毎年6月22日が夏至と思っていましたが、今年は何故か6月21日が夏至でした。
その21日、久しぶりの雨降りです。西部医療センターで、前立せんがんの再診日でした。いつもは自転車を転がして10分ですが、今日はバスに乗りました。城北橋から医療センターまで、乗ってみるとたった2区(帰りは3区)でした。9時少し前に家を出て9時5分ごろに着きました。機械で受付を済ませ、受付票を持って検体採取室へ、尿を採って提出、血液は79番の順番で30~40人ほど待って採ってもらいました。泌尿器科の受付を9時45分にすませ、後は待ち時間。持参した新書を読みながら11時半まで待ち診察室に入りました。名前を告げると「注射をします。そこに寝てください」。ベッドに横たわりお腹にズブリと皮下注射。イタッと思った時には7万円の注射が終わっていました。
「血液検査のPSA値は0.002(ng/ml)で、注射は良く効いています。しかい、前回のCT画像を検討した結果、やはり肺に前立腺がんが転移していると判断しました」。
「どうすればいいですか?」
「今の治療を続けるしかないですね」。「幸い注射の効果は上がっていますので、続けます」。
「効果がなくなることもありますか」。
「あります。その際は薬を変更しますが、その薬も効果がなくなることがあります」。
「そうなったらどうなるのでしょう」。
「お迎えが来るということです」。(いやにはっきり言う医者だと思った)。
PSAが0.002と言うことは抜群に薬の効果があるということだ。
しかし、効果があるということは、前立せんがんを根治するということではない。前立腺がんの働きを弱める。他の臓器への移転を防ぐということである。
生きている限り飲み続ける必要がある。薬が効かなくなることもありうるから、その時は薬を変更するが、それでも効果がなくなれば、その時、癌は他の臓器に転移しお迎えが来るというわけ。
実は、肺へ転移という診断には私自身は納得していない。水泳の練習では、1回練習に行けば1000mを泳いでいる。1000mも泳げるのに肺が悪いということは考えられないと思うのです。
それでも肺に転移があると言うなら、ものすごく小さながん細胞だということになる。それを見つけ出した医学の進歩は素晴らしいと思う。
そもそも私の前立腺がんは、痛くもかゆくもないのだから、相当初期の小さながんなのだろうと思う。それを簡単にみつけだす。血液検査で簡単に発見するのだから、医学の進歩は素晴らしい。しかし、病気を見つけ出すことと治すことは別で、見つけ出す手段は進歩したが、治療する手段はそれと同じように進歩したわけではない。
治療できないとなると、手を尽くして延命することしかできない。
もっとも、いかに医学が進歩しても、ひとを死なないようにすることは出来ない。だから、医学の出来ることは延命効果でしかないということになろう。
多分私の死ぬときは、前立せんがんが他の臓器に転移してお迎えが来ることになるのだろう。医者の言うとおりである。自分の死因になる病気がわかるということは、奇妙な気分です。
「次回は9月20日、注射をすることにしましょう」と言われて再診を終わった。レストランでランチを摂って、12時20分帰宅しました。