Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

北海道ちほく高原鉄道、廃止決定。そして・・・。

2005-04-19 06:37:05 | 鉄道(地方・専用線など)
先日、北海道ちほく高原鉄道の廃止が取締役会で決まった旨の記事を書いた。
これを受けて4月17日に開催された臨時株主総会で路線廃止が正式に決定された。
同社は今回の決定を受けて国土交通省へ事業廃止を届け出、2006年4月をもって路線を廃止することになった。

「ふるさと銀河線存廃問題:06年4月廃止を正式決定」

臨時株主総会では存続を求める株主が約4時間にわたって会社経営者の公募、廃止までの残された時間を経営改善に割くよう求め、経営陣を突き上げたが、経営改善の具体案はないものとして「廃止賛成」が議決必要数の2/3を大きく上回ったという。
行政が主導権を握っている第3セクター鉄道だけに、議論を逆転させるのは極めて困難な話だと思っていたので別に驚くような話でもない。
そして、社長曰く「辞任の前に、しっかりとした会社の清算を行う。最重要課題は廃止後、住民の足を守ること」とのこと。
第3セクターの常として経営責任が有耶無耶になる事例が多いが、ここはどう対処していくのだろう。
そして、「住民の足」をどう確保していくか注目したい。

しかし、もっと驚いたのはこの記事
北海道ちほく高原鉄道が廃止された後、線路敷を高速道に転用する構想があるという。
北見市で開催された自民党の政治資金パーティーで明らかになった話だが、具体的には国が建設する無料の新直轄道路を建設する構想とのこと。
北見・訓子府間は来年にも着工し、訓子府から置戸まで自動車専用道路を建設。訓子府から陸別までは更に別ルートのバイパスで道路を造って、十勝との距離を縮めていくという。

これを見て唖然とし、あきれ果ててしまった。
鉄道路線すら維持できない過疎地に自動車専用道路を造る・・・。
需要が見込めない、採算が合わない道路を作ろうとしている訳で、納税者としては到底納得できる話ではない。
結局、税金を投入して無駄な公共事業を行って自民党の支持を獲得しようという陳腐さすら感じる、露骨な利権誘導がここでも繰り返されようとしている。
他にも税金の使い道はあるのに、一体何を考えているのだろうか。
年寄り達は使いもしない道路を後の世代に残すというのか。
そんな遺産はいらないよ、と言いたい。

また、この記事では鉄道関係の話も出ていた。
女満別空港近くを走るJR石北線に空港新駅を建設。
さらに、JR北海道が開発中のデュアル・モード・ビークルの試験を北見・網走間で行うとのこと。
まぁ政治絡みの話は眉唾モノが多いのだが、今回出た話はどう動いていくのだろうか。

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3 コメント

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感情論と感情論 (planning)
2005-04-19 09:52:11
確かに「廃線跡に高速道整備を」とだけ聞くとムチとアメ?のような釈然としない想いが強く残ります。

ただ、冬季環境が非常に厳しい沿線に2ケタ国道はなく、またふるさと銀河線関係者協議会では一昨年度の段階でバス転換の場合には北海道横断道網走線の整備確約をとの要望も出されており、ニーズを汲んだとも云えなくはないのかなと。結果論的に云えば銀河線特急構想の成れの果て、かつ社会的便益だけで見れば地元に利のある話ではありまして…国民負担増加の説明責任は果たし得ませんが。

しかしながら、地元の感情論に応えるのが選出国会議員の役目、的な土地柄でもあるわけで。フクザツな想いです。
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Unknown (けいすけ)
2005-05-04 16:38:31
TBありがとうございました。この高速道路こそ、是非廃案にしてほしいと思います。
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「鉄道なくせば道路」というのは行き過ぎ (みのる)
2005-05-16 18:14:40
  鉄道があるから街が発展する、道路をつくるのに鉄道が復活できる用地がなければ困ります。

 ちほく高原鉄道では廃止としておりますが、現在、鉄道で「とかち号」を新千歳空港と足寄間で運行するなどして、足寄から阿寒湖間のバス運行をすればよろしいのです。

 道路をつくるにしても本州-北海道間の路線ができなければ価値はそれほどないと思います。

 なぜなら、レンタカーの台数は限られており、フェリーでも乗せられる台数は限られております。多くの車は東京、名古屋、大阪の大都市圏にありますので整備する順番は間違っているのではないでしょうか。

  
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