Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

雨の中、三岐鉄道に乗る。

2005-12-05 07:34:30 | 鉄道(地方・専用線など)
昨日、寒く、しかも雨降りの中を三岐鉄道に乗ってきた。
その顛末を綴ってみようと思う。

三岐鉄道の旅は近鉄富田駅から始まる。
ここで名古屋から乗ってきた急行電車を降りて、元西武401系の101系に乗り換えた。
関西の電車と関東の電車の出会いというのもまた面白い。

雨が降っているため、走行写真は断念。
見慣れた車窓が後ろへ流れていくのをボーっと眺めている内に、車庫のある保々が見えてきた。
留置線の奥に元東武ED5080形が2両留置されているのが見える。
しかし、ナンバープレートは撤去されていたので番号はわからなかった。
搬入されてから結構時間が経つのに改造される気配はない。
部品取りに使用するのか、ED45形の置き換えに使うのか、一体どうするのだろうか。

保々駅ホームの傍らには東藤原へ向かう貨物列車が対向列車待ちで停車している。
この貨物列車が三岐鉄道の「主役」と言っても過言ではない。


貨物列車が重々しく発車するのを見送ってから、留置されている電車を撮る。

ここを走る電車は元西武車に統一されている。
名古屋から一時間ちょっとで来られる場所に元西武鉄道の電車が大きな顔をして走っている、その違和感が何とも楽しい。
見慣れぬ派手なラッピングを纏った、元西武701系である801系が眼前を走り去っていく。
ラッピング車の方が野暮ったく見える。

保々から今度は東藤原へ向かおうと再び車中の人になる。
やってきたのは元西武571系の600系。
三岐鉄道唯一の釣り掛け車だ。
通常は予備車となっている。
このため、営業に入る機会は少ない(特に夏期)と聞いていたので雨の中とは言え、乗車する機会が得られた事は素直に嬉しい。

それに応えるかのように、名古屋圏では数少なくなった釣り掛けモーターの音を存分に堪能させてくれた。
雨は次第に激しさを増してきた。
そんな中、東藤原で下車。
ここから太平洋セメント藤原工場への専用線が分岐している。

ここで入れ換えに従事しているのがデキ200形。
車両隅の標記を見ると「ED20」となっているが、果たしてどちらが正式な形式なのだろうか。


塗装からもお判りのように、秩父鉄道から2000年に転入してきた。
以来、ここでの入換専用機として活躍している。

雨が降っているので、屋根の外に出る気力は著しく減退している。
更に寒さが加わり、カメラを持つ手がかじかむ。
家を出てくる時に覚悟はしていたとは言え、悪条件が重なる。

さて、次をどうしようか・・・と考えている時に西藤原から600系が折り返してきた。

客扱いはするが、誰も乗らなかった。
そして、釣り掛けモーターの音も高らかに近鉄富田へ走り去っていった。
電車と入れ代わりに伊勢治田からED45形の重連が到着した。


貨物列車が撮れて機関車の重連回送まで見られる。
鉄道ファン的には何とも堪らない路線だと思う。
先頭に立つED45 7は車体が西武所沢工場、電気機器が東洋電機という、珍しい組み合わせで1973年に登場した。
車体裾の製造銘板を見る。

両社の名前は銘板にしっかり残されていた。

雨は相変わらず降っている。
しかし、時計を見ると14時を少し回ったあたり。帰るにはまだ早い。
さて、次をどうしようか。
西藤原の「ウィステリア鉄道」へ行くか、丹生川の「貨物鉄道博物館」へ行くか思案するも、前者は雨天営業中止なので否応なく後者を選ぶ事になった。
いやいや、これは幸運かも知れない。
「貨物鉄道博物館」には以前から行きたいと思っていたが、「第一日曜日だけ」という営業日がネックとなり日程が合わなかった。

この千載一遇の機会、逃す手はないと近鉄富田行に乗って東藤原を後にした。

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