旧暦八月の十五日夜の月、つまり中秋の名月は、新暦では九月中のこともあれば、十月初旬になることもある。
ことしはきょう九月三十日が十五夜だ。
『独り幽篁(ゆうこう)の裏に座し/琴を弾じて長嘯(ちょうしょう)す/深林人知らず/明月来たりて相照らす』(王維)。
夏目漱石は『草枕』の中で、この五言絶句を絶賛している。幽篁とは奥深い竹やぶのこと。
当地では、もう街灯やビルの灯りに消されて、月の影をふむことがめったになくなった。
それでも十五夜が近づけば、一輪の月を求めて空を仰ぐ。
さいわい風が大気の汚れを吹きはらってくれたときは、月の光がさえ、こよい月色、白し、の趣に近づくことがある・・・
今日聴いたジャズ・・・
NILSON MATTA&RONI BENーHUR victor lewis&cafe・・・「MOJAVE」
TRIO DA PAZの参加をはじめ、ジャズ界における最重要ブラジル人、ベーシスト、ニウソン・マッタの2011年の作品。
本作は気鋭ギタリスト、ロニ・ベンハーとの双頭リーダー作。
タイトルにもなっている、A・C・ジョビン、ピシンギーニャ、バーデン・パウエル、バートバラックなどの曲に加えオリジナルも
披露している。
1・MOJAVE・・2・LAVENTOS・・3・CARINHOSO・・4・SAMBA DO VELOSO・・5・COPACABANA・・6・ROSA・・7・BADEN・・
8・CANAL STREET・・9・P・D・ON GREAT JONES STREET・・10・THE LOOK OF LOVE・・11・ERETZ・・
12・THREE EXPRESS・・・
1、ジョビン・・2、3、6、ピシンギーニャ・・4、バーデン・パウエル・・10・バート・バラック
ブラジル音楽にビバップの要素を融合させたスピード感溢れる演奏が楽しめる。カフェの緻密なパーカッション・ワークも
聴きどころ。ニウソン・マッタのリーダー作は他に聴いていないけど、ロニ・ベンハーのリーダー作はコンプリートしている。
彼の暖かく太い音色、バッチリ・スイング感はバリー・ハリスに見いだされただけあって、魅力的な作品が多い。
RONI BENーHUR(g)
NILSON MATTA(b)
VICTOR LEWIS(ds)
CAFE(perc)
2010年11月1&2日、録音・・・