緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

看護師だってつらいのさ

2011-01-29 20:59:57 | 日々の「ケア」

 あるグリーフケアのワークショップに参加してきました。
 
 グリーフとは、griefのことで、日本語では「悲嘆」といいます。
 悲嘆とは、大切な人やものを失うことによる感情的な反応のことをいいます。
 
 悲嘆というと、文字通り、嘆き悲しむということをぱっとイメージできますが、悲嘆は、悲しいつらいといった感情的なものだけではありません。
 社会から引きこもったり、思い出のものを持ち歩いたり、決断がしにくくなる、無関心になったり、身体に変調が起きたりと、さまざまな反応が起こります。

 と、いう感じで、このワークショップでは、グリーフと、グリーフケアについてみっちりと学んできました。


 このワークショップの中で、自分たちの悲嘆を振り返る作業がありました。
 お互いの経験を(可能な範囲で)話し合ったり、その気持ちをアートにして表現するといった時間を持ちました。


 参加者の大半は看護師だったのですが、ワークショップで知り合った仲間として、その看護師さんたちの悲嘆をみんな食い入るようにして、時には涙を流しながら話を聴きました。



 ふと思ったのですが、看護師は大切な人を失ったとき、特に、病気で失ったとき、必ず、看護師という職業的な立場から物事を考えていることに気がつきました。
 
 それって、ごく当然のことかもしれませんが、あらためて語りを聴いていると、悲嘆の経験がとても痛々しいことがわかりました。
 
 
 看護師なんだから、しっかりしなくちゃ。
 看護師なのに、自分が不甲斐ない…。

 こんな気持ちを抱え、自分を責めます。

 そして、家族からは看護師だからいろんなことをよく知っているだろうと思われ、ちゃんと悲しみたい場面でも悲しむ時間が持てないくらい、患者の状態をあれこれ尋ねられたり、
 少し冷静になって先を予測して行動していると、「冷たい人」と見られたり。

 
 いくら看護師とはいえ、大切な人を失うかもしれない、失ってしまったという体験はつらいものに違いないのですが、周りの人も余裕がないので、うまくいかないことが多々あるものです。
 
 それから、自分のつらさは、職場では言えないと思っている人も多くいたような気がします。

 
 どんなにつらくても、目の前にいるつらく思っている人をケアすることが自分の役割ですから、いつものように振る舞って、微笑まなくてはなりません。


 自分の職場にも、心を痛めている「であろう」人がいることが、容易に思い浮かびます。
 ワークショップで学んだあと、そのことを考えると、今まで以上に胸が痛むようになりました。
 

 今さらの気づきですが、気がつけたことを心からよかったと思っています。


 グリーフの中にある人をケアする私たちに大切なことのひとつに、自分を知ることと、自分自身をケアすることがあると学びました。


 看護師だって、ケアされないといけないんだ…。
 あまりにも、看護師はケアされてない現状を実感しました。

 それと同時に、ワークショップで、自分たちのつらい体験を話しているうちに、聴いてもらえることで自分がケアされているということにも気がつきました。

 
 この学びをどうやって生かすのか…。
 大きな課題がみつかったワークショップでした。

 

不良家族

2011-01-17 22:43:29 | 

 無事に、母親の手術が終わりました。
 まだ、術後、数日ですが、歩行器を使って歩く練習をするまでになりました。
 ほ。


 ところで。

 術後の母親の付き添いをしていたポンでありますが、すっかり、普段の本業である看護師ではなくて、家族に徹していた「つもり」です。
 しかーし。やっぱり、ことあるごとに、この職業が役に立つことってあるものです。
 うんうん(良いように言っておこう)。


 

 手術当日。
 母親が全身麻酔から覚めはじめた状態で病室に帰還しました。うつ伏せで長時間の手術を受けたので、顔が腫れ、眉毛の上は赤く腫れあがっておりました。
 見た目が痛々しかったです。
 ホントに、ご苦労であった、はっはー(=母親)。


 その母親、術後の口渇をずーーーっと訴えておりました。
 「口が渇く」「痰がでない」…。
 かーーーーっ、ぺっ。
 かーーーーーーっ、ぺっ。
  ↑
 痰を吐き出しておる様子。

 そのたびに、口を湿らせ、ティッシュで拭いました。ほぼ、2~3分おき。
 こりゃーー、こんなことは看護師さんには忙しくてできんわなーと感じつつ…。
 母親もうわごとのように、「こんなん、家族がおらんかったら、あかんわなー」と呟いておりました。

 患者さんにするように、ガーゼを冷たい水に浸し、口の中を拭う…。
 そのうち、実は…。こっちも「飽きて」きてしまい…。
 家族という立場になると、こらえ性がありません。ぼそ・・・。

 よーくみていると、はっはーは、ガーゼで拭ったほんの少しの水をしっかりとごっくんしているではないか。しかも、術直後から、お腹がぎゅるるーーーっと動いておる。

 ここで、「飽きて」しまっていたポンがやったことは…。

 水分摂取許可の時間の1時間半前でしたが、はっはーに水を飲ませることにしました。
 勿論、ストローの口を指で押さえて、少しずつ。


 はっはーに私は言いました。
 「内緒やで、ほれ、飲めっ」(大部屋ですから、かなり、ひそひそと…)


 そのはっはーときたら。飲んだ後に、
 「ああ~~~、おいしい」と言いおったーーーーーっ。
 


 ポン「こらーーーっ、しーーーっ。黙って飲まんかいっ。」


 …まさに、不良家族ですっ。



 口渇と痰のからみは、相当つらかったみたいです。だから、そういうのも無理はないですが…。
 

 
 はっはーの経過は順調です。
 今日、歩く練習をしている姿を確認し、帰還いたしました。

 明日から、また通常通り、お仕事です。
 そして、また、週末には福岡に行かねばなりません。ううう。
 
 母親のリハビリと同様、ぼちぼちいきますか。
 

ちょっくら、行ってきます

2011-01-10 23:15:07 | 

 明日から、介護のために実家に帰ります。
 
 母親が手術を受けることになりました。
 自分の身分としましては、自分が患者の家族になるということで、気持ちは複雑ですが、自分が想像する以上にいろんな経験ができるのかもしれない…、などなど、できるだけ前向きに考えようと思っています。

 こんなにまとまった休みをもらうのは…。
 かつて無かったかも…。

 普段に、がりがりっと働いているから、許してもらえるか…とか考えつつも、やっぱり、自分の仕事の「穴」を埋めてもらわねばならず、気持ちはざわざわしています。
 
 
 何より、母親の手術がうまく行くことを祈って…。
 

 しかーし、貧乏性なので、このお休みの期間を「No お仕事」で過ごすことができそうにない私…。
 とほほ。

 では、いってきまーす。
 

有線を活用?

2011-01-03 13:59:50 | 緩和ケア病棟

 昨年度末に緩和ケア病棟に有線を導入することになりました。
 工事はまだ半ばですが、一部のスペースで有線の音楽などを楽しめるようになりました。
 病棟のエントランスは有線が流れるようになり、チューナーはナースステーションにあります。
 
 大晦日から元旦にかけての夜勤だったポンとしましては、どの有線のチャンネルにしようかなーと…、穏やかな夜勤であったがゆえに、わくわくしておりました。

 
 まず、消灯までの時間は、なごんでお仕事をしようかしら?と思ったので、ハワイアンの音楽にしました。


 ・・・んん。


 ハワイアンってええねんけど、仕事モードの雰囲気の中ではやる気がなくなるわーと思ったー。

 しかも、お部屋から大音量で流されていた紅白のテレビの音にかき消されそうだった…。

 消灯以降、少し音を小さくして、川のせせらぎの音に…。
 
 そして、元旦になり、日勤者が出勤してくる頃には、琴の音にして、正月を演出…。

 「ああ。スタッフのみなさま、今年もよろしくねー、元旦の勤務大変ねー。」なんぞの挨拶を済ませて申し送りが始まる…。

 
 そして、申し送り前から申し送り終了時あたりといえば、患者さんの朝食タイム。お正月といえど、患者さんの心身の状態にはあまり?変化はないのも仕方のないことで…。
 とにかく、「ひとりにしないで、さみしいよ」と嘆く患者さんをナースステーションにお連れして、優先の音楽を聴いていただく。

 唱歌にしてみましたが、患者さんは流れている曲に関係なく歌い始めました。
 「と~~~しのは~~じめの~た~めし~~とて~~~」♪
 一緒に歌ってみた。
 が。
 そっから先、ポンは知りませんがな。あとは、ハミング隊になりすまし~~。
 

 「3番もあるで」といいながら、つぶやくように歌っていた患者さん。


 その後は、演歌をやや音量を上げて流してみました。
 ちょっと、口ずさめる曲はあるかな???と思いつつ。

 ラウンドしていたスタッフからは、「病院ちゃうみたーい」との声が…。


 ま、それもええんとちゃうかー。
 

 病院らしくない病院。どんとこいっ。
 有線の活用法、もっとあるかもーと思った元旦の夜勤明けでありました。



 話は変わりますが。

 さ。
 もう1回。
 今年もよろしくお願いします。
 

 

あけましておめでとうございます

2011-01-02 01:23:20 | 日々

 ああ。1月1日のうちにupしようと思ったのに、間に合わなかった…。

 大晦日は夜勤をしまして、元旦が夜勤明けでした。
 本当に、とても穏やかな夜勤でした。これまでにないくらい…。
 
 


 今年もぼちぼちと更新していきます。
 今年は、自分にとって、えらいこっちゃになりそうな予感がしております。
 とほほ。

 とにかく??本年もよろしくお願いします。