永遠の〇.から
1月12日の日曜日、映画「永遠の〇」(主演V6 の岡田潤一)を観に行った。「永遠の〇」(百田尚樹著)は真友、妹尾和弘新見高校副校長が「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹)と共に早くから絶賛していた小説だ。昨年の3月に読んでいた。だからどんな映画になるかと楽しみにしていた。
佐伯健太郎、慶子の姉弟は、祖母松乃が亡くなったあと、祖父大石賢一郎に呼ばれ初めて実の祖父のことを聞かされた。母清子がふと漏らした「死んだお父さんて、どんな人だったのかしら?」という一言から、特攻隊で亡くなった実の祖父、宮部久蔵の足跡を求めて、祖父の戦友を尋ね歩くことから物語は始まる。
零戦、特攻隊を舞台にした戦争の物語。真珠湾攻撃もあればミッドウェィ海戦、カダルカナル攻防戦、レイテ沖海戦と、次第に追い詰められていく様子が克明に語られていく。その物語の中で、百田尚樹は真珠湾攻撃で敵の空母を叩けなかったことが、あとの不安要素になるということを宮部久蔵に言わせている。また日本軍があと一押ししていたら、戦局は大きく変わっていたかもしれないという戦いがいくつかあったということも、ハルゼ―提督の回想録から紹介している。所詮、~たら、~ればの、話なのだが、読んでいて無念な気持ちになる。なぜあと一押しが出来なかったのか?・・・それは現代においても同じような問題があることを物語の中で語っている。
宮部久蔵は「妻子のためにも生きて帰らなければならない」と言いながら、最後は特攻隊に志願して死んでいった。生き残った人たちの人生もそれぞれにあった。埼玉の戦争で片手を失った元海軍少尉・長谷川梅男、岡山の老人ホームに住む元海軍中尉・谷川正夫、元一部上場企業社長の元海軍中将・武田貴則、引退したやくざで元海軍飛行兵曹・景浦介山、鹿児島の旅館経営者元海軍兵曹・大西保彦、そんな人たちがそれぞれの立場から宮部久蔵との関わりと、それぞれの人生を語っていく。そして物語は、後半ドラマチックに展開していく。この「永遠の〇」は、その時代を生きた人たちの究極の人間愛の物語だった。是非、みなさん、この映画を観てください。
2014年1月28日 笹原 真二
追伸Ⅰ 「男は犬死に出来るかどうかだ」と行徳哲男先生が言ったことがあった。その意味が分かるような気がする。特攻は「九死に一生を得る」こともできない「十死零生」の戦いを強いられた。
追伸Ⅱ 「永遠の〇」は私にとって、故山崎豊子さんの「大地の子」と繋がっていた。故司馬遼太郎さんの日清・日露戦争を描いた「坂の上の雲」は「海賊と呼ばれた男」と繋がっているかのような小説だった。これらの小説はすべてが反戦小説です。まだ読まれていない方は、是非読んでみてください。
1月12日の日曜日、映画「永遠の〇」(主演V6 の岡田潤一)を観に行った。「永遠の〇」(百田尚樹著)は真友、妹尾和弘新見高校副校長が「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹)と共に早くから絶賛していた小説だ。昨年の3月に読んでいた。だからどんな映画になるかと楽しみにしていた。
佐伯健太郎、慶子の姉弟は、祖母松乃が亡くなったあと、祖父大石賢一郎に呼ばれ初めて実の祖父のことを聞かされた。母清子がふと漏らした「死んだお父さんて、どんな人だったのかしら?」という一言から、特攻隊で亡くなった実の祖父、宮部久蔵の足跡を求めて、祖父の戦友を尋ね歩くことから物語は始まる。
零戦、特攻隊を舞台にした戦争の物語。真珠湾攻撃もあればミッドウェィ海戦、カダルカナル攻防戦、レイテ沖海戦と、次第に追い詰められていく様子が克明に語られていく。その物語の中で、百田尚樹は真珠湾攻撃で敵の空母を叩けなかったことが、あとの不安要素になるということを宮部久蔵に言わせている。また日本軍があと一押ししていたら、戦局は大きく変わっていたかもしれないという戦いがいくつかあったということも、ハルゼ―提督の回想録から紹介している。所詮、~たら、~ればの、話なのだが、読んでいて無念な気持ちになる。なぜあと一押しが出来なかったのか?・・・それは現代においても同じような問題があることを物語の中で語っている。
宮部久蔵は「妻子のためにも生きて帰らなければならない」と言いながら、最後は特攻隊に志願して死んでいった。生き残った人たちの人生もそれぞれにあった。埼玉の戦争で片手を失った元海軍少尉・長谷川梅男、岡山の老人ホームに住む元海軍中尉・谷川正夫、元一部上場企業社長の元海軍中将・武田貴則、引退したやくざで元海軍飛行兵曹・景浦介山、鹿児島の旅館経営者元海軍兵曹・大西保彦、そんな人たちがそれぞれの立場から宮部久蔵との関わりと、それぞれの人生を語っていく。そして物語は、後半ドラマチックに展開していく。この「永遠の〇」は、その時代を生きた人たちの究極の人間愛の物語だった。是非、みなさん、この映画を観てください。
2014年1月28日 笹原 真二
追伸Ⅰ 「男は犬死に出来るかどうかだ」と行徳哲男先生が言ったことがあった。その意味が分かるような気がする。特攻は「九死に一生を得る」こともできない「十死零生」の戦いを強いられた。
追伸Ⅱ 「永遠の〇」は私にとって、故山崎豊子さんの「大地の子」と繋がっていた。故司馬遼太郎さんの日清・日露戦争を描いた「坂の上の雲」は「海賊と呼ばれた男」と繋がっているかのような小説だった。これらの小説はすべてが反戦小説です。まだ読まれていない方は、是非読んでみてください。