「ぼくら党」のブログ

我が旗を掲げながら進む-少数精鋭「ぼくら党」の公式ブログ 社会について考えてます。コメントいただければ幸いです。

拉致問題について(2)-拉致問題に感じる違和感

2006-07-06 07:08:28 | 北朝鮮・韓国・アジア
■拉致問題について、私が違和感を持つのは「救う会」が「経済制裁」を主張していることである。感情的に強硬姿勢を望むのは分からないでもないが、家族に危険が及ぶかもしれない「経済制裁」を政府に求めるのはなぜなのだろうか。

■経済制裁を望のなら、拉致された人々の命は諦めなければならない。この事を踏まえて「拉致被害者の会」の方々は発言しているのだろうか。私には本当に「私たちの家族は死んでもいいから」と考えているとは思えない。

■ブッシュ大統領に拉致被害者の解決を訴えているように、「生きて帰ってくる」が前提であり、死んでもいいとは誰も思っていないだろう。拉致事件の解決とは被害者の生還なのであって、報復感情を満足することが解決ではない。

■横田夫妻や救う会は「場合によっては生きて帰らなくてもいい」という悲痛な決意から、自らの感情を押し殺してあえて強硬手段たる「経済制裁」を望んでいるのだろうか。それとも相矛盾することを、言わなければならないほど、北朝鮮の理不尽さに対する怒りからの主張なのだろうか。

■これを見ていると「果たして横田夫妻や救う会に、この様な役割を担わせていいのか」。と思う。これは政府の怠慢だ。政府が拉致問題を解決するように、あらゆるルートを使って解決する行動と姿勢を見せていればこのような役割を拉致被害者が演じる必要も無い。政府との信頼関係が無いから、こういう状態になっているのではないか。

■もう一つの違和感は、人権を軽視しているような国会議員がこの問題に熱心なことである。拉致問題に熱心な議員には、人権や人命よりも「国家の体面」を最優先するような議員も、ちらほらと見える。一部の議員などは明らかに、大衆迎合的に、拉致問題の強硬な解決を叫んでいるように見える。彼らは本当に拉致被害者の人命を最優先に考えているのだろうか。

もし強硬な手段が解決方法であったとしても、人命に関わることを軽々しく口にするのはおかしい。とても人命を最重要として考えているようには見えない。

■彼らのように強硬な姿勢を声高に叫ぶことは、関係のない国民には心地よく響くだろう。しかし、これは「国家の体面」を最優先に考えるものであり、「人命」の最優先ではない。彼らのような政治家の怒りは、国家の体面を傷つけられた事に対するものなのであって、人権侵害や人命軽視に対するものではない。

■「個人の権利など国家の前では制限されて当然」と主張する者が、人命や人権を考えているわけがない。彼らは自らの思想・信条の実現の為に拉致被害者を利用している。拉致被害者救出を叫びながら自らの宣伝をしているようにしか見えない。これは拉致被害者の政治利用ではないのか。

■北朝鮮の理不尽な行動の前に隠れて見えづらいが、「対米迎合の推進」や「自らの毅然たる態度の演出」に政府や一部政治家が拉致被害者を利用している。このように国民と政府・政治家の拉致問題に取り組む動機が違うことに注意しなければ、我々も利用されることになりかねない。

「拉致問題解決のため」と思っていたら、いつの間にやら別の方向に導かれてしまう恐れがある。実は北朝鮮よりもこちらの方がより現実的な脅威なのかもしれない。



--------------------------------------------------------------------------
            ★この記事に同意できる方は、クリックお願いします。★ 
              ブログランキング・にほんブログ村へ