
氷点下の刺すような寒さの中、頂上に着けば淹れたての熱いコーヒーが飲める!という希望だけを胸に。
12月からは入山禁止となる場所。
至る所につららが下がり、凍っている道を足を滑らせながら、ただひたすら進む。
休憩もとらず、ただひたすら上を目指す。
ペットボトルの水はすぐ取れるところにある、けれども進むにつれ取る動作すら億劫になってくる。
ふと目に付いたつららを折ってそれを口に含み、それを噛み砕きながら水分補給をする。
初めて行く場所なので、どのくらいのペースで行けばいいのかもわからない。
数時間後。
“あと100m”の表示、けれどもその先がまた長く感じる……
そして。
辿り着いたその場所がてっぺんだと教えてもらい、ハッと我に返る。
お昼時間もほとんどないのは分かっている、けれども熱いコーヒーは飲みたい!と、すぐにバーナーやクッカーの用意をする。
地面の落ち葉を払い、そしてその冷たさに地面が凍っているのが分かる。
バーナー着火。
コーヒーのドリップバックを開く。

お湯を沸かしている間、おにぎりをかき込む。
まもなく、お湯が沸騰しているのに気付き、急いでコーヒーを淹れる。
……芳醇なコーヒーの香りが、辺りに漂う。
その香りだけで、これまで歩いて来た疲れが吹っ飛ぶ。

ふう……。
自然の中、しかも冬山で飲むコーヒー。
これはもう、一度体験したら病み付きになるおいしさ。
凍えるような空気も、その時だけは一瞬忘れられる。
まさしく、天国。
……でも、雪に囲まれた夜の、真っ暗で真っ白い世界の中で飲むコーヒーはもっと最高だけど。
真っ白い息が、その寒さを物語っている。
カップの中のコーヒーを一滴も残さず飲み干し、すぐに片付け開始。
バーナーもクッカーもその寒さにすぐに冷める。
午後に入ってその寒さはますます増し、さらに1枚、ジャケットを羽織る。
それでも寒くて凍える。
けれども、今飲んだばかりのコーヒーのお陰で、お腹の中はぽかぽかで幸せ。
よし、とリュックを担ぐ。
忘れ物やゴミが無いか、一度見回す。
そしてまた、一気に下山をしていく。
そんな、コーヒーのある1日。
《Fin》
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今回お世話になったモノたちは以下の通り。
(↑実際に私が使っているのは10年以上前に買ったものなので多少デザインとかは変わってます)
(↑チタンなので軽くて良い!そして中にバーナーセットが一式入るのも良い)
(↑取っ手がカラビナ形状となっているので、リュックやバッグに引っ掛けられ、すぐに使えるので便利)

カフェ プエンテ | 「ミカフェート オンラインストア」(コーヒーハンター川島良彰とミカフェートがお届けするこだわりのコーヒー)
↑今回持って行ったコーヒーのドリップバックはミカフェートさんのもの。
1袋約200円!
でもさすがに(*´Д`*)ウマー.:゜+☆
本当はエアロプレス&ミル&コーヒー豆を持って行って、その場で挽いて淹れたかったけど、そんな時間はとても無いのは分かっていたので今回は残念ながらドリップバックで。
エアロプレスは元々、アウトドアメーカーが作っただけあって、外で淹れるのに適しているのでやりたかったけど。
また今度、ということで。
自然の中で飲むコーヒーは、本当に最高!です。