現段階で原子力発電の発電コストは、高レベル放射性廃棄物の最終処分経費を算入すると、大幅に上昇してしまうが、安倍政権はこれの公表をしていない。
もともとの処分地も決まらずに、原発の増設を繰り返してきた「電力会社の経営」は、廃棄物の処理の行き先もない「無責任な先送り」を続けてきた。
タテマエ上は、放射性廃棄物の処分費用は、別途、適正な経費の見積もりで積み立てていると、国民には説明をしてきた。
しかし、その積み立てている金額が不足することは、もはや明らかになっている。
何しろ、処分法も決めることができず、先送りのために「核燃料サイクル路線」を採用してきたが、【高速増殖炉もんじゅの失敗】によって、破綻している。
電力業界の「原子力発電関連の経費の見積もり」は、はじめは少なめにしておいて、取り掛かってから、想定外として次々に追加の設備や施策を重ねている。
「高速増殖炉関連」はすでに1兆円を超えて、もし再稼動をして研究継続すると、今後の19年間で5400億円の追加費用が必要だとしている。
これを国民が承認するはずはなく、あとは廃炉費用と追加するだけにすべきだ。
「使用済核燃料の再処理工場」は、まだ稼動もしていないが、当初の予算を大幅に超えた経費を投入している。
これらの経費は、電力会社が負担することになっていて。電気料金で消費者から徴収してきたが、処理費用の膨張は見通しもつかない。
東京電力の福島原発の大事故による賠償金額は、9兆円を超えて増え続けている。
燃料棒はメルトダウンしているので、この処理方法は「これから30年以上かけて、試行錯誤をしながら、安全なレベルに処理するが、方法は全く見えない。
つまり、現在では3兆円と公表している金額で止収まる可能性は全く無い。
これらの費用を電力消費者に負担させようと、安倍政権は、なし崩し的に進めている。
しかし、東京電力の経営責任を問う上でも。この賠償金と廃炉費用は、東京電力の今後の収益から賄うのが経済原則である。
当面は、東京電力の経営再建努力と不必要な資産の国への売却によって、しのぐしかないだろう。
このように「原子力発電」は、【安全性のりスク】、【安価な電源の嘘構】、【供給の不安定】によって、電力企業としてのメリットは崩壊しているのだ。
それでも、倒産させてしまう場合のデメリットは、膨大に残された「使用済み核燃料」の後始末が、【どこも引き受けてないない事態】になる。
また、東京電力の負の遺産として「福島原発の廃炉費用と長期の管理」は、宙に浮いてしまう。
原子力発電の国策を進めてきた「国の原子力推進派」は、これらの答えを国民に示して、税金投入の理解を得なければ、安倍政権としては無責任である。(続)