ブルーレイで「必殺!主水死す」視聴しました。
この作品、とやかく言われてますが悪くないです。いや、むしろ好きです
単純な話、中村主水が死ななければそれほど悪く言われなかったのでは?
実際、死ぬ必要性はあまり感じられないストーリーでもあります。
その後、復活してるわけですし。
キャステイングもナイスです。
津川雅彦、名取裕子はもちろん、
フーミンも、この作品のこの役だけは好きです。
東ちづるの愛人もちょうどいい。
音楽も貴重なオリジナルスコア、主題歌もばっちり。
なんといっても、この頃の藤田まことさん、ちょうどいい枯れ具合。
力の抜けかたが絶妙です。
最後の密室シーンでの、芸達者三人による地味だけどヒリヒリするような緊張感は、あの三人でなければなし得なかったでしょう。
吉田剛氏の脚本、
よく必殺をダメにしたとか言われてますが、
吉田氏がいなければ、とっくの昔に必殺終わってますよ。
まぁ、そもそも脚本はプロデューサーを含む協同作品。脚本家が好き勝手にかいてるかのようにとらえてるのがそもそもまちがいではありますが。
ちょうどいい具合にハードさと、人情味が融合、幅広い視聴者にウケるのがこのかたの作風。
だから、初期しか認めないようなうるさいマニアからすれば嫌なのかもしれませんが、俺から言わせれば、本当に名作が多いです。
必殺をダメにしたどころか、延命した第一人者でしょう。
この「主水死す」もその名作のなかの1本。
津川雅彦の四郎が主水を恨む狙う理由が、
「俺に抱かれながら、おめぇの名前を呼びやがった」なんて渋すぎる!
そして、自分の息子を主水のこどもだと疑いながらも、大人になるまで育て上げ、父親殺しをさせようとする執念深さ、異常性は初期に通じるものがあるし、そういういい意味での話のスケールの小ささ、ごく個人的な話を主水の最後に選んだのはいいセンスだとおもう。
そういったメインのストーリーはほんとに素晴らしいものの、とってつけたような最後の秀と勇次のセリフなど、気にくわないところももちろん多々あります。
なんといっても、千代が主水刺す理由が不明
まぁ、そこはそれぞれで解釈すればいいということでダメですかね?