銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

井川湯

2017-04-15 11:30:29 | 銭湯
京急子安駅を降りると、目の前の第一京浜を横切り、そのまま海側にある住宅密集地の中へ。その狭い住宅路地を歩いていると、忽然と井川湯が現れる。
その日は平日の夜に訪れたのだが、周辺は街灯があるもののかなり暗い場所で、こんな所に銭湯があるのだろうかと不安になるぐらい人気のない場所だった。それと至る所に井戸があったのも驚きだった。
横浜は開港当時は近くに真水がでないのでわざわざ相模原から水道水を引いたという話を聞いたことがあったが、ここらへんは塩分が混じらないのだろうか?
井川湯は、このような住宅密集地の中にあるので、当然というべきか小さな作りになっている。入り口を前に立つと、独特な雰囲気。のれんをくぐると下足箱があるのだが、その下足箱もとにかく狭く、人が一人入ったらすれ違えないような狭さだ。当然、中も小さい。
ドアを開けると左側に番台があり、その周りは脱衣場と休憩所を兼ねているが、ロッカーが部屋の片隅にしかない。しかもその半分はカゴが置かれているので、実質使えるのはその半分。
脱衣場は狭い中にも色んなものが置いてあるので、雑然とした印象。自分が訪れたときは椅子に座ってる人が1人。浴室に1人。それと自分の計3人。女湯の方からは音が一切聞こえてこない。
浴室の作りは、左右の壁にカランが並び、その奥には浴槽がある。浴槽は、2つに分かれており、一つが白湯のみ。もう一つがバイブラ。仕切りの下側で互いのお湯が通じている。浴槽も当然小さく、頭を縁に預けて足を伸ばすと、奥の縁まで足が届いてしまう。
温度計は45℃を指し示していたが、そんなに熱いだろうか。肌感覚だと43℃前後に感じた。
壁画は、富士山の絵が描かれているのだが、男女あわせて一つの絵になっているので、富士山自体は女湯に描かれている(普通は逆なので珍しい)。男女の仕切りである壁のタイル絵は、三枚。一つは二宮金次郎の絵。もう二つは自分の乏しい知識からは分からなかった。
それと残念なのは、浴槽が汚いこと。タイルの目地がすっかり黒ずんでおり、こんなに黒ずんだ(掃除してないかどうかは別として)浴槽ははじめてだ。
浴槽の底は一部改修したらしくモザイク状に貼られていたが、それがかえってみすぼらしさを醸し出していた。
途中で先客があがり、気が付くと男湯は自分一人のみ。ほとんどの入浴時間が実質貸し切り状態だった。
貸し切り状態ということと、孤独感を高める静寂さ。井戸のある漁師町。井川湯は、不思議な時間が流れる空間だった。

【評価チェック箇所】
・値段 470円 
・アクセス(道程) 子安駅から近い。迷わなければ5分と掛からない
・周辺の環境 住宅密集地。現役の井戸は必見
・混雑ぶり 超ガラガラ
・清潔さ 清掃はしてる感じはするし、床のタイルは綺麗なのだが、肝心の浴槽が汚い
・接客 感じのよい対応
・客層 中高年
・脱衣所 ロッカーの少なさに驚く
・休憩所 昭和的な雰囲気
・キャパシティ 間に合ってる
・シャワーの出 あまりよくない
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ なし
・温度 適温
・眺望 壁画、タイル絵ともに古典的

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