白窯だより

陶芸家の日常、思い事

長崎の迷宮

2016-11-27 20:11:09 | 日記

長崎の先生のお宅に、久しぶりにおじゃまする。

早く着きすぎて、少し辺りを歩いてみる バス通りから、、ああ、この道をアパートから通いよった。

狭い狭い階段を降り始める。  長崎以外では考えられない急なでこぼこの階段。

 安全のためか、白いペンキでぬってある。 どこまでも下りる。 しばらく、小川に沿って下り、

もうそろそろ上がらないと、大変なことになる。と、脇道の階段を登り始める。どこまでも上がる。

えっ、あれっ、行き止まり。  これは、まあどうしたことかと、階段をよろよろと下り、今度はと、

別の広い階段を登り始める。急階段は、どんどん細くなり、、、、あれっ、ひとの家のお玄関。

ひーひーはーはー、どうしたものかと、途方に暮れる。 ああっ、この感じ久しぶり。

そうだった、長崎はそうだった。ここは、立体迷宮。まるで、エッシャーの無限階段。

また小川まで下りて、半ばヤケに軒の間の階段を登り始める。今度はどこまでもうねうねと続く。

軒先をかすめ、裏をのぼり、墓地を抜け、また階段。すると、ポンと、噓みたいに元のバス通り

に。  ひーひーぜーぜー、長崎の洗礼。

当時も、右も左もわからず、焼き物の世界に入って、登っているのか降りているのか、目の前の

階段だけを見て、、、、ああ、この町は空が狭いなーっと、、、、、

 

先生はお元気そうで、いつまでも気にかけて下さって、今度、教室を閉じることになって、いろん

なものをいただく。ありがたい。

先生のお宅で、唐津の昔のものを見せて頂く。 古唐津、李朝。

彫三島の生きたリズミカルな線,絵唐津のこれまた生きた線。はぁー、もうやめてー。

なかでも、箱書に「無言」の字がみえる小服の無地のお茶碗。唐津の土に土灰釉を乱暴に

かけて、還元で焼いただけの茶碗。 陶工は汚れた指をぬぐいもせず、ざっくり持って、ばしゃっ

とつけてる。たぶん、ねらって。 こんなに乱暴につけるわけがない。

でも、そのあざといはずの指あとも,釉の剥落引き攣れと、あばたもえくぼ。愛すべき景色。

饒舌な「無言」。茶人たちに愛でられ、茶渋と人の脂で土は黒くひかり、時代に愛されて、

存在感を増している。あざとく、汚いはずの作為が、いい感じのリズムになる。

これも、迷路だな、立体迷路 無限階段。 登っているのか降りているのか。 未だに、迷宮で

途方に暮れる。

  帰り道の大村湾。ここは空が広いな。

 

 

 

 

 


静かな日

2016-11-22 20:41:49 | 日記

今日は、朝から「地震」だったけど かまわず散歩へ。 津波どころか、いつもよりキラキラと

白く光る平和な海で、神社も紅葉で、、、、帰って素焼きの準備をしてると、ブヒブヒ ブヒブヒ、

 ものすごい鼻息で、

 やっとこ縞がとれた、若い兄弟。

そばに立ってるのに目もくれず、一心に何食べてるの。

夕方から素焼き。

 きょうは、これを聞く日。

キースジャレット、the melody at night,with you.


四連敗

2016-11-04 22:59:30 | 日記

窯の調子が悪い。四連敗はちょっときつい。 ふー、日本シリーズなら終わってるで。

ただ、四敗目で光明も。 悪さの原因がなんとなくみえてきた。

釉薬に入れたした硅石、思ったより鉄分がはいってる。エンゴべーのカオリンが荒い。

さあ、どうしよう。捨てて新しく作ったほうが早いかも、、、。 いっぱいつくる。

 白くないけど、見てると味がある。いいやつ。