南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

香港返還から12年が経った

2009-07-02 00:18:27 | HONG KONG
7月1日は、私の誕生日でした。いろんなメールで誕生日の
お祝いのメッセージが届いていたのですが、以前泊まった
ムンバイのホテルからメッセージが届いたのはびっくり
しました。たった一度出張で泊まっただけなのですが、
誕生日まで覚えていてくれたのはちょっと感動的です。

一月以上さぼっていたWIIのWII FITをひさびさにやりました。
そうしたら誕生日おめでとうございますのメッセージ。
ひさびさにつけた機械から突然そんなお祝いを受けると、
ちょっとびっくりですが、これも感動でした。

今日は私の誕生日だから、それをお祝いして香港は祝日
というのは嘘ですが、実は香港返還の記念日での祝日です。
1997年に香港は中国に返還されたのですが、あれからもう
12年が経ったのですね。この上の写真は、香港返還の
セレモニーが行われたコンベンションセンターの建物、
そして金紫荊広場。この金色の花のモニュメントが返還の
シンボルということです。

この場所は、日本のガイドブックではほとんど触れられて
いませんが、中国からの観光客が訪れる名所になっているよう
です。今日もこの場所で、中国の国旗掲揚のセレモニーが行わ
れたようなのですが、夕方行ったときは、団体観光客が数組い
た程度でした。

日本の報道では、歓迎ムードで語られている返還12周年ですが、
実際はいろいろと複雑です。香港の中高生対象の調査では、
96%が自らを中国人と自覚しているということや、香港人の
39%が自分は中国人と思っているという調査などが報道されて
いますが、中国に対して抗議している市民もかなりの数に上っ
ています。



この上の写真は、香港のワンチャイ付近の様子ですが、抗議
デモで道路は人で溢れています。今年は、7万6000人がデモ
に参加したということで、これは過去最高だったようです。
中国の報道では、香港でこのようなことが行われているという
ことは一切語られません。日本のニュースでもあまり出ていま
せんね。



上の写真は、ワンチャイの駅の近くで、シュプレヒコールを
あげているリーダーっぽい人です。夕方でデモ行進もフィ
ナーレという頃でしたが、何だかすごく盛り上がっていました。

私が子供の頃は学生運動とかが日本各地で行われていて、
騒然とした時代でしたが、なんだかちょっとその頃の感じにも
似ていて懐かしい気がしました。

月曜日の夜に、社員のマイケル君と会社のそばのイタリア
料理屋でワインを飲みながら話していたら、彼も今年はデモに
参加するんだと言っていました。中国返還を歓迎する人々も
いれば、抗議を続ける人々もいる。報道からはなかなかその
実態がわからないのですが、実はかなり複雑なようです。

中国は実は言論統制が厳しく、YouTubeとかも制限されて
います。出張で上海に行ったときも、アクセスできない
ので困ったことがありました。逆に中国にはYouTubeの中国
版のようなサイトがあるのですが、これは逆に外国からは
(香港からも含めて)アクセスできないのです。

香港は中国に返還されたはずなのに、YouTubeに関しては
外国扱い。もちろんパスポートも、通貨も、言語も全く中国
とは別ですね。しかしこういう国に生まれると、自分の
アイデンティティーはどうなっちゃうんでしょう。調査統計
で自分が中国人と認識している人が多いというデータがあり
ましたが、何か作為的なデータのような気がしてなりません。

こんなことを言うと中国政府からこのブログも検閲されてし
まうかもしれません。

ところで、先日、コンドミニアムのロビーに置いてある朝日
新聞を見ていたら、香港の看板も中国企業の看板が多くなって
きたという記事がでていました。



以前は大半が日本のブランドの看板だったのですが、最近では
中国ブランドのものが多くなったということです。この上の
写真では、日立や、オリンパス、東芝などの看板がありますが、
China Mobile、TCL、Haierなどの中国ブランドや、LGなどの
韓国の看板が目につきます。看板の世界では香港中国化計画は
着々と進んでいるようではありますが。