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ラ・サール中学校・高等学校

2017-11-05 | 日記

 今年、医学部に強かったのはどこか。

 合格者数1位は9年連続の東海(愛知)で、唯一、3ケタの合格者を出した。最難関の東大理IIIに4人、京大医学部にも5人の合格者を出したが、医学部コースも医学部受験に向けた特別な指導もない。

「高1の秋に『研究&仕事紹介講座』を実施するなど、進路に対して幅広い視野を持てるようにさまざまな機会を設けていますが、医師を親に持つ生徒が多いこと、近年の医学部人気などからか、最終的に医学部を目指す生徒が多いです」(杉浦一輝学習指導部長)

 2位の灘(兵庫)は、国公立大合格者90人のうち半数の45人が東大理IIIか京大医学部の合格者で、難関大に圧倒的な強さをみせる。

 3位のラ・サール(鹿児島)は、この10年間でトップ3に入らなかったのは13年の4位だけで、07年の1位をはじめ、トップ3の常連だ。寮があるため、2013年から首都圏でも学校説明会を開始。今年も5月14日に開催する。

 大きく合格者数を増やしたのが、7位の智辯学園和歌山だ。昨年の35人から56人と21人も増えた。

「医師の子どもが多く、以前から医学部志望者が多かったのですが、さらに近年、増加傾向が見られます。医学部に特化した指導ではありませんが、始業前のセンター演習、小論文対策などが功を奏したとも考えられます。校内で和歌山県立医科大の説明会を実施し、地域医療についてより関心を深める機会としています」(吉本英治教頭)

 高3は2次試験型の授業を行い、放課後はリスニング、自由英作文などの授業・演習も行う。このほか、大学別の夏期講習、補習などで学力を鍛える。

「国公立大の志望者が多く、後期試験まで粘り強く頑張ります」(同)

 今年は、東大、京大をはじめとする21の国公立大学に合格者を出した。

 トップ30をみると、私立の中高一貫校がずらりと並び、公立は5校だけだ。公立トップは9位の熊本。この10年間で6度目の公立トップだが、東海同様、医学部コースも医学部に特化した指導もない。

「親が医師の生徒が多いためか、1年の2学期の進路志望調査では、多い年は400人のうち約100人が医学部志望です。医学部は難易度が高いうえ、適性がありますから、担任が面談で志望理由を聞いてアドバイスします」(進路指導主事の小坂和海教諭)

 同校では中身の濃い65分授業を行い、質の高い校内模擬試験を年5回実施している。

「生徒は勉強だけではなく、部活や行事も頑張ります。希望をかなえるため、浪人しても医学部を目指す生徒も多いです」(小坂教諭)

 公立2位は、札幌南(北海道)と、仙台第二(宮城)が並んだ。仙台第二は10年まで、国公立大医学部医学科合格者数トップ20に入っていなかったが、11年は39人の合格者が輩出して17位にランクイン。以降、43人、44人、45人と着実に伸ばし、今年は46人に。

「東大理IIIを含め、現役合格は21人。20人を超えたのは初めてです」

 進路指導部長の小村田達也教諭は話す。

 急伸には理由がある。

「高校の『医進会』の活動で、1年の3月に都市部の総合病院、2年の8月に山間部の病院を見学しました。閉鎖された診療所をみたときには『医師不足』を目の当たりにし、地域医療に興味を持ちました」

 3年生の白圡(しらど)美希子さんは話す。同校では、共学化した翌年の08年に病院体験会を実施。医学科志望の生徒が多いことから、10年に希望者を対象に「医進会」という3年間のプログラムを開始した。

 小村田教諭は、目的についてこう説明する。

「医師になる覚悟がないまま医学部に進学する生徒もいたため、医療の現状を理解し、医師の心がまえを育てるために始めました」

 医進会プログラムは、高校主催のものと県教育委員会主催のものがある。主なプログラムを紹介しよう。

 1年の夏にグループごとに課題研究をし、9月に発表会を行う。昨年の1年生の研究テーマをみると、移植医療、災害時の緊急救命(トリアージ)、iPS細胞、子宮頸がんワクチンの効果と危険性など、さまざまな医療ニュースに関心を持っていることがわかる。

 1、2年次にはこのほか、東北大学医学部体験会、都市部の総合病院での病院体験会、地域医療体験、学習合宿会、医師や現役合格者による講話などがある。3年次には、小論文指導、面接指導、医学研究講座などと充実した内容だ。

 取材に訪れた日は、昼休みに医進会の集まりがあり、新3年生が1~2年の活動を振り返ったアンケートに記入した。

 物心ついたときから医師になりたかったという大類(おおるい)紗耶香さんは、中3時に参加した学校説明会で医進会を知り、入学するとすぐに入会したという。

「都市部の総合病院での体験会のとき、エボラ出血熱の流行が深刻な状況で、防護服の着用体験をさせてもらったんです。すごく動きにくくて、医療従事者は大変な思いをしながら患者さんを診ているということがわかりました」

 大類さんは何度も医師の講話会に参加し、資質や将来像について考えを深め、医師になりたいという思いをさらに強くしたという。

 アンケート用紙をみると、

「医者の輝かしい側面だけでなく、なるうえでの覚悟等も知ることができ、とてもよい機会だったと思う」

「講話会に参加することで、漠然としていた医師像が明確になりました」など、具体的な気付きの言葉が並ぶ。

「病院や医学部体験、現役医師の話なども人気がありますが、卒業生の話もロールモデルとなり、生徒のやる気につながっているようです」(小村田教諭)