息子の助手席

本当は今日納車だった。

もう少し待てば旦那がいるんだから延ばせと言ったのだが
盆休みの前に欲しかった息子は「うん」と言わない。
そして私に同行してくれと言う。

「私がいても役には立たない」
「いないよりはマシ」
いやいや　そもそも　ディーラーまで電車に乗っていくのが嫌なのだ。
母親同伴で車の受け取りに行くのが嫌なのだ。
そして息子の運転に冷や汗して帰るのが嫌なのだ。
まして今日は

旦那の最後の就業日。
つまり私の最後の楽園。

のんびり憂いなく過ごしたいではないか！

ごねにごねて
したらば日付を変更し
その上「先輩に無理行って来て貰う事になったわ」とな。

で８日月曜日の納車となった。
先輩さまさまである。
まして先輩は車関係のお仕事をしていらっしゃる方だから
全ての意味でベストであった。

月曜日午前　何の連絡もなかったから無事終わったのだと安堵した。
火曜日昼　突然やってきて花束を突き出す。

「何？」
「納車祝いだってディーラーで貰った」

中古車ってそういうものなのか？
花束を牛乳パック（花瓶などない）に差して愛でる。
何か喰わせてくれと言う息子に昼飯を作ってやる。
運転して友だちと市内の温泉に行って来たと言う。

ああこれで息子の車関係は終わった。

と思っていたら
今朝息子がやってきて「さあ　温泉に行くぞ」と言う。

なんでこの日にと思ったが
断るのも可哀想だという親心と
ここで断ったら用事がある時に使えないという打算と
ブログネタになるなというウロ根性が入り混じり

朝ごはんを食べさせた後、タオルを持って息子の車に乗る。

８年目のあうでぃである。
それがいいとずっと言っていた。
国産にしておけと言ったけれど
男にとって車は女の服のようなものだから
最後決めるのは当人である。

びっとん財布と言い　私と価値観の違う息子だ。

市内の温泉に行き、
出来ればこちらのマンションの前で降ろして欲しかったが
息子の駐車場まで乗せられて
車庫入れっぷりを直視させられてしまった。

息子の初助手席ってちょっとした記念日かも知れん。
旦那の退職日と重なったから一生忘れないだろう（と思う）。

そして今夜は三人で焼肉の予定である。