day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

9・24ドキュメント ~1~

2004-09-24 | モウギュウ。
今週は、休日が2日もあった。
20日の敬老の日と23日の秋分の日。
なのに私はもう一日有給休暇をとった。

最終戦だから。

休みをとる、と言うといつも一言くらいはイヤミをいってくれる専務は
「ふーん、そうか」
とだけ言って、何も言わずにいてくれた。

今日は内外野自由席が無料。平日だけど、私みたいに社会人失格みたいな人がいっぱいいるに違いない
と踏んで、昼前から出かける。
球場にいつも持って行ってるバッグに、タオルマフラーと扇子とメガホンと白ユニと、ずっとスタンドで掲げ続けた選手のサインでいっぱいになった「合併禁止」の赤い布、今シーズンのチケットとラッキーカードでぱんぱんに膨れ上がったチケットホルダーが入っていることを確認して。
行きがけに発泡酒を何本か仕入れてバッグの底にしのばせる。
地下鉄を乗り継いで、大阪ドーム千代崎駅へ降り立つと、なんと大雨。
カバンでそれを凌ぎながらドームにかけこむ。
まだ12時ごろだったが、人は多かった。
雨を避けてグリンドムモールを半周し、外へ。丁度チケット売り場のところへ上がると予想に反して人の姿が殆ど見えない。先程あれほど降っていた雨は本当に通り雨だったのだろう、もう止んでいた。
ドームの係員の方が「外野自由席入場待ち列最後尾」と書いたプラカードを持って立っていたので声をかけてみると、ナンバリングした紙に名前と人数を書いて地面に貼り付けた。
まあ、14時頃に最行列する為の場所とりである。雨も降ったしこのやり方で正解だっただろう。
私はちょっと周辺の写真をとると再びグリンドムモールへ降りて喫煙スペースで時折煙草に火をつけながら持参した本を読みながら14時までの時間を潰した。
14時に再集合となったが結局そのまま開門まで並んでいろということだったので「だったら15時でもええやんかー」と不満に思ったりもしつつ(笑)
しかし開門時間は随分繰り上げてくれた。

入場口には、二軍の選手たちが並んで記念品を渡してくれたり握手に応じてくれたりしている。
記念品は、歴代近鉄(パールズ含む)のユニフォームデザインを並べた絵柄のスルッとKANSAIカードだった。(使えねぇ・・・)
脊髄反射みたいにあたりまえに足は36通路へ。通いなれた通路。見慣れた顔。
常連のお姉さんはもう涙で目を真っ赤にしていた。
「入り口で選手に『今までありがとう』とか言われたらもうアカンかったわ・・・」
売店、喫煙所、皆顔は笑いながら。
「昨日の礒部見て泣いた」と何人もの人が言った。
「来年どうしようなぁ」
「赤だけに甲子園に広島カープの応援行くっちゅうのはどや?」
茶化したり、冗談を言ったり、どの顔も一生懸命笑っているように見える。
私は、せっかく最後だからと「いてまえドック」を買ってみた。
大きすぎるから食べきれないかと思って今まで買ったことはなかったんだけど、それは意外なくらいぺろりと私の胃におさまった・・・・・。
いつもより開門が早かったので、グラウンドではまだバファローズの打撃練習をやっている。
ノリが、北川が、そして最終戦に打席に立つために登録された吉岡が、快音を響かせていた。
守備練習が始まると、昨日は名古屋でスーツを着て戦っていた磯部が姿を見せた。
ライトスタンドは大喝采で彼を迎える。
礒部はそれに何度も何度も帽子をとって深く礼をして応えてくれた。
そしてレフトのライオンズ応援団からも、礒部コールが起こった・・・・・。

仕事が終わってからでないと来れないと言っていたあちゅは結局早退して、試合開始に間に合うように到着。

音響が大きくなりドームビジョンにコナミのNPB協賛の画面が出る。
「PLAY!」
続いて、聞きなれたあのイントロが流れる。
「白いボールのファンタジー」。
合併・1リーグ化反対のテーマソングのようになったこの歌も、ドームの日常のひとつだった。
これが終わると、スターティングメンバーの発表。
まずはライオンズの先発が発表される。
カブレラと和田の名前が見えない。
「ナメとんのか伊東~~~!」「カブレラ出せ~~~」「和田出せぇ~~!」
とかヤジもとぶ(笑)
そして、バファローズのメンバー紹介の音楽が始まった。
大村、水口、礒部、中村、北川、下山、益田、阿部真、藤井。
紹介が終わると応援団により1-9応援歌。


磨き上げられたその足で踏み出せ核弾頭 駆け抜けろ早く勝利への道をスピード上げて走り出せホームベース目指して(大村)
気合を入れて打つぞわれらの栄二 栄二のバットが火を吹くぞホームラン(水口)
心熱く燃やせ(今だ!)力こめて飛ばせ 敵を(叩け)強打(かませ)勝利のために(礒部)
我等の期待をそのバットに乗せてミラクルアーチを決めろ紀洋(中村)
奇跡を呼び込む男笑顔で決めろ 快音響かせ白球飛ばせ高く(北川)
己の力信じて限界の壁突き破れ唸り上げ弾き返せ紅蓮の閃光(下山)
溢れるその気迫とキラリ光る選球眼 いざ出撃切り込め(いけ!)野武士大介(益田)
獲物狙う眼差しで勇猛果敢に攻め立てろ栄光その手で掴み取れ真紅の血をたぎらせて(阿部真)
吼えろおまえの出番だ秘めた闘志燃やして砕け眼下の敵にとどめさす一撃(藤井)


歌ってる間に堪えきれなくなって、「今日は泣かない!」という妙な決意は試合開始前から崩れてしまった。

試合開始に備えて、アナウンスのコールとともに選手たちが守備位置へ散りはじめる。
普段はそこで先発投手のコールが入るが、先発(高村)コールの前にここでも礒部コール。

そして、最後の試合は始まった。

【9・24ドキュメント2 3
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