つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

ルピナス

2013-05-31 15:14:36 | ジャズ


  ルピナスとは、ラテン語でオオカミという意味。ヨーロッパでは荒野によく咲く花なので、荒野で生きるオオカミと関連づけて命名した。

  荒々しい名前とは裏腹に、マメ科特有の蝶形花がたっぷりついた大きな花穂は、なんとも優美。

  欧米では女性がとくに好む洗練された花。和名の、はうちわまめは、天狗の羽うちわに似た葉の形からつけられた・・・


  マメ科

  英名:LUPINE
  和名:のぼりふじ はうちわまめ

  花言葉:空想


  今日聴いたジャズ・・・


  BILLY CHILDS TRIO・・・「BEDTIME STORY」



  本作は、1967年3月8日 アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれ、作曲家、アレンジャー、ピアニストであるビリー・チャイルズ
  のリーダー・アルバム。2000年リリース作品。ハービー・ハンコック・トリビュートアルバム。

  彼の演奏は、ハービー・ハンコック、キース・エマーソン、チック・コリアに影響を受けている。
  ジャズとクラシカルのジャンルでピアニストとして作曲家として彼自身の声を開発していき、色々な音楽家の影響を受けながらも、
  常に自分の観念を持っていたという。

  サポートする2人は、ジョージ・ムラーツ(b)、ビリー・ハート(ds)。どんな状況にも瞬時に対応できる優れた技術の持ち主であり、
  ここでも、それぞれの個性を発揮しながら見事にチャイルズの魅力を引き出す役割を果たしている。


  全10曲中、ハービー・ハンコックの曲は、6曲(2、4、5、6、8、10)でほかは、ビル・ウィザーズの名曲1、スティングの
  幻想的なナンバー3、ウェイン・ショーターの「ナイト・ドリーマー」に収められたナンバー7、デューク・エリントンの9など、
  選曲も魅力的な一枚。

  「スピーク・ライク・ア・チャイルド」はハンコックが68年録音した名盤のタイトル曲。「トイズ」も同アルバムに収録されている
  曲で、チャイルズはオリジナル・ヴァージョンを保ちながらも独自の世界を作り上げている。

  「テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー」と「ジェシカ」は1969年にハンコックがレコーディングしたアルバム、
  『ファット・アルバート・ロトゥンダ』に収められた曲で、前者は、ボサ風エイト・ビート・ナンバー。後者は瑞々しさにあふれた
  美しいバラード。ここでも、チャイルズの表情豊かなタッチとアレンジが素晴らしい。

  「ドルフィン・ダンス」と「処女航海」は、ハンコックの代表作、前者は、”処女航海”に収録された曲。
  チャイルズは原曲を保ちながらも、力強く、幻想的で緊張感のあるインプロヴィゼイションを聴かせてくれる。


1・AIN’T NO SUNSHINE(消えゆく太陽)・・・2・SPEAK LIKE CHILD・・・3・FRAGILE・・・4・TOYS・・・5・TELL ME A
  BEDTIME STORY・・・6・JESSICA・・・7・ORIENTAL FOLK SONG・・・8・DOLPHIN DANCE・・・9・SOPHISTICATED LADY・・・
10・処女航海・・・



    BILLY CHILDS(p)
    GEORGE MRAZ(b)
    BILLY HART(ds)

   ・・・

アマリリス

2013-05-30 16:07:01 | ジャズ


  花径10~20センチメートルのみごとな6弁花は、筒状でユリのようだけど、ユリ科ではなくヒガンバナ科に分類されている。

  花の色は白、ピンク、赤などで、単色のほかに縞模様や縁取り模様のあるものなど多彩。いずれも典雅な雰囲気を漂わせる。

  花は一茎に4輪ずつついて横を向いて咲くのが特徴。このため、何茎も並ぶと花どうしが話しているように見え、「おしゃべり」という

  花言葉の由来となった・・・


  ヒガンバナ科

  英名:KNIGHT STAR LILY

  花言葉:おしゃべり


  今日聴いたジャズ・・・

  「ZOOT SIMS AND THE GERSHWIN BROTHERS」



   本作は、ジャズ・サックス奏者、ズート・シムズのリーダー・アルバム。ガーシュウィン作品集。

   ズート・シムズは、一緒に演奏するメンバーを引っ張るというよりは、彼らの良さに絡んでいく演奏を得意とするミュージシャン
   なので、本盤はそうしたズート・シムズの良さが存分に発揮されている。

   演奏自体をコントロールしているのは、オスカーピーターソンであるようにすら感じる。
   ガーシュウィン兄弟の楽曲とズート・シムズの演奏は実に相性がいい。

   ズート・シムズのテナーをじっくり聴くのには、うってつけの一枚かも知れない。

   特筆すべきは、ジョージ・ムラーツのベースが絶品なのと、ジョー・パスのギターがとてもいいアクセントになっていることだと思う。


1・THE MAN I LOVE・・・2・HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON・・・3・LADY BE GOOD・・・4・I’VE GOT A CRUSH ON
  YOU・・・5・I GOT RHYTHM・・・6・EMBTACEABLE YOU・・・7・’S WONDERFUL・・・8・SOMEONE TO WATCH OVER ME・・・
9・ISN’T IT A PITY・・・10・SUMMERTIME・・・11・THEY CAN’T TAKE THAT AWAY FROM ME・・・



   ZOOT SIMS(ts)
   OSCAR PETERSON(p)
   JOE PASS(g)
   GEORGE MRAZ(b)
   GRADY TATE(ds)


   1975年6月6日 NYにて録音・・・

おおでまり(大手鞠)

2013-05-29 15:21:46 | ジャズ


 高さ3~4メートルの花木で、白い小花が集まったあじさいのような花序(かじょ)をつける。白い雪玉のような姿を表現した英名

 スノーボールは、この花にぴったりの名前。花色も単なる白色とは違い、最初は黄緑色で、それが白緑色、白色と微妙に変化する

 おもしさがある。似た花にこでまりがあるけど、分類はバラ科。おおでまりにくらべて花序が小さく、おしべが目立つ・・・


  スイカズラ科

  英名:SNOW BALL
  別名:てまりばな

  花言葉:約束を守って


  今日聴いたジャズ・・・

  クラウス・ヴァイス・トリオ・・・「GREENSLEEVES」


  本作は、ベテラン・ドラマー、クラウス・ヴァイスのリーダー・アルバム。(澤野工房盤)

  澤野盤では、ティティアン・ヨーストのリーダー作でお馴染みだったけど、2008年12月に亡くなったので「WE WILL MEET  AGAIN」
  では、ドラムスが代わり、クラウス・ヴァイスのドラムスはもう聴けない。

  本盤は、彼が息の合った仲間と澤野盤に残した貴重なリーダー作。
  最初、聴いた時 ”なんとタイトな演奏だろう!”と思ったのを覚えている。全10曲、収録時間は36分ほどと短めながら、
  三人の巧さが凝縮されていて、最初から最後まで、リラックスした中にも、緊張感のある演奏が続く。

  クラウス・ヴァイスに関して言えば「WADE IN THE WATER」「DONA DONA」で聴けるドラムソロは格別に素晴らしい。


 ※ リーダーのクラウス・ヴァイスは1960年代からヨーロッパ・ジャズシーンで活躍する堅実派ドラマー。渡欧時のバド・パウエル
   やジョニー・グリフィン等のジャズ・ジャイアンツと若くして共演し、70年以降、精力的にリーダー作を発表している。

   殊にロマン・シュヴァラー(ts)を含むコンボ作品は素晴らしい出来。本作はヴァイスがドイツNO・1ドラマーに選出され、
   結成した自己のトリオで吹き込んだ初リーダー作。ピアニストのロブ・フランケンはキーボード奏者として知られ、アコースティック
   ピアノに専念しているアルバムは稀少で、そのスタイルはエヴァンスの語法を消化したものと言える。

   ベースのロブ・ランジェライスは堅実なベースワースで参加作も多く、ダスコ・ゴイコヴィッチの ”TEN TO TWO BLUES
  (AFTER HOURS)”で聴かれる野太い音色が印象深い。澤野工房のこれまでのラインナップと若干趣を異にするピアノ・トリオ盤だが、
  その選曲のポピュラリティーによりコアなジャズファンのみならず広く音楽ファンに愛聴されるだろう。(ライナーノーツより)


   ラストに『BLACK IS THE COLOR OF MY TRUE LOVER’S HAIR』を収録したのは、ジョニー・グリフィンと共演歴のある、
   クラウス・ヴァイスらしい選曲だと思う。この曲は、グリフィンのリーダー作『ケリー・ダンサーズ』の中の一曲でもある。
   この曲が入っているアルバムには、なかなか出会わない。


1・GREESLEEVES・・・2・朝日のあたる家・・・3・THE CHANT・・・4・SUBO・・・5・WADE IN THE WATER・・・6・DONA DONA・・
7・LOCH LOMOND・・・8・DEEP RIVER・・・9・枯葉・・・10・BLACK IS THE COLOR OF MY TRUE LOVER’S HAIR・・・



   ROB FRANKEN(p)
   ROB LANGERREIS(b)
   KLAUS WEISS(ds)


    1966年9月21日録音・・・

ゼラニウム

2013-05-28 15:46:30 | ジャズ


  ヨーロッパの窓辺でよく見かける色鮮やかな花。最近は日本のベランダでもすっかりおなじみになった。

  この花を窓辺で咲かせるのは、葉に独特の香りがあるからで、虫が室内に入るのを防ぐのが目的。

  花色は朱色、ピンク、白、サーモンピンクなど。

  つり鉢仕立てにして四方に葉を伸ばすアイビーゼラニム、ばらやミント、レモンに似た香りのセンテッドゼラニウムなどもある・・



  今日聴いたジャズ・・・

    「FRED HERSCH AT MAYBECK」
   (maybeck recital hall series volume thirty-one)



  本作は、ジャズ・ピアニスト、フレッド・ハーシュのリーダー・アルバム。(ソロ)

  全11曲中、ハーシュのオリナジル2曲(6、8)他は、スタンダードの名曲で綴られている。
  
  ひたむきにピアノに向かい合い、静かにピアノと対話する・・・そんなハーシュの姿が目に浮かぶようなライブ盤。

  中には、セロニアス・モンクやオーネット・コールマンの曲もあって、ちょっと意外な選曲だと思った。

  スタンダードも月並みな曲に終わらず、ハーシュならではの解釈で聴く者の心を魅了する。

  この頃は、病気が発症する前だと思う、ジャケットからしても元気な姿のハーシュを見れてうれしい。

  一時は、生死をさまよい奇跡的に復帰した彼の先月のコンサートに行けなかったのが、悔やまれてならない。


1・EMBRACEABLE YOU・・・2・HAUNTED HEART・・・3・IN WALKED BUD・・・4・YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS・・・
5・IF I LOVED YOU・・・6・HEARTSONG・・・7・EVERYTHING I LOVE・・・8・SARABANDE・・・9・THE SONG IS YOU・・・
10・RAMBLIN’・・・11・BODY AND SOUL・・・



   1993年10月24日 MAYBECK RECITAL HALLにて録音・・・

暗きいのち

2013-05-27 14:56:40 | ジャズ


  民家の庭先にヤマボウシの花が咲いている。地味な花だけど、どことなく粋で、清涼感がある。

  ヤマボウシの花が好きだという人は、存外、多いのではないだろうか。

  路を歩いていると、思わぬところに紫蘭の花が咲きはじめている。べにむらさきの、品格のある花だ。

  「若葉輝く五月の午後はどことなく墜ちゆきて暗きいのちと思ふ」(前川佐美雄)。

  近所の雑木林の片隅に毎年、鈴蘭が咲く。

  ほんのわずかな木漏れ日の中でりんりんと香りの鈴をならす花を見るたびに、この「暗きいのち」の歌を思い出す・・・



   今日聴いたジャズ・・・


   JOE HENDERSON・・・「DOUBLE RAINBOW」



   本作は、1937年4月24日、オハイオ州リマ生まれのジャズ・テナーサックス奏者、ジョー・ヘンダーソンのリーダー・アルバム。
   アントニオ・カルロス・ジョビン、トリビュート集。

   ヘンダーソンのテナーは、高らかに、熱いブローを聴かせるタイプではなく、ボソボソッと吹く人なので、好きな人もいれば、苦手な
   人もいるかも知れない。個人的には、好きなミュージシャンで愛聴盤も多い。長年のキャリアを積んで、リーダー作も多い中、このよう

   にジョビン集を残していて、しかも多彩なミュージシャンとの共演盤なので、貴重な一枚と言える。

   前半の5曲、後半の7曲では、共演者が違っているところも聴きどころ。プロデュースはオスカー・カストロネヴィスとリチャード・
   セイデル。オスカーは前半にギターで参加している。


1・FERICIDATE・・・2・DREAMER・・・3・BOTO・・・4・LIGIA・・・5・ONCE I LOVED・・・6・TRISTE・・・7・PHOTOGRAH・・・
8・白と黒の肖像・・・9・NO MORE BLUES・・・10・HAPPY MADNESS・・・11・PASSARIM・・・12・MODINHA・・・



   前半(1~5)のメンバー:

   JOE HENDERSON(ts)
   ELIANE ELIAS(p)
   OSCAR CASTRO NEVES(g)
   NICO ASSUMPCAO(b)
   PAULO BRAGA(ds)
   


   後半(6~12)のメンバー:

   JOE HENDERSON(ts)
   HERBIE HANCOCK(p)
   CHRISTIAN McBRIDE(b)
   JACK DeJOHNETTE(ds)


  1~5 1994年11月5、6日録音  6~12 1994年9月19、20日録音・・・