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移転しました(2014/1/1)

『坂の上の雲』の世界に関して思うこと

2006-01-29 | ヒストリ:連載
断続的ながら日露関係で調べていることがあります。
一昨年去年と日露戦争100年ということで関連本が沢山出てました。
ぼちぼちとその恩恵にあずかっていますが、私が知りたい事というのはまあ、さっぱり分かりません(笑)
そろそろ調べるのが嫌になってきました。つーか、腹が立ってきた(笑)
まあそれはいいんですが、古い研究、新しい研究を調べながら思うことは…
「色んな事が 分かる/分かってきている もんだなあ」ですかね。やっぱり。
成る程なあと思う事が結構あります。
戦争に絡む日本の石炭の話や、船の積荷に掛けられる保険料の変動の話等など。
それやこれやと日本を取り巻く環境を冷静に考えれば、開戦直前直後、ある面では日本はロシアよりもかなり優位な立場に立っていたようです。
でもこういった話は恐らく殆ど知られていないのではないかと。
日露戦争に関して大多数の人の基本となっている名著『坂の上の雲』に書かれていない、というのが大きいでしょう。
まあ小説なので全てを書けという方に無理があります(笑)
しかしながら、日露戦争を語ろうと思えば小説云々という前に大きな問題がある、というのが実相のようです。
海軍に関して言えば(陸軍も同じようなもんでしょうが)、戦前、日露戦争に関する情報は非常に制限されていました。
海軍軍令部が海戦史を編纂していますが、これが3種類あります。

①『明治三十七八年海戦史』(秘密戦史)
②『明治三十七八年海戦史』(普通戦史)
③『征露海戦史』(発見されている冊数が少なく、全体が良く分からないらしい)

①②は同じ名前ですが、誤記ではありません。
一般向けに公刊された普通戦史と、部内向けの秘密戦史があったんですね。
因みに普通は4冊、秘密戦史は116冊。
おおぅ…この冊数の格差。
桁が違います。
部内向けと言っても海軍部内でもこうした戦史があることを知っていた人は僅かで、そうした物があるという事を知らない海軍軍人の方が多かった。
文字通り"秘密"戦史だったわけです。


気が向いたら明日続きを。


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