南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

DHLを騙った迷惑メール

2009-09-26 01:18:24 | Weblog
それは一月くらい前からです。DHLからメールが届き始めました。
でも本当のDHLではなく、偽物のDHLからというのが後になって
わかりました。差出人は、"DHL Customer Services"だったり、
"DHL Express Services"だったり、"DHL Delivery Support"
だったりいろいろですが、メールアドレスはservices@dhl-
support.comや、services@dhl-usa.comや、services@dhl-
global.comだったりします。メールアドレスのドメインにdhl
という固有名詞が入っているので、これは本物だと錯覚して
しまいます。でも実は、コンピュータの中に入り込んで、破壊
活動をするテロリストのようなマルウェア(悪意を持って作ら
れた不正ソフトウェア)が添付されているのです。

これらのメールには、DHL_INVOICE_f34a75.zipとか、DHL_
INVOICE_126399.zipとか、DHL_INVOICE_51e35a.zipと
いった名前のファイルが添付されています。これを開くと
問題が起きるらしいのですが、インボイスという言葉が
何となく最もらしく響いてきます。

上の画像の赤い枠で囲った部分が、メールの文面なのですが、
「貴殿が6月22日に送った郵便荷物は受取人の住所が不正確
だったので送り届けることができませんでした。添付のイン
ボイスをプリントアウトして、荷物を引き取りに来てください」
というような内容です。出だしの"Hello!"というのが気軽すぎ
るけど、アメリカだと逆にこういう挨拶が粋なのかななどと
思ってしまいました。しかし、6月の22日にDHLで送った
荷物には記憶がありませんでしたので、これは何かの間違い
に違いない。しかしDHLが果たしてこんな間違いをするんだ
ろうかとか気になりました。

それからほとんど毎日、DHLからのメールが届きました。
私は、香港で仕事をしていて、DHLやフェデックスや、UPS
などの国際的な荷物はよく送ったり、受け取ったりしていた
ので、毎日メールが来るのだと、本当に、荷物がどっかで止
まっていてDHLのほうで困っているのではないかと思ってし
まったのです。それでとうとう添付ファイルを不覚にも開い
てしまいました。インボイスを確認してから、DHLに電話を
しようとさえ思ってしまっていたのです。あさはかでした。

私が使っているマシーンがマックだったので、不正ソフトの
攻撃は何とか免れました。すぐにウィルス検出のソフトを
入れて前ファイルをスキャンしたのですが、幸いにも有害な
ウィルスは発見されませんでした。今から思えばヒヤヒヤし
ます。

これがマルウェアが添付された迷惑メールだということは、
最近になってわかりました。ウェブやブログを検索してみる
とDHLの迷惑メールのことがいろいろ出ていました。やっぱ
りそうだったのか。それはまるで新型インフルエンザのように
世界中に蔓延していたようです。

これは本家DHLのほうもさぞ迷惑しているんだろうなと思い、
DHLのサイトを見てみたら、やはり出ていました。以下はその
文面です。
重要なお知らせ:弊社を装う不審メールについて

最近、お客様の一部に対しDHLからのメールを装い、コンピューターウィルスが含まれる疑いのある添付ファイルを開封させようとする不審なメールが届いたという報告を受けています。メールは英語で「DHLトラッキング番号(DHL Tracking number)#Z805B71249NXV53)」というタイトルで届き、虚偽のインボイスが添付されているとのことです。

弊社の航空運送状(Air Waybill)番号は数字10桁であり、このようなアルファベット混合の11桁以上の番号は決して使用しておらず、また海外のDHLから日本国内の荷送人もしくは荷受人のお客様宛てに直接メールで問い合わせることはなく、発信者とも一切関係はありません。

このような不審なメールにご注意いただきますとともに、万一受取られた場合は絶対に添付ファイルを開かず、即時に消去いただくようお願い申し上げます。


そういえば”DHL Tracking Number"というタイトルのものも
たしかにあったと思い出しました。今日もまだ届いていたので
まだしばらく続くのかなという気配が感じられます。受け取っ
たほうも迷惑をしているのですが、御本家のDHLさんもかなり
迷惑をしているんだろうなと思います。

DHLのサイトを見たついでに、いろいろDHLについて調べて
みました。今年40周年を迎えた世界最大の荷物配送会社です。
今は親会社はドイツの郵便局のドイチェ・ポスト。民営化され
た郵便局が国際企業として世界的に大成功しているのは、日本
の郵政グループさんも見習ってほしいですね。この会社は、
世界的に有名なのですが、ドイチェ・ポストが親会社になる前
も赤と黒と黄色が会社の色だったので、何となくドイツの会社
だという先入観を持っていました。

ところがこの会社は、40年前にアメリカのサンフランシスコで
できた会社だったというのを知ってびっくり。しかも、その
会社名が、エイドリアン ダルシー(Adrian Dalsey)、ラリー
ヒルブロン(Larry Hillblom)、ロバート リン(Robert Lynn)
という3人の創立者の頭文字をとったものだというのを知って
さらにびっくり。自分がいかに何も知らなかったのを反省した
のでした。

DHLの最初の仕事は、西海岸からハワイのホノルルに郵便物を
迅速に届けるという仕事だったというのも驚きです。世界中が
人類の月面着陸で話題沸騰だった頃、サンフランシスコの3人
の男たちがDHLの第一歩を踏み出していたのですね。それが今
や世界ナンバーワンの国際速達便とロジスティクスの企業。
迷惑メールで迷惑をかけられるのも有名税というべきなんで
しょうか。サンフランシスコの3人の男たちは、40年後に自分
たちの名前を騙った迷惑メールがネットワークの上を飛び交っ
ているなんて、全く想像もできなかったことでしょう。

しかし本当に迷惑なので、こういうのは早く止めてほしいで
すね。ダルシー、ヒルブロン、リンさんも嘆いていると思い
ます。DHLさん、こんなのには負けずにがんばってください。