から早く復旧してほしい」
・鉄道の使命は、通学や通院など交通弱者の足の確保。存続に向け、国や県に支援を働きかけてほしい。
・延岡まで全線が通じていて本来の役割を果たせる。全線復旧してほしい
・高千穂鉄道にはお金では買えない付加価値がある
これらの発言に対して高千穂鉄道側は「今日の意見を判断材料にしたい。いい方向で結論を出したい」としている。
株主総会開催前は「復旧には莫大な費用がかかり、それに見合う収益を挙げる事は無理。それ故に存続は不可能だから廃止」という形での展開も予想していた。
しかし、株主総会における株主の発言を見ると、自分が思っていたよりも真剣に高千穂鉄道の「価値」を考えている事が窺える。
特に「鉄道の使命は、通学や通院など交通弱者の足の確保」という意見については、全くその通りだと思う。
どうしても収支を優先すると、今回のような事例だと「廃止」という結論に行きがちだが、「その後」を考えると何とも心許ない。
それは鉄道廃止後の代替交通機関の使い勝手が費用や本数等で以前に比べて劣る事例の方が多いという点からも見てとれる。
その代替交通機関にしても利用されなければ更に減便が進み、最悪の場合は「公共交通空白地域」となってしまう。
話を本題に戻す。
今回の記事を読む限り、株主側は「廃止」ではなく「存続」を選択したと言える。
ただ、「存続」を選んだとはいえ、全線復旧費約26億円を高千穂鉄道が単独で負担する事は不可能。
その点を宮崎県や沿線自治体はどう考えるのか。
また、一番現実的な策と言える日之影温泉・高千穂間の部分復旧を高千穂鉄道が決断するとして、日之影温泉へのアクセスや復旧スケジュールをどのように進めるのか。
いずれにせよ、昨日の時点で高千穂鉄道の「廃止」ではなく、「存続」の可能性が出てきたとは言える。
勿論、まだ楽観視できる状況ではないし、詰める必要がある要素も多い。
今後どのようなプロセスを経てどんな結論が出るのか。
部外者としては動向を見守るしかない。
その対応を協議する臨時株主総会が11日に開催され、株主から「存続」を求める声が多く出された旨が12日の読売新聞に掲載されていた。
また、この場で先日コンサルタント会社が積算した復旧費用の総額は「約26億円」と公表された。
復旧費用見積額は最初に報道された「約100億円を下回る額」を確かに減ってはいる。
しかし、最初の見積額「約100億円」と今回提示された「26億円」のギャップはあまりにも大きすぎる。
最初に報道された時点から工法の見直し、費用の精査等はあったとは思うが、一体最初の「100億円以下」という金額は一体何の意図で出された金額だったのだろう。
「100億円」という金額が一人歩きしている感もあったので、存続へのハードルが勝手に上がり、ミスリードを招きかねない所だった。
とはいえ、復旧費が下がる事はそのハードルが下がる訳で、喜ばしい点ではある。
実際、出席した株主からは「思ったより高くない」という声も出たという。
この他、記事の内容を見ると、「存続」を求める声はあっても「廃止容認」論は出なかった模様。
記事における株主の発言は次のとおり。
・高千穂町観光協会の株主は、9~12月の宿泊キャンセルが1万人に達したほか、観光神楽の観覧者が9、10月とも前年に比べ半減している窮状を挙げ、「高千穂・日之影温泉駅間のように、走れる部分から早く復旧してほしい」
・鉄道の使命は、通学や通院など交通弱者の足の確保。存続に向け、国や県に支援を働きかけてほしい。
・延岡まで全線が通じていて本来の役割を果たせる。全線復旧してほしい
・高千穂鉄道にはお金では買えない付加価値がある
これらの発言に対して高千穂鉄道側は「今日の意見を判断材料にしたい。いい方向で結論を出したい」としている。
株主総会開催前は「復旧には莫大な費用がかかり、それに見合う収益を挙げる事は無理。それ故に存続は不可能だから廃止」という形での展開も予想していた。
しかし、株主総会における株主の発言を見ると、自分が思っていたよりも真剣に高千穂鉄道の「価値」を考えている事が窺える。
特に「鉄道の使命は、通学や通院など交通弱者の足の確保」という意見については、全くその通りだと思う。
どうしても収支を優先すると、今回のような事例だと「廃止」という結論に行きがちだが、「その後」を考えると何とも心許ない。
それは鉄道廃止後の代替交通機関の使い勝手が費用や本数等で以前に比べて劣る事例の方が多いという点からも見てとれる。
その代替交通機関にしても利用されなければ更に減便が進み、最悪の場合は「公共交通空白地域」となってしまう。
話を本題に戻す。
今回の記事を読む限り、株主側は「廃止」ではなく「存続」を選択したと言える。
ただ、「存続」を選んだとはいえ、全線復旧費約26億円を高千穂鉄道が単独で負担する事は不可能。
その点を宮崎県や沿線自治体はどう考えるのか。
また、一番現実的な策と言える日之影温泉・高千穂間の部分復旧を高千穂鉄道が決断するとして、日之影温泉へのアクセスや復旧スケジュールをどのように進めるのか。
いずれにせよ、昨日の時点で高千穂鉄道の「廃止」ではなく、「存続」の可能性が出てきたとは言える。
勿論、まだ楽観視できる状況ではないし、詰める必要がある要素も多い。
今後どのようなプロセスを経てどんな結論が出るのか。
部外者としては動向を見守るしかない。